全体のデザイン的なバランスは悪くないんですよね。ただ、プラスチッキー感が全面に出ている感じがしなくもない。うちの個体もテラテラしております。仕方ないか。
みなさまこんにちは。不人気カメラを取り上げて、無理やり祭り上げる「カメラ悪酔強酒」の時間が今週もやってきました。
はい、キヤノンのフィルムカメラが終了したので、ったく、せいせいしたぜ、と思っていた矢先のことです。
仕事場で使っていないジェラルミンの安いカメラバックが目に入りました。開いてみれば玉手箱じゃあないけど、開いてみると見覚えのあるペンタプリズムが見えました。はい、上部はEOSそのものであります。

メインスイッチをモードダイヤルのところに持ってくるというのはどうにも気に食わないんですけどね。操作しづらいということはないんだけどね。本連載で取り上げたEOS 7sも同じです。
引っ張り出すとEOS 10 QDと書いてあります。思い出しました、昔、よく一緒に仕事してたライターさんが、これもう使わないからとカメラバッグごと持ってきて置いて行ったのでした。
いや筆者はご存知のように、カメラ博愛主義者なんで、たしかに見境いなくカメラ使いますけどね、それでも千手観音じゃないんだから、いっぺんに使うのは無理だし、ちっとは撮影目的によって機種だって選びたいです。いや選ばせてくださいよー。だいたいブスなカメラは嫌いだしさ。
なんてことは言いませんが、このライターさんそのままバッグこと捨てるような勢いでしたから、いただきました。素直に。で、さすがの悪食の筆者も使わなかったわけですね。不憫なEOS 10 QDです。

かなり大きなLCDパネルを装備しています。これはフラッグシップなみと言ってよいでしょう。でも表示するデータってこれしかないんだっけ?となったり。
EOS 10 QDは1990年登場です。バブルど真ん中ですね。36年を経ております。発売時にもこれは一生触れることはなかろうと思っていた機種であります。
と、いうのはですね。EOS 10 QDの一番のウリは同梱された「アートコードブック」だったからです。
このブックには豊富な作例写真があり、その下にあるバーコードを専用のリーダーで読み込み、データをカメラに送るとカメラは同じ設定で露光されるから、同じクオリティの写真が制作できるということでありました。へー。

カメラの裏の下部にボタンを持ってくるのはEOS好きですよね。ファンクション、AF、露光補正のボタンでしょうかね。よくわからないで使用しております。
素晴らしい!もうプロはいらねえぜ。ということになったのかは知りません。が、本機を買って、データを入れるだけで労せずに素敵な写真が撮れますぜというユーザーへの夢の与え方がすごいですよね。どなたですか、これをお考えになった方は?
これって、ミノルタはインテリジェントカードとかでやってたのを、このバーコードにしただけですよね?
バカにするのは容易いですが、もともとカメラの発展の最終目標は風が吹いて自動的にシャッターが落ちても美しい写真が制作できるカメラを作ることじゃないかと。

EOS 10 QDでイラつくのはこの巨大なAF補助光ですね。もうね、無駄に明るいわけですよ。人物撮影などの場合は相手は怒りますね、間違いなく。
だから撮影者自らが、目標とする写真がイメージできるだけでも評価せねばならんのだろうなと。残念だけど、このアートコードブック、持ち主のライターさんも紛失したと。ざんねーん。見たかったぜ。
考えてみれば、料理のレシピ本なんかに考え方は近いのか、料理の素材は自分で用意せねばならんのだから、これはまあいいとして、実際に撮影現場に行き、このアートコードブックを広げて、実際のシーンに近い条件のページを見つけて、バーコードをスキャンし、データをカメラに送って撮影するわけね。さぞかし良い写真が撮れることでしょう。記憶によれば、アートコードには「浅井慎平」とか「秋山庄太郎」とかもあったような気がします。
ワタミの宅食みたいに素材を家まで持ってくるサービスもあればいいのに。ポートレートなら、バーコードを読むと、モデルさんが家に来てくれて、撮影できるとかどうですかね?。ダメか。

アートコードのデータの受信部ですね。スキャンする装置がないのでわからんけど。たぶんそうです、出ベソみたいね。
ま、本誌読者に逐一説明するのは不要でしょうけど、このアートコードは撮影シーンによって、最良とされるプログラムAEのラインをシフトするかどうかだけでしょ?違いますか?他に何かありますか。例えばポートレートならば絞りは開かれ、風景なら絞られるという考え方でしょうか。素敵すぎますね、便利ですね。あ、実際に使ったことのある人、その印象を正直に申告してください。次回、ビールの一杯くらいはご馳走します。
いや、馬鹿にしてませんよ、すごいなと言っております。実際の機能は測距素子に新開発のマルチBASISと名付けた3点自動測距/任意手動選択測距が可能のAF機構を搭載しています。つまり多点になったAFですよね。
AFモードは、ワンショットAFとサーボAFで、全自動撮影にセットしておくと、マルチBASISからの信号で、被写体が静止しているのか動いているのかを判別してAFモードを自動選択される機能が搭載されております。AFエリアは赤色LEDで、スーパーインポーズされます。この
当時では良い出来だったはず。

2CR5を買ってきましたぜ。すげータケー。まあこの当時のカメラの標準バッテリーっぽい感じがします。
カメラのデザインは個人的には好きです。でも全体のガワが少々デカく、プラスチック感が前面に出ています。
モードダイヤルをボディツラ位置に埋め込むやり方とか泣きますね。でも、前面のLEDランプのカバーのデカさとかが嫌い。アートコードブックを読み取る箇所も偏心位置にあってデベソみたいでね、あまり感動はないですね。
機能的にはソツなくまとまっているカメラだと思いますよ。シャッター音も静かなほうで品があります。このクラスにしては優秀ですし、AFのレスポンスなども悪くありません。
本機のことを全く知らないこともあり、珍しく自分から少し調べてみましたが、かなり売れたカメラということであります。
確かに中古市場でもタマ数は多く、ランチ代でイケる個体もたくさんありますね。実勢の中古価格は恐ろしく廉価ですね。2000円出したら、マトもな個体がやって来そうな勢いです。発売した時は90,000円とかしたんですぜ。破格ですね。でも、みんなアートコードブックを携えて撮影に行ったとは思えません。
中古カメラ店でも邪魔な扱いを受けているようです。実際邪魔な扱いをされているのを何度か目撃しております。かわいそうだぜ、売れたカメラなのに。不当な扱いに反対!

フィルム室もプラスチッキーですが、フィルム給送用の金属シャフトが目立っていたり。画面の平坦性を目指したのかもしれません。
ところで、例えばなんですが、アートコードで「スポーツ」を選んで、そのカメラで「静物」撮影したら、どうなるのかということもアートコードブックに書いて置いて欲しかったですね。
そういうイレギュラーなことに対応していたりしたら、へそ曲がりな筆者は泣いてしまいそうです。それにプログラムラインとかはブックには書いてないのかな?
アートコード設定以外の被写体を撮ると本体が爆発するとか、謀反を起こしてシャッターが切れなくなるとか、警察に通報されるとか、そういう仕様ならば面白いのに。
最も実際にアートコードブックがあっても3分で飽きそうな気がします。今ならカメラに向かって、撮影したいシーンを話せば、それに応じたプログラムラインが自動的に設定できるとか、これもできなくはないですよねえ。
EOS 10 QDが出た時も、将来カメラはどこに行くのかと思ったもんなあ。大枚はたいて一眼レフを買ったのに、出来合いのレシピに頼ってキレーな写真が撮りたいのかねえと。ま、よくわかりませんけど好きにしてくださいと思いましたぜ。


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