このアングルからみるとAEファインダーFNのブサイクなデザインは許せるかなあと思いますが、アイレベルファインダーFNの潔さには負けますね。
昨日はキヤノンEOS R6 MarkIIIの発表会に行ってきました。けれど仕事場に戻り、キヤノンNew F-1の2弾の本稿を嬉々として書いている筆者であります。
ええ、新旧同時外交を繰り広げているだけですが、読者の中には、お前、おかしいんじゃねえのか?という方もいます。筆者自身はとくにおかしいとは思わないんですが、大切なことは本人はもともとおかしいというか病気なことを自覚しているので特別に気にしてません。
と、いうことで今回はNew F-1にAEファインダーFNを装着した時の機能などを説明してみます。説明といっても大したことを書くわけではありませんし、詳細なスペックを知りたい人はググったほうが得策ですが、2025年の現在、あえてNew F-1を使う意味をもう少し掘り下げてみたいと思います。
さて、AEファインダーFNを装着するとNew F-1は絞優先AE機となることはすでにお伝えしました。パワーワインダーやモータードライブを装着しなくても、ボディ単体で絞り優先AEを使うことができます。

Aポジションにはロックがかかります。メカ連動なのが工夫を感じられていいですね。AEファインダーFNを装着したキヤノンNew F-1は幸せそうに見えます。
アイレベルファインダーFN装着のNew F-1との違いはここが大きいですね。
でもねえ、それまでシャッタースピード優先AEを基本としていたキヤノンなのですから、ボディ単体で絞り優先AEができちゃうのは、ちょっとマズいんじゃねえのかなあと思いません?思想の乱れに見えなくもない。べつに見えないか。ニコンF3と同じ機能にしないとマズいと考えたのか。
前回述べたように、じつはアイレベルファインダーFN装着時にも、シャッタースピードダイヤルを「A」ポジションに設定すれば、絞り優先AEと似た制御をしているようなのです。
もちろん精度的には怪しいですし、ファインダー内には一切の表示がないために、カメラが何をどう考え、実際にどうなっているのか、はたしてその制御が正確がどうかもわかりません。それでも使いたい人は自己責任でお願いします。

バッテリー室はグリップの下です。普通では見つからない位置なのかな。ニコマートELのバッテリー室を探すようなカルトクイズになると面白いんですがすぐにわかりますね。
AEファインダーFN装着時にはAEに設定すると、設定絞りに対する適正なシャッタースピードがファインダー下位置に表示されます。マニュアル露出時にはファインダー右におなじみのメータードマニュアル的な指針表示が出てきます。兄貴分の旧F-1と同じです。
そして、AEパワーワインダーFN、あるいはAEモータードライブFNを装着することで露出制御を選択できるようになり、シャッタースピード優先AEによる露出制御も可能になり、いわばマルチモード(両優先)AE機として機能するわけですね。
それにしてもキヤノンA-1ではボディのレバーを動かせば、シャッタースピード優先AEと絞優先のAEはもとよりプログラムAEも可能としていました。つまりボディ単体で撮影モードの選択が可能です。

ファインダーアイピースは丸型でとてもいいデザインだと思います。高級感があります。実際に覗いてもとても広い視野ですね。
New F-1でできないことがA-1でできるのはマズいんじゃねえのかなとその当時思いましたけどね。
キヤノンは機能を出し惜しみしていないのか。そうでもないのか、前にも言いましたが、仕事の撮影ではプロはAEで撮りません。まあこれはもういいですね、また同じことを書きそうになりました。
それよりも昨今何がイヤかといえば、AEファインダーFNのデザインのブスさ加減が筆者的にはどうにも許せないわけです。
だいたいにして、ファインダー内に指針表示を行うためだけに、なんでこんなデカい頭を付け替えねばならないことがどうにも解せないんですよね。

アクセサリーシューはデザインを乱したものです。うまく行くかはわかりませんが「ロンメル将軍」はもうちょい売りたいですね。
こういうファインダーをみますと、筆者はニコンでいえばニコンフォトミックFTNとかF2フォトミックとか、ミノルタでいえばX-1とかさ、違法建て増し建築みたいな姿を思い浮かべるわけです。やってられんなと。
でもね、カメラに多機能を求める人は、自分ではろくに使いもしねえ機能がたくさんあるカメラが好きなんですよね。
なら、このAEファインダーFNのあり方というのはそういう人のためにあるとも思えてくるわけです。
繰り返しますが、キヤノンNew F-1を両優先AE機にするにはAEファインダーFNと、ワインダーかモータードライブの装着が必要になります。がんばって腰を痛くしてください。
だいたいにして両優先AEとかいってもね、多くの人はプログラムAEか絞り優先AEのどちらかしか使わねえんだよね。筆者なんかこうやって解説してても、New F-1では、マニュアル露出しか使わないもん。

アクセサリーシューには接点がありますが、TTL調光ようではありません。
関係ないけどAEファインダーFNを装着して、キヤノンA-1みたいにレンズの絞り環をAポジションにして、シャッタースピードダイヤルをAにするとP(プログラムAE)になりそうじゃないですか(笑)。
実際にそれをやるとどうなるか?ですが、シャッターがロックされ、撮影できないみたいです。
おそらくフールプルーフにより誤操作を回避していると思うけど、心配なら良い子はやらない方がいいですね。もう、遅いかな。
前にも書いたけど、撮影条件や被写体によって、適正と思われるファインダーを選び取り替えて撮影するとかね。そんなことやってみたいよね。でもさ、ファインダーを替えて、バッグに収納してる合間に被写体はもう2キロ先くらい先に到達しているから人間の目では見えないんじゃないのかな。どうなんでしょう。
これ以上筆が滑って、読者に怒られるとまずいので、さっさと先に行きます。

ちなみに写真のスクリーンの「PD」は中央部部分測光の方眼レーザーマット、「PJ」は中央部部分測光のブライトレーザーマットで、後者は標準レンズ用で一番明るいみたいです。おー、すげー。でも300mm以上の望遠レンズつけると、周囲が暗くなるみたいです。死にたいです。
筆者もAEファインダーFNを持っています。なぜ持っているのか謎で、久しぶりに引っ張り出しました。ホント購入した記憶がないなあ。
おそらくファインダー内のシャッタースピード指針表示が見たかっただけなのかもしれません。昨今は良い感じですべてを忘れてしまう「老人力」がついてきています。
ちなみにフォーカシングスクリーンは測光方式の種別でA(中央部重点)P(中央部部分)S(スポット)の3種類あり、ここからマットだのスプリットだのマイクロプリズムだの、好きな測距装置を搭載しているものを選べばいいと思います。
それにしても、フォーカシングスクリーンはあまりにも種類多すぎて覚えられません。
ただ、いずれの撮影モードを使うにしろAEで撮影する時って、Aのスクリーンを選んだ方が得策なんじゃないのかなあと思います。


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