BESSA R4M+ノクトンクラシック35mmF1.4SC。普段は35mmレンズを使用することが多いのです。その理由はフレームの外の世界を認識しやすいからです。
MF一眼レフでは、広角系レンズを絞り開放値近辺で設定して撮影する場合、そのフォーカスの精度はかなり怪しいものでした。
もともと一眼レフは装着レンズの開放Fナンバーの像をみているわけですが、それでも広角レンズは被写界深度が微妙に深いものですから、とくにマット面ではフォーカスのヤマが掴みづらいカメラが多かったからです。これ、若いころはフォーカスを合わせる練習をしたものであります。
もちろん日中晴天下での撮影ではある程度絞り込んでしまえばパンフォーカスに近くなるから問題ないという考え方もあります。筆者も街のスナップ撮影などでは、積極的に目測撮影を推奨し、自分でもその撮影方法を採用しています。
ブラックはピアノブラック調で光沢がありますが、品格も高いわけです。装着レンズの長さとかフードの有無でファインダーの視野の快適性は変わりますが、21mmレンズを頻繁に使う人は、押さえてもいいカメラかなと思います。
しかし、フォーカスはアバウトでもいいという考え方もある一方で、厳密にみると、条件によっては、どんなレンズでも、合焦位置は1箇所しかないということに気づくことがあります。デジタルの高画素機では簡単に像を拡大確認することができますから、とくにフォーカスのわずかなエラーも気になるわけです。
かつて、開放Fナンバーが同じ広角レンズをMF一眼レフとM型ライカそれぞれで同じ被写体で撮り比べて、フォーカスの精度を検証したことがありますが、レンジファインダーカメラが圧勝していた結果が出たことがあります。レンジファインダーはどのようなレンズであろうが、フォーカシングはファインダー内で二重像を単純に合致させるのみですからとても簡便で確実ですが、一眼レフのたとえばスプリットイメージ測距は有効基線長が短くかなりテキトーではないかと。
今回はBESSA R4Mの再度の紹介です。メカニカルシャッター装備、マニュアル露出、Mマウント互換のレンジファインダーカメラとしては唯一21mmのブライトフレームを備えています。
28mmは単独フレームが出ますので、他のフレームと同居する28mm使いはこれを利用しないてはないと思います。
Mシリーズライカでは、28mmのフレームが広角側でもっとも広いフレームですが、ライカがなしえなかったことをコシナ・フォクトレンダーのBESSAが行ったことになり、これは世界初の試みであります
レンジファインダーの特性をそのまま生かしたカメラという意味ではきわめて正統派の製品ですが、ウィークポイントもあります。レンズの鏡筒の長さ、フードの大きさでファインダーのケラれが大きくなるということです。たとえば同社のカラースコパー21mm F4、キヤノン25mm F3.5、ズマロン2.8cm F5.6などの鏡筒が短いパンケーキタイプのレンズでは問題はありませんが鏡筒の太い、同社のウルトロン21mm F1.8とかライカのエルマリートM21mmF2.8などでは鏡筒が太いのでケラれが大きくなります。
ライカスクリューマウント互換のカラースコパー21mmF4レンズを装着してみたところ、鏡胴が短いのでファインダーのケラれが少なく快適に使えました。
正直、筆者はカメラのファインダーをきちんと見たいために、あえてR4Mを使用する場合は鏡筒の短いレンズを選択するという選択をしているほどであります。カメラ内蔵の距離計でフォーカスを合わせて、外付けのファインダーでフレーミングするという行為よりもはるかに安心感があり、気持ちはいいですね。
デジタルのMではライブビュー撮影が可能になったころから、レンズの種類を問わずに正確なフレーミングが可能となりました。これは、ライブビューやビゾフレックスと呼ばれるEVFの使用が可能となったからで、とくに大口径や長焦点レンズではフォーカシングの精度も格段に向上したのですが、これは理屈としてはミラーレス機でMFレンズを使用する方法と同じということになります。
多種のフレームが出現しますから、時おり装着レンズの焦点距離を意識するなどのことは重要かと思います。
個人的にはカメラのファインダーフレームの種類をカメラで選択するというのはなかなか楽しい使い分けだと思います。一応、ここにカメラを増やす理由が生まれるわけです。
使用レンズのポテンシャルを徹底追求、フレーミングも正確に行いたい場合はデジタルのEVFかライブビューの使用するのが、確かにもっとも良く確実だと思います。
でもフィルムのレンジファインダーカメラを使うのだから、ここは装着レンズの焦点距離に合わせた内蔵ファインダーのフレームを使いたいたくなるのは当然のことでありますね。超広角レンズは被写界深度が深いですから、R4Mのファインダーで見た景色とかなりニュアンスが近いんです。これが気分いいんです。
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