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カメラ悪酔強酒

第52回 発売当時のキャッチコピーは「インテリジェントシューター」、「キヤノンT70」

2025/12/11
赤城耕一

New FDレンズを引っ張り出すのが面倒なのでFD24mm F2.8 S.S.Cを装着してでごまかしています。でも似合ったりしません?ちょっとレンズ重たいけど。

 

なにせ本連載は悪酔強酒ですからね、筆者自身が欲しくないカメラだってガンガン出てくるわけですが、購入した記憶がないのが、このキヤノンT70ですね。

 

うちにあるのはすげー美品です。キズ一つございません。フルプラスチックボディです。40年前のカメラなのに、タイムカプセルに入っていたカメラみたい。カラーは少しグレーっぽいです。黒の締まりがないモノクロプリントみたいなね。

 

最初にT70を引っ張り出した時は、本連載に取り上げるのはどうかとか、持っていること自体が恥ずかしいみたいな感じもあったのです。外で持ち歩くと、こっち見ないで、みたいな。

 


速攻モードとかセルフとか設定するためのレバーですね。なんかわざと難しそうにしてないですか。デザインの問題か。たいしたことしてないのに。

 

これはお断りしておきますがジジイの認識ですね。ここまで書いて、前言を撤回したくなりましたよ。そう、よく見てみるとT70はなかなか整った顔をしていることにあらためて、気づきました。小さい単焦点レンズを装着して、渋谷あたりの路上で活躍しそうなカメラじゃないですかねえ。
 

バッテリーは炭酸じゃない、単三2本です、セブンで売ってます。もちろん電池は入れていないので今回入れました。何年ぶりでしょうか。これねバッテリー室の蓋ってもしかしてプラですか?AV-1の二の舞にならんのかね。蓋のツメが割れるんですよ。ったく。うちの良い子の個体はツメが持ち堪えてましたから、蓋がきちんと閉まります。これを未来につなげることにしますね。 
 

単三のアルカリ乾電池を入れたら動きましたぜ。ものすごく遅いコマ速度、デカいワインダーの動作音。今後の人生をやってゆくのに十分自信がなくなるほどの音ですね。もうちょい品格があってもいいと思うんだけどね。でもまあこれでいいのか。
 

ダイヤルとかなくてもボタン操作でプログラムAE設定してシフトもできちゃうけど。手動だけど。

 

さらにすげーのは巻き戻しクランクがないことですね。モーター自動巻き戻しですぜ、ダンナ。その分、軍艦部はえらくスッキリしております。これはちょっとエラいですね。
 

それにしてもLCD見ながらボタン類の組み合わせで設定してねって、少し未来な感じしませんか?しないか。
 

本機のキャッチコピーは「インテリジェントシューター」とか言うらしいです。なんか運動神経悪そうなニックネームです。
 

設定といってもね、これ、FDレンズの絞り環は「A」ポジションにしてプログラムに合わせて撮れという方向性みたいですぜ、プログラムは標準とワイドとテレと標準の3種があるみたいです。装着レンズと撮影条件に合わせてプログラムラインを変えてね、という使い方ですね。そんなの知らないよね。実際に切り替えるんですか?レンズの焦点距離情報とか読まないわけね。ニッコールでもAiレンズでは焦点距離情報読めたりするんですぜ。
 

ちなみにテレのプログラムでは絞りを開く方向でボケ味と手ブレを防ぐ安全なシャッタースピードを得ようという魂胆みたいです。
 

でもワイドは、絞られるみたいですぜ。イジっていてわかりました。ただでさえ広角レンズは被写界深度が深いんだから絞り開いてもいいんじゃねえのかな。

 


AEロックボタンが前にあるんですね。プレビューボタンじゃあなくて。頻繁にAEロックしたいあなたのために用意しました。

 

前にも書いたか。キヤノンA-1のCMに出ていた浅井慎平さんは、広角レンズは今で言うTモード(シャッタースピード優先AE)で使うとか言ってた記憶ありますけどね。被写界深度が深いから、あまり絞りを気にしないみたいなね。
 

望遠レンズは「開けた方が好きだからさー」とか言って、Aモード(絞り優先AE)を使っていると発言されていて、青少年を惑わしていたけど。実際はMモードでアシさんが測光した露出値を設定してたはずですけどね。あ、ここは内緒にお願いします。
 

アカギは面倒だけど、わざわざMモード(マニュアル)にして、周囲に露出の蘊蓄をひけらかす老害行為に走るわけですが、本機のMモード設定をするまで時間がかかりました。わからないと言って検索したり取り説を読んだら自分の負けだと思うからです。自分の発見するチカラがなくなってしまいます。でも時間のムダですね。
 

あ、でもわかりました。絞り環をAポジションから外して、モードボタンでMの文字出して、アップダウンのボタンを押して、シャッタースピードを選べばMモードになるようです。ええ、マニュアル派は暴れたくなる仕様です。

 


ボディ底です。右上がフィルムリワインドボタン。左をスライドさせると巻き戻すわけです。

 

でもね、すごいのは本機は測光モードも変更できるんです。中央部重点平均測光と部分測光を左上にあるスイッチで選ぶことができます。キヤノンNew F-1よりもエラいんじゃないかなあ。これで学芸会の主役になった息子さんだけのを測光し、ただたしい露出が与えられます。
 

アドバンストアマチュアの皆さん、露出の理屈はよくお分かりでしょうから、本機を使用する場合は、積極的にプログラムモードを切り替えて使いましょう。筆者は面倒だから切り替えないけど。
 

ちなみにボディ前にはAEロックとおぼしきボタンありますね。時間のある人は使ってください。ロックボタンも固定できそうです。だからどうしたと言うのでしょうか使い方がよくわかりません。
 

本機はかなり売れたと言うことでありますが、筆者には信じがたく。現役時代にはみたことがなく。本当なのか。まあ、当時は筆者もすでに仕事してましたしメイン機はニコンになっていたし。キヤノンのエントリーカメラの知識はありませんでした。
 

ファインダーのピントの切れ込みは想像していたよりもいいですね。ここにだいぶ救われましたぜ。今度外にきちんと持ち出して使用してみますね。結構いい仕事しそうな気がします。

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