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カメラ悪酔強酒

第11回 ミノルタSR系はどれを選ぶ

2025/03/01
赤城耕一

ウチでいちばんキレーな個体かも。頑丈なんですが、意外とペンタプリズム部あたりは凹みやすい印象です。ブラックペイントの質が光沢感がありよい印象です。デザインが厳ついので大口径の標準レンズつけても力負けしていません。

 

ジョニー・デップをもってしても、意外とミノルタSR-T101(1966)は見直されなかったですね。中古市場に豊富にございます。一台いかがでしょうか?
 

少し前になりますが映画『MINAMATAーミナマター』(2020)でデップが演じたユージン・スミスの愛機で存在感を示したのがミノルタSR-T101でした。
 

もともとSR系一連のモデルはいずれも地味といえば地味、何が大きな特徴なのかと言われても実のところは困るというのが本音なんですけどね。ま、筆者くらいの超絶カメラ博愛主義ですと、こういう地味なモデルも愛でることができるのです。
 

SR系の代表機種はSR-T101になると思いますが、けっこうな大きさ、重量級で、しかもデカいシャッター音、シャッタースピードダイヤルや、巻き上げレバーの動作がグリグリしていることなど、あまり褒めるところがないんですよね。ファインダースクリーンのフォーカスの切れ込みがいまひとつということもあるし。デザインは角張っており、優美さとは程遠く野暮ったいところも含めて筆者は真剣に愛するわけです。

 


スマートです。TTLメーターを内蔵しないと、こんなにスマートにできるんですね。のちのミノルタXDのデザインの参考にしたと聞きました。これで巻き上げレバーのフィーリングがよければなあ。

 

フルメカニカルカメラということで頑丈な感じはします。うちのSR-T101は故障知らずですし。現状で問題なく世の中で可動しているモデルとは、絞り優先AE搭載のXE(1974)よりも多いんじゃないかと思います。
 

SR系の代表モデルはSR-T101ですが、それよりも高級なのがSR-T SUPER(1973)となり、それぞれの後継機はSR101とSR505(1975)となります。中身は見ることがでできないので、あくまで推測ですが、後継機のほうがコスト下げているんだろうなという印象は少々あります。

 

SR-T SUPERはどうもペンタプリズム部の前面の盛り上がりがデザイン的に影響を与えてよろしくない。これは装着レンズのF値を読み取るための窓や光学系を追加したからかもしれませんね。正面の顔は鬼瓦みたいな印象を持っております。時としていいだけど。

 

この時代はシャッタースピードやF値をファインダー内で見ることのできる「情報集中ファインダー」を搭載しているものが高級機として認められているようなところがありました。実際には誰もファインダー内情報なんか見てないのにさ。ファインダースクリーンは多少改善されフォーカシングしやすくなっているようです。

 

SR-T101登場から7年を経てます。マイナーチェンジした弟分というところでしょうが、ずいぶんと時間がかかったものです。愛川欽也さんと研ナオコさんのCFもこのころですかね。
 

SR系カメラの不満というのは、交換レンズなどは豊富なんだけど、拡張性が弱いことではないかと思います。

 

ファインダーは交換できないし、ファインダースクリーンは交換することもできませんし、なんといってもモータードライブを装着することができるボディがありません。ただ、SR系にはSR-Mというモードラ専用機はありましたけど、あまりにも特殊すぎました。
 

モードラを実際に装着して実際に使うかどうかということは別として、装着できるか否かというところにカメラの魅力、ココロのヨリドコロというか、救いというかシステムが大きさが証明されてしまう印象があります。
 

ミノルタはずっとモータードライブに関しては弱含みでした。フラッグシップのX-1にしても、モードラは専用機となってしまいました。MF一眼レフ時代は不満がありましたね。X-700が登場してから、ようやくモードラ関連やフラッシュなどのシステム性は向上してゆきます。

 

「T」を省略したことにどんな意味があるのかと思うのですが、大した意味はないですね。おそらくCLC測光もママですしね。ファインダースクリーンはよい感じでした。
 

経年変化のためにシルバーボディの外装のクロームメッキが輝きが鈍ったということもあるのかもしれないんですが、ブラックのほうが全体を小さくみせることができるからということもあります。ブラックとシルバーでこれだけ印象が異なるカメラも珍しいかもしれません。
 

数あるSRシリーズの中で筆者のオススメとしてはSR-T101のブラックですね。

 

昨今は年寄りになってからはシルバーなカメラが好きになりましたと公言しているのですが、SR-T101に関しては、自分でも理由はわかりませんが、シルバーモデルは鈍重さと野暮ったさが強調してしまっているような印象を受けてしまいます。
 

CLC測光と呼ばれる2分割測光方式を採用したメーターに関してはこれまでの連載でも申し上げたけど、バッテリーを入れたことないから精度的にはわからないんですが、たぶんよろしいのではないでしょうか。
 

ミノルタSRといえば、話題の映画『レイブンズ』で深瀬昌久さんを演じる浅野忠信さんの使うカメラとしてNew SR-1かSR-1sが出てきます(どちらか判明できず)。これで洋子(瀧内公美)さんを撮影します。
 

これらはメーターを内蔵していないので、ペンタプリズムも小さく、小顔でコンパクトなのは魅力的なんですが、筆者は巻き上げレバーの動作がぐにゃぐにゃしていて、これはSR-T101よりの動作感触より不満です。
 

それでもNew SR-1とSR-1sのブラックボディを40年以上探しています。製品として正式に存在しているのかどうかという謎もあるのですが、人生が終わるまでには見つけることができたらいいなと思っています。

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