リカバリーウェアが流行っている。
着ているだけで疲労回復が期待できる服、というあたりが共通する形容だろう。私は使用していないので効果はわからないが、爆発的な広がり方を見ると、ネーミングがすばらしいことは間違いない。
このネーミング、カメラにも使えないだろうか。
ストレートに、リカバリーカメラというネーミングでも、なかなかいけそうである。散歩のお供にするだけで、疲労が回復して元気になってくるというのは、多くのカメラに当てはまりそうだ。撮影枚数と歩数などを解析してリカバリー度を表示するスマホアプリと連動させてもいいだろう。
持っていて快適なバランスのリカバリーレンズ、疲れ目に効くリカバリーファインダー、ホールド感で癒されるリカバリーグリップといったネーミングもよさそうだ。リカバリーストラップ、リカバリーバッグくらいまで用法を広げるのは、いささか苦しいかもしれないが、逆に一気に広げてシリーズ化するのもありかもしれない。
撮影した写真に使うのはどうだろう。リカバリーフォト、リカバリーピクチャーなどは、写真の活用法としてはすでにあるだろうが、そうした活用法をアップデートできる可能性も感じる。こじつけになるが、リカバリーカメラで撮るリカバリーフォト、という結びつけ方も考えられるだろう。
カメラにリカバリーモードを搭載する方向性もあるかもしれない。しかし、スマホやパソコンのリカバリーモードというのは最終的な復旧モードを指す言葉なので、とんでもない混乱が起きそうである。
このように、どこまでも妄想が広がっていくのだから、ことほどさようにネーミングは重要だ。疲労という言葉は重苦しく、回復という言葉は堅苦しい。ところが、リカバリーという言葉には、リフレッシュ寄りの爽快感もある。リカバリーウェアと呼べば、それが部屋着の場合でも、だらしない感じもしない。
言い回しによってイメージが違ってくるということで思い浮かぶのは、リスペクトという言葉である。敬意や敬愛の念を抱くというと、かなりシリアスなニュアンスになるが、リスペクトする、リスペクトがあるというと、ややポップな風味になる。軽く敬意を抱く、軽い敬愛の念を込める、といってしまうと何やらいかがわしいが、全体をポップにしてしまえば、いいとこどりになる印象だ。
これまた、カメラに使うことはできないだろうか。
デジタルカメラに搭載したフィルム風のモードやフィルターに、そのままフィルムという言葉を使ったネーミングをしてしまうと、どうしても矛盾を抱えてしまう。簡単にいうと、アナログモードのデジタル、のようなねじれが含まれてしまうのである。
だが、リスペクトモードと呼べば、この矛盾をかなり解決できるように思う。リスペクトネガカラーモード、リスペクトモノクロームモードなどから定着させていけば、いずれは作家名を挟んでも不思議ではなくなるだろう。フィルム風の枠も、堂々とリスペクトフレームと名乗れば、揶揄されなくなるに違いない。
もっとも、アナログ愛が強い向きからは、リスペクトモードにはリスペクトがないと批判されることがあるかもしれない。あるいは、リスペクトやリカバリーといった言葉が濫用されてしまうと、リスペクトモードとリカバリーモードが混用されたり、撮る方と貼る方のリカバリーフィルムがわからなくなったり、混沌としていくかもしれない。
万一そうなったら、立派な流行語になったということで、活性化の証だろう。
ならないだろうけれど。



PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。
「Photo & Culture, Tokyo」最新の更新情報や、ニュースなどをお届けメールマガジンのお届け
書籍、写真グッズなど会員限定の読者プレゼントを実施会員限定プレゼント