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カメラ悪酔強酒

第66回 オートボーイシリーズの中でも最高にキレーなカメラ「キヤノン オートボーイ Luna」

2026/03/20
赤城耕一

レンズ前のバリアをスライドするとスイッチが入るのですが、同時にフラッシュが立ち上がります。せっかくビルドインしていたのに残念。指で押し込んでも収納されません。テープで貼ってやろうかと思いました。Luna105という38-105mmレンズ搭載モデルもあります。

 

本連載、繰り返しますが、意図してキヤノン篇にしたわけじゃあないのですが、終わりにしようとすると、今回もカメラのウルサ方から、あれも取り上げてない、これも取り上げていないと、指摘を受けるわけです。ったく、とは思うのですが、ありがたい意見として、可能なかぎり拝聴するようにしております。べつにカメラの歴史を探るとかいう連載でもないので、本人は簡単に考えております。
 

キヤノンフィルムコンパクトカメラはオートボーイをはじめとして、膨大な種類がありまして、同年発売モデルでもバリエーションが多く、とてもではないけど紹介しきれるわけがありません。いや、紹介する気もないのですが、実際に使用してみたカメラでなければ戯言も書けません。
 

で、同世代の知人に「Luna」をやってねーじゃんと指摘されました。んなこと言われてもと思いましたよ。
 

でもね、困ったことに、ここで膝を叩くヲレがいたりするわけです。一応はオートボーイシリーズの中でも意識していたモデルなので、指摘されると、アタマに血が上ってしまったわけですね。

 


バリアを閉じた状況がいちばんLUNAっぽいわけですね。でもこのままでは撮影できないわけです。

 

そうです。数あるオートボーイシリーズの中でも最高にキレーなカメラが「オートボーイ Luna」だったわけです(個人の嗜好と感想です)ね。登場は1994年です。32年も経っております。
 

「ルナ」ですから「Luna」でありまして、「月」であります。ちなみにラテン語ですね。しつこいですね。すみません。
 

んなこたあ言われなくてもわかっているかもしれませんが、筆者のような高齢初心者で「Luna」と言われて思い浮かぶのは、まずはタバコでありますね。
 

これね、自身が喫んでいたわけじゃないんですが、筆者がお子さまの頃、周りのそれなりの数のオトナが喫んでいたように記憶しております。
 

でもその当時からも、Lunaはパッケージの月をシンボライズしたイラストが綺麗だったことが記憶に強く残っておりました。
 

ただね、ベースの色が少々おっさん臭かったんじゃないかなあ。あ、すみません、記憶だけで話をしています。

 


ボディ背面をみてみます。整然としたユーザーインターフェースは好感が持てますけど、このクラスのカメラではあまりいじくり回すところもありません。これは仕方ないですね。

 

筆者もタバコのルナは一度は味わってみたかったですが、オンタイムには間に合わず、さすがにもう、どのようなタバコであろうが味に興味はありません。人の一生分喫んでしまったからかも。なにか期待があればいいけど。
 

で、オートボーイ Lunaに話を戻すのですが、1994年の登場時はバブルは弾けてましたけど、カメラには実用的な機能の他に優美な洗練されたデザインが必要ではないかと判断されたいたのかもしれません。
 

Lunaはカメラ前面のデザイン、特にスライドバリア部分が月に似ているために名づけられたのでしょう。こういう時は名称優先なのか、機能優先なのかわからないんですけどね。海外名はおそらく異なります。

 

フォーカスエリアも中央一点のSPOTが選べてしまうとか、わかるやつだけにわかればいいという機能もあったりするのは好感が持てます。

 

搭載レンズは28-70mm F5.6-7.8(7群8枚構成)であります。カバーする焦点域は往時の一眼レフの標準ズームみたいですけど、開放Fナンバーがワイド端でF5.6、テレ端でF7.8な仕様であります。さすがに暗いぜ。
 

格好つけて、ISO100フィルムなんか装填してみたら手ブレだらけの写真になりますぜ。あ、そうか。それがいいのか?でも正しい写真表現者は高感度フィルムを装填し撮影したほうがうまくいきます。
 

筆者はカメラはスペックより見た目を最重要視しますから、全体のお大きさやフォルムを維持するために、レンズの明るさもこれで良いのではと結論づけてしまいますね。

 

もちろんコスパの問題もありますが、Fナンバーが暗いからこそ、ズームでこの大きさを維持できたと。いいんですよ、設計思想がはっきりしていれば、あとは我慢できます。
 


裏蓋を開けてみます。レンズ後玉が大きいのはオリンパスXAのレンズみたいで、特別に珍しくはないのですが、実際にみるとおおっとなります。

 

全体はプラスチッキーではありますが、表面の仕上げはなかなか良い感じであります。色味も落ち着いたグレーを基調としています。デザインはカワイイですが、オトナなニュアンスがあるのがいいですね。
 

このあたり、さすがキヤノンであります。バリアを開けるとレンズがゆるゆると出て、フラッシュが立ち上がります。

 

AFはレンズの焦点距離に応じて赤外光投射角を切り換える3点のエリアがあります。
 

AFは0.6m~∞(通常撮影)クローズアップモードでは0.45m~∞になります。マニュアル設定できたら最高だけど、これは無理か。

 


フィルムの圧板ですね。表面が凸凹しています。理由はわかりませんからどなたか解説お願いします。フィルムのベース面にキズがつくとかそういうことはないですよね。

 

内蔵フラッシュはガイドナンバー11(ISO100/m)ですが、リトラクタブル方式で、メインスイッチと連動しています。 夜間だけではなくて、自然光を主体にした、日中シンクロ撮影も使いやすいでしょう。レンズの開放Fナンバーが暗いから、やたらと発光する感じもします。ただね、これを手動で収納することができません。
 

このフラッシュの動きのように、稼働部が多くなると、故障の原因になるわけで、選択の判断は難しいところであります。動作音は想定よりも静かで品格がありますね。

 

本機のウリはデートの写し込み以外に、25種類のキャプションを写し込むことができること、外観はオトナで洗練されているのに、こういう媚びを売るような姿勢の設計は困ります。いまならフォトショップで描けるだろうと、いや、その通りなんだけど、フィルムにテキトーな文言や焼き付けられてしまうのはけっこう苦痛です。

 


「キャプション」という項目があることに驚きますね。これ、実際にプリントに焼き付けた写真を喜ぶ人とか交換した人とかいるんでしょうか。おじいさんになるとよくわからないのです。「E-2」では「THANK YOU!」と文字が写し込まれます。

 

まあ、写真表現者は使わなきゃいいんですけど、でもね、万が一設定ミスで間違えてキャプションが写真に写し込んだとりしたら、筆者は間違いなく暴れることでしょう。
 

先日、モデルさんをお願いする仕事がありまして、仕事の合間にLunaを見てもらって感想をいただいたのですが、予想以上に好意的な反応でした。彼女は趣味で写真を撮っていて、フィルムコンパクトカメラがお好きということで、その場でLunaを検索し始めてしまうし。筆者と同様にデザインが気に入ったそうです。
 

筆者のようなおじいさんがLunaを持つのはどうだろうか?と訊いたら、「お似合いです」だと言われました。お世辞でも嬉しく感じる高齢初心者であります。
 

すみません。おめでたいですが、やはりフィルムカメラはスペックよりも、カッコイイかカワイイかの二択で選びたいものです。

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