top コラム推すぜ!ミノルタ第13回 デザインがユニークなコンパクトカメラ!「ミノルタハイマチックC」

推すぜ!ミノルタ

第13回 デザインがユニークなコンパクトカメラ!「ミノルタハイマチックC」

2024/10/05
赤城耕一

デザイン的にはけっこうかわいいですよね。レンズ周りのフィルム感度レバーなどの処理がうまく、綺麗です。

 

申し訳ありません。今回も取り上げるカメラの時代が前後してしまうことになりました。仕事場の本棚の間からミノルタハイマチックCというのが出てきましたのです。正直、存在を忘れておりました。ハイチオールCじゃないですからね、念のため。
 

発売は1969年です。前回の大阪万博の前年ですね。
 

筆者のカメラ選択の基準はしつこいようですが、デザイン最優先でありますので、本機はまさにデザインのユニークさで入手しました。中古カメラ店での一目惚れであります。

 


ホットシューが採用されています。でもシンクロターミナルも前面にあります。親切ですね。

 

このデザインは万博を控えた気合いみたいなところがあったのかどうか。特別な機能を備えているわけではないのですけど。テキトーな推測であります。
 

前面のレンズ部分ですが、レンズは小さいのにフィルターリングは少々でかいですよね。しかもですね、貼り革がなんかヘンなのです。速写ケースみたいに底まで革に覆われています。もちろん、この革は外れません。安っぽいとは言いませんが、高級そうにもみえません、このあたりにデザインの難しさがあります。

 

フィルム巻き上げレバーは側面にあります。オリンパス ペンFTあたりのそれをパクった感じはしますね。小刻み巻き上げはできません。

 

すげーヘンなのはレンズは撮影時に引き出す沈胴式を採用していることです。ボディ前面の緑色のボタンを押すとレンズがかなり勢いよく飛び出してきます。飛び出る時に“ポンッ” という音がします。スプリングが強力なんでしょうか。

 

レンズが沈胴している状態と、飛び出した状態。この程度の鏡筒の長さの違いに何の意味があるかわかりません。どうしてもエンジニアがやりたかったんだろうなと。お金かかったろうに。

 

それにこの緑色のボタンなんですが、最近では見ない色ですね、なんだろう。おじいさん的にいえば、「うぐいす色」とか。少し違うか。
 

レンズが飛び出すと鏡筒には距離目盛りが現れます。目測で距離設定せよということですね。距離数字表記のほか、ゾーンフォーカス用のアイコンもあります。でも下地が金属メッキなので素晴らしく見にくいです。困りますねこういうのは。
 

露出はシャッター速度優先AEであります。撮影者が鏡胴にあるお天気マーク(晴れ=1/250秒、曇り=1/30秒)を選ぶ必要があります。シャタースピードはこの2速で全部ヤレということのようです。動きものを撮るには厳しいですね、もうちょい頑張りたいです。
 

シャッタースピードの選択に応じて、絞り値が自動的に決まりますが、この仕様だと高感度フィルム入れてしまうと、日中晴天下では常に最小絞りみたいになりますね。ファインダーには絞り表示があり、とりあえず指針が示す絞り値で露光を確認することができます。

 


フィルム室です。プラスチッキーで安っぽいですが、こんなものでしょう。でもね、全体の操作感触は意外にも悪くないんですよね。

 

搭載されたロッコール40mmF2.7レンズはトリプレット構成、すなわち3枚構成ですが、写りはとてもいいのです。これね、ほんとによく写ります。このために本機を購入してもいいくらい。大袈裟か。筆者はデザインで購入したから、思いのほか写りが良かったので、ものすごく安心したことを思い出しました。デザインだけに溺れて買ってしまったヲレにならずに済んだからです。
 

デザインといえば、どうでもいいことなんですが、バッテリー室がユニークですね。なんとバッテリーをボディ底から縦方向に挿入するのです。コンパクトカメラではあまりみたことのない方式ですね。

 


バッテリーはHD水銀電池1個を使いますが、LR44もそのまま入りました。電圧違うから適当に調整は必要かと。バッテリーは独自形状のケースに入れて縦方向に挿入するという謎の方式を採用。内部スペースに余裕がないのでしょうか。それとも沈胴方式を無理に採用(笑)したからでしょうか。

 

この時代ですから水銀電池のHDを使用するのでしょうが、LR44も入ってしまいます。電圧の差があるのでISO感度補正は必要でしょうけど、使うフィルムはカラーネガかモノクロでしょうから、あまりうるさいことを言うのは野暮というものです。
 

カメラの存在自体を忘れていたので宴会に持ってゆくことはなかったのですが、明日にでも持ち出して、ウケを狙おうかと思っています。

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