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推すぜ!ミノルタ

第5回 SR-T101と比較して、SUPERは何が改良されたか?「ミノルタSR-T SUPER」

2024/08/10
赤城耕一

「最近ぼくはミノルタ一眼レフに凝っている。しかも美人しか撮らん」と言って、愛川欽也さんは研ナオコさんに向かってレンズを向けるが、「だからシャッターを押さない」という、いまなら大問題になりそうなCMを覚えている人はいますかねー。往時では話題になりました。
 

調べてみるとSR-T SUPERのCMでした。検索してみたらYouTubeにひっかかったので、ヒマな人はご覧ください。でもね、SR-T SUPERって、発売年は1973年なんですね、半世紀以上前の一眼レフでありますけども、筆者なんか、年寄りなせいか、そんなに時間を経ている感じがないんですよね。
 

前回紹介したSR-T101は1966年発売で、その改良型というか発展型となるので、7年もかかったんですね。このサイクルも信じがたいですなあ。
 

だからどうしたいうことはないんですけども、筆者には、シャッターを押さないというオチよりも、“ミノルタ一眼レフに凝って”  というフレーズに発売当時からひっかかっていて、まったく失礼ながら、はたしてミノルタの何に凝ったのでしょうか?
 

それでもニコンやキヤノン以外にも、凝ることができるカメラが存在したのだと筆者は喜んでいたわけです。これはね、褒めてます、筆者流にいえば。いろんなカメラを使いたいんでね。
 

まあ、それはよしとして、SR-T101と比較して、SUPERは何が改良されたかといえば、ファインダー内で絞り値がわかるように直読式の窓がついたこと、ファインダースクリーンの改良で多少明るくなったこと、ホットシュー方式になったことくらいですね。

 


ミノルタSR-T101とSUPERを並べました。進化しても新鮮味はゼロです。それになんとなく、運動神経が鈍そうな感じしませんか?

 

改良点ってそれだけなのかよ。ったく。布幕横走りのフォーカルプレーンシャッターも同じです。音はこもっているけど、デカいよね。おまえ、この程度で「SUPER」とか名づけるんじゃねえよ、と言いたくなるわけです。実際には言わないけどね。
 

絞り直読式にしたので、ペンタプリズムがエイリアンのアタマみたいに少しせり出してしまったのはどうなのかなー。これ、だからブラックボディを選んだほうが、せり出し感が小さく、少しでも小顔にみえていいと思いますね。個人の好みで、大きなお世話ですけどね。
 

それにしても、本機にかぎらず設定の絞り数値とかファインダー内で確認する人なんかいるんですかねえ。窓を見ながら絞り環を回して、f5.6にして、なんて撮影方法をとったことがないもんでね。「情報集中ファインダー」とか呼び名も流行りましたもんね。ファインダー内表示が何もないと、バカにしたりね。だからどうしたんだと。シンプルなほうがいいんじゃねえのか?
 

ファインダー四隅は丸いんですよね。これね、ヘンです。そういやライカM3の50mmのブライトフレームも四隅丸いんだよね。

 


ミノルタSR-T superにMCロッコール50mm F1.7を装着してみます。なんてことはないレンズですが、ものすげーよく写ります。F1.4よりもおすすめしますけどね。

 

その昔、カラーネガのサービスサイズの同時プリントに四隅が丸い仕様のものがありまして、これを「カドマルプリント」とか言って、バカにしていましたけど、それに合わせたとかいうことはないよね。視野率だって当然下がるだろうし。今さら言っても仕方ないけど、こういうのはヤメてほしいよなあ。巻き上げ角ももう少し小さくならなかったかなあ。お願いしますよ、7年の間、開発者は何をやってたわけ?
 

ファインダースクリーンは以前より少し明るくなり、スプリットマイクロプリズムの採用ですが、まあ、たいしたことはないです。
 

ペンタプリズム下にはCLCの文字があるのであいかわらずの分割測光ですね。受光素子もCdsのままだと思います。応答速度も、まま遅いですぜ。

 


ミノルタバヨネットマウント。ニコンあたりのそれよりも使い勝手は優れておりました。装着レンズの開放絞り設定も不要であります。 
 

前にも書きましたけど、分割測光がSR-T101と同様に、実際に効果はあるのかどうかよくわかりませんが。長く採用されているということは信頼度が高いんでしょうねえ、どうだったかなあ。今度、バッテリー入れてみようかなあ。
 

動作感触は個人的には好きですね。ただ、ムダにデカいボディサイズもそのままですよね。重量は101より重たいんじゃないかな。調べるのが面倒なんで興味ある人は適当に検索してみてください。

 


ホットシューですね。接点つきのアクセサリーシューをかつてはそのように呼びました。最近は接点なしだと「コールドシュー」っていう呼びかたをするって、知りませんでしたよ。これに従えばSR-T101はコールドシュー採用か。

 

こういう無骨なカメラは速写ケースとか入れてうやうやしく使いたくないですか?いま、速写ケースの下の部分を、なんとかジャケットとか言って流行してますよね。筆者は好きじゃないけどね。
 

だいたいカメラボディのデザインはそのままで手に持った時に馴染むように考えられているはずでしょ。
 

SR-T SUPERと速写ケースの組み合わせは、昔の中学校の先生みたいに“カメラ月販” で12回払いでなんとかSR-T SUPERを買って、星景撮ってますみたいな真面目なよい人的な雰囲気が漂って、よくないですか。スナップなんかでもイイ人にみられて周りから警戒されなくて良さそうな感じしませんかね。そうでもないか。

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