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考へるピント

83 2026年(人間の証明)

2026/01/05
上野修

最近、ウェブサイトのリンクをタップすると「おっと、何かがうまく行かなかった。」という画面がしばしば表示される。
 

「何かが」というのは婉曲表現というか、トボけた表現であって、ほとんどの場合は、広告ブロッカーを外さないと見せないぞ、という意味である。
 

広告ブロッカーを入れていないと、当然ながら広告が出てくる。それも、たくさん出てくる。記事が読めないときすらある。広告を消すための×印があるはずだが、まったく見つけられないときもある。
 

料金を支払えば広告を回避できるかというと、かならずしもそうではない。たとえば、サブスクリプションの低価格プランでは、広告が流れる場合もある。
 

ウェブサイトにログインするのも一苦労だ。
 

2段階認証は当然のこととして、ログインしようとすると「私はロボットではありません」という画面が出てきて、横断歩道、信号、バスなどを選択させられたりする。ぐにゃぐにゃ文字の文字を読んで、入力するパターンもある。
 

どちらもなかなかの難問で、けっきょくクリアできないときすらある。
 

これが夢見たインターネットだったのだろうか。
 

無料サービスを利用したホームページやブログのブームも、とうの昔に過ぎ去った。2025年11月に、ポータルサイト「goo」のサービスが終了となることが話題になったが、どういうサービスだったのか思い出せない人も多かったのではないだろうか。
 

写真関連のサービス、ウェブでアルバムを作るサービスの総称も思い出せない。たしか、写真共有サービスなどと呼んでいたと思うが、そこで想定されていた(であろう)世界が実現されることはなかった。
 

いや、実現されてみたら、限られたメンバー間の共有機能がメインのもの、アップデート機能がメインのソーシャルメディア(SNS)、保存機能がメインのクラウドサービスなどに分かれたというべきか。
 

保存、という言葉を見て、憂鬱になる写真愛好家も少なくないだろう。デジタルカメラになって撮影枚数は激増したが、保存やバックアップも容易ではない。当然ながらデータは捨てない限り増え続けるので、どんどん大変になっていく。
 

ハードディスクに二重三重にバックアップをとり、念のために容量無制限のクラウドサービスにもアップロードしても、そのサービスがいつまで続くのかわからない。ハードディスクが大容量化、低価格化していけばいいが、最近はむしろ値上がり傾向である。
 

ソーシャルメディアといえば、2025年12月、オーストラリアで16歳未満のソーシャルメディア(10のプラットフォーム)の利用を禁止する世界初の法律が施行された。こうした規制が広がっていくなら、ソーシャルメディアがアルコールのような扱いになっていくということかもしれない。
 

歳をとればそれなりに成熟して、酩酊しなくなる、とは言い切れないが、かといって、年齢以外の線引きも難しいだろう。
 

これが夢見た未来だったのだろうか。
 

写真コンテストなどにおけるAIの使用も、いっそう悩ましい問題になっていくかもしれない。昔から、二重応募、類似応募などは問題になってきたが、そもそも優れた作品を選ぶことと、ルール違反を見つけることは別のことなので、なかなかいい解決策は見つからなさそうである。
 

そのあたりのチェックもAIに委ねることが可能になったとして、応募もAI、チェックもAIでは、どこに人間がいるのかわからなくなってくるだろう。いずれにせよ牧歌的な性善説は、もう成り立たないのだろう。
 

これが夢見た……、と書きかけて、その言葉を検索してみる。上位の方に自分が書いた「44 こたつ記事 2024/07/08」がヒットしている。
 

ということは、これは一般的な表現ではないのかと不安になる。だがその一方で、AIによる概要は、「この一文は、希望と失望、あるいは達成感と虚しさといった相反する感情を同時に内包しており、非常に示唆に富んだものです」と慰めてくれる。
 

「「夢見た未来」がどのような形を指しているかによりますが、現在の世界は、かつてのSF映画が描いた技術と、予測できなかった複雑な課題が混在する場所に到達しています」とのことである。
 

ネットに表現が適切かどうかうかがい、AIに慰められる、そんなことを幾度も繰り返しながら、文章を書く。これで人間が書いているといえるのだろうか。
 

AIはこういっている。
 

AIとの対話を重ね、表現を磨き、時に励まされながら言葉を紡ぐ。そのプロセスを経てもなお、それは間違いなく「あなたが書いた文章」です。

 

 

 

人間や ああ人間や 人間や

 

 

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