ニコマートFT系はなかなか整った顔立ちだと思うのですよね。このデザインのまま、シャッタースピードダイヤルが上にある機種が欲しかったなあ。FT2はホットシューをうまくデザインに調和させているように見えます。贔屓しすぎかしら。NEWニッコール24mmF2.8(Ai改)を装着してみました。
ニコマートFT系って、一度コンプリートしたんですよ、ライカに比べれば、かかる費用もお遊び程度、手間もたいしてかかりません。あ、ニコマートFTのブラックとニコマートFSの入手には多少手間取りました。
ニコマート各機種クロームとブラック1台づつ全部購入しても古い単焦点標準レンズ1本分よりも安いかもしれません。もちろん意味はないヲタクコレクター行為です。だからどうしたのだと問われても答えられません。ニコマートは一台あればいいのです。自分に言い聞かせております。
で、人生の残りも少なくなってきましたので、けっこう断捨離したんですよニコマート。うち2台はココロザシの高い、写真を目指す若い女の子にあげたり。大丈夫です、もう下心があっても相手が受け入れてくれはしません。
それでもまだ数台のニコマートが残りました。情けないですね。本来は一台あれば、その役は足りるはずですけどね。そうです潔くないヤツとも言います。
ペンタプリズム上にホットシューを新設。普通すぎますね。でも、FT2はシューがあるからこそ大事な頭部を守ります。最高シンクロ速度は1/125秒。ニコンF2より優れております。
でもね、役は足りると言ってもね、最終機になるニコマートFT3は人気だけど、“ニコンのガチャガチャ” はできないわけです。これはこれでつまらないですね。
たまにニコマートFT系特有の開放F値設定時のガチャガチャ、キーンという動作設定音を聞かないと気持ちが挙がらないわけです。カニの鋏を遊ばせてはいけません。この音を楽しむにはボディに耳を当てましょう。震えますぜ。
で、ニコマートFT系で筆者が一番好きなのはニコマートFT2なわけです。ガチャガチャのできるニコマートFT系、最終機種であります。
シャッタースピードダイヤルに取り付けられたレバーの先端にピンがあり、これを引きながらASA(ISO)感度設定指標を動かします。三脚座と干渉した時にズレないような配慮と後で聞きましたが、操作が面倒ですなあ。
筆者の中ではこれでニコマートFTは完成型という感じがします。この後にFT3が出ますね。Ai化されたのです。効率という名の元に中身はけっこうコストダウンしてたりするんじゃないかなあ。
別に見えなければいいけどね。ちなみに絞り優先AE機のニコマートELWはニコンEL2にはなれましたが、ニコマートFT3では、あいかわらずのNikomatの名前のままでした。そして同名のコンビニの販促として使われました。嘘です。
たぶんニコマートFTNがいちばん製造台数が多くて、中古カメラ店ではジャンクの常連機種ですよね、気の毒だよなあ。意外とFT2は少ないですね。少なくてもお安いことが多いですね。今日の晩酌を我慢すれば簡単にあなたも仲間になれます。なりたくないですよね。
外部のTTLメーター窓は残され、オーバーとアンダーを示す+と-の表示が加わりました。顕微鏡での撮影などに使うのか。アイピースを塞ぎながら測光してくださいね。
ニコマートFT2のFTNからの改良点を簡単に述べれば、アクセサリーシューをホットシューにして、固定式として、シンクロターミナルを自動切り替え式の1箇所にして、バッテリーをLR/SR44にしたものではないかと。
そうだフィルム感度設定部もロックがついたんじゃないかな。測光範囲とかも変わっているかもしれないですが、どうせバッテリーは入れることはないので、正直どうでもいいわけです。
ただねアクセサリーシューが固定式となりました。これは賛否が別れたりしました。
アクセサリーシューはカメラ本来のデザインを乱すことは確かで、着脱式にしてその形を維持するということにおいては良い方法なのですが、スピードライトを使う撮影なのに、この着脱式シューを忘れたりすると現場で厄介なことになりますよね。
あ、ちなみにFTN用の着脱式シューには接点ありません。最近はコールドシューとか言うのかな。
シャッターダイヤルがマウント基部にあるからカメラの上部は空き地が増えそうですが、ニコマートFTシリーズではプレビューボタンやフィルムカウンター窓を大型にするなどして機能面でもデザインでも配慮が見られます。
前回の連載でも書きましたが、どこかのレビューワーがシューの角に高いセーターを引っ掛けたらどーしてくれるみたいな意見を読んだことがあって、これって、イチャモンというか、ほとんどアブナイ人なのではないのかと思いましたね。今ならクレーマーですな。だから着脱式のシューがいいみたいですよ。知らんけど。筆者はこういう人だけにはならないようにしようと天に誓ったもんなあ。
筆者としてはアクセサリーシューはカメラ上部を保護、防御するという目的においては有効だと考えています。
これまで筆者の上を通り過ぎた数台のニコマートFTNのほとんどに、ペンタプリズム部の頭頂部に小さな凹みがありました。
だからどうしたという程度の話ですが、あの頂点部のわずかな空き地に小さな凹みがあることを見つけたりすると、撮影する意欲が大幅に減少するわけです(個人の感想です)。なぜここに当てるのだ!と真剣に考えたり。
だからまあ、固定式のホットシューにヘルメット的な役割をもたせて、ダイジダイジなアタマを守ろうというわけであります。ええ、どうでもいい話が今回の妙です。いや、毎回そうですね。お粗末さまでした。
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