いやいや先週で「推すぜミノルタ」は最終回にしたかったのですよ。ただね、なんか悪い予感がしたんですよね。おかしいな、本当に最後の最後に買ったミノルタαはなかったのかと。
機材ロッカーの奥底に手を入れるとコツンと指先に当たるものがあります。しかも、ペンタ部がひんやりしております。そうでしたよ。完全に忘れていたα-70が出てきました。
なんか人がイイやつ見たいな顔つきしていて嫌いじゃないですね。ただねストロボの発光部がさ、少しカメラを傾けると見えるの。それが少しイヤ。
やれやれですわ。またオオカミ少年やってしまった。年寄りだけどさ。「こんなものまで買っている」というご意見は却下いたします。
本機はミノルタ最後の銀塩一眼レフ、いや、すでにこの時は会社はコニカミノルタになっておりました。
つまりコニカミノルタブランド最初の、そして同時に最後のフィルム一眼レフということになります。でもさ、ロゴが「MINOLTA」なんですよねー。
いろいろな機能を割り当てられるようですが、デフォルトがどうだったのか、もうわからないすね。
なんかさ、このニュアンスがいまの「OLYMPUS」と「OM SYSTEM」の関係に似てません。縁起でもないからヤメろと人は言いますが、出てきてしまったものは仕方がないから、本当に本連載のオーラスで取り上げます。ま、連載始める時に言いましたけど、本連載は歴史に学ばないカメラ史なんでね。すみませんね。
α-70登場は2004年です。これってα-7 Digitalとかとカブらないですかね。「7」の数字が忘れられないのは、α-7000の成功体験ですよね。
でもね、α7 Digitalは一応つきあったんです。あのフォーカスリングが逆に回る標準キットズームをつけてね。レンズ全体の雰囲気は大宮っぽい感じがしましたが、AFになるとフォーカスリングに手を触れないせいかみんな文句言わないんだよね。筆者は文句ぶつぶつ言いながら使ってたもんなあ。エライっしょ。
上部の液晶パネルの形が変わりました。見やすいんだけどSweet IIの方が好きですね。なんかもっさりした感じしません?
と、また余計なことを言いそうになったので、さっさと話を戻しますとα-70というのはα-SweetIIの後継になりますね。スペックも似たり寄ったりでしょう。わざわざカネかけて金型起こして、こんなの作るって怒りそうですが、デザイン的には悪くないです。Sweet-IIの方が仕事できそうな感じするけどα-70はフィルムカメラへの夢を諦めきれずに、田舎から出てきた19歳みたいな感じがします。少し鈍臭いかな。でもボディは軽量で扱いやすいですわ。
ブラック塗装はわりと徹底してブラックにしてありますね。α-Sweet IIのブラックボディはシャッターボタンがシルバーだったりするのがイヤでねえ。今回はオールブラックの夢をかなえていただけます。でね、ペンタプリズムのカバーはどやらアルミですね。
前部のダイヤルの周りには深めのローレットがつきましたね。回しづらいし、あまりいい位置じゃないけどね。
なんか金属にこだわるために無理しちゃってさ。でもね、ここ塗装が剥がれやすいすね。剥げるとお金がなくてシルバー塗装のボディを、自分でブラックにしたののかよかおまえ。みたいな感じになり。なんかね、インチキっぽいすね。
ペンタ部が少し大きいのは内蔵ストロボがあるためでしょうね。
ストロボのポップアップボタンはこの位置でも指が触れやすいすね。すぐにポコっと上がるもん。
内蔵ストロボの割にはデザイン的な乱れは少ないかなあ。無理して評価しました。だって、ペンタプリズムの三角屋根が綺麗じゃないですか。
モードダイヤル周りとかはα-SweetIIに似ているんですが、なぜかボディに厚みがあります。バッテリーはCR2を2個ですからこれも同じです。
じゃあSweet IIとどこが違うのかといえば、面倒なんですが少し調べたんですが最高シャッタースピードが1/4000秒から1/2000秒に落とされたこと。AFエリアが中央クロスの7点から9点になったこと、内蔵ストロボの大きさとかではないかと。
新機能としては、α-7と同じようにDMF(ダイレクトマニュアルフォーカス)が搭載されています。DMFとは、これは、いわゆるAFカプラーをクラッチによって切断する機能でありますね。このようなエントリー機で使う人がいるとは思えませんが、一応入れてみたんで、みなさんよろしくね的な感じがあります。
ものすごいプラスチッキー感ですね。このカメラを使う人はあまりフィルム回さねえだろうということでガードレールもプラです。泣きたいです。
久しぶりに動かしてみたα-70でしたが、最後に使ったのはいつか覚えてないんですわ。でも、ペンタ部のカバーの塗装がポツポツと剥がれているので、なんかの撮影には使用したはずです。
α-Sweet IIよりも良いと感じたのは、グリップ部がなかなか深いことであります。長焦点レンズでの安心感は少し増します。
会社には事業計画あるんだからさ、計画したんだから一応作って出さねえとまずいんじゃねえのか?という香りもするカメラですが、コニカミノルタになってもその計画が守られたのは素晴らしいですよね。
Α-Sweet IIにはない視度補正内蔵です。でもアイカップをずらさないとレバーが出てきませんけどね。
全体の使い勝手は悪くないです。サブ機としても有用でしょう。でも、この時代はもうデジタルに切り替えていたよなあ。あとね余分なことですが、シャッター音はα-Sweet IIの方が好みです。個人の感想です。DMFは便利なようでいて、使いませんね。それほど暇じゃないんですよね。
とはいえ、なんとか生み出されたミノルタ名の最後の一眼レフ、大切に使うことにします。
AFボタンがあって、AF/MFボタンがありますね。DMFを使う時に使いますが、混乱するよなあ。真ん中のAEロックボタンの立場というものがなくなるし。
バッテリーはCR2を2個です。Sweet IIと同じですが、本機を計画したのって、デジタルの過渡期だから需要が少なくなりつつあるフィルムカメラの製造担当に仕事回すためだったとか、そういうことないですかね。
では、みなさまさようなら。さすがにウチにはもうないです、ミノルタのカメラは(笑)。それにしてもこういう連載仕事をするとさ、ミノルタが恋しくなるんだよね。とにかく売りそびれたカメラだけでも不憫だからさ、使わねばとか思うもん。それならまだいいけど、手放したのを買い直したりしてね、あぶねー。
さて、次回からどうすっかなー。
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