ミノルタカメラのネタなんだからSR-1(1959)を最初に出すのがスジなんじゃねえかと、本連載を読んだ痴人じゃない、カメラ好きのヒマな知人に酒席で言われたんですが、そうなんですよねえ。SR-1はたしかウチにあるはずなんですが。現時点で行方不明です。
言い訳をするわけではないのですが、ミノルタのSRシリーズは1から順番に登場したわけではありません。
なんで番号順どおりに新しい機種を出さないのなあ。当時のミノルタには製品開発部署にヘソ曲な人がいたのかなあ。SR-1は真剣に探索するほどのカメラじゃねえだろという価値観が筆者のカメラ価値観の根底にあるのでしょう。たぶん来月あたりは発見されるんじゃないかと思いますので期待しないでお待ちください。
パンケーキレンズのレジェンド、ロッコールTD45mm F2.8を装着してみましたが、コンパクトでいい感じなんですよね。
あと同じ名称のSRなのに、改良されたのか仕様が異なるものもありますね。ミノルタは、カメラ名も含めて、同じような機種なのに細かい違いが多いよわかりづらいなあ。好きな人は調べて、お知らせください。調べがいがありますよ。夏休みの自由研究にどうでしょうか。
念のために申し上げれば、筆者の取り上げるカメラに差別意識はありません。好みの違いはあるけど。本連載は、たまたま防湿庫の手前に置いてあった個体とか、ロッカーの前方にあった機種から紹介しております。
シンプルなカメラは美しいですね。さわるとこ少ないけど。「minolta」のロゴがペンタプリズムの傾斜部分に入っているのがいいですね。
ミノルタ最初の一眼レフってSR-2(1958)のようです。最初っから2番なんですよね。2番じゃダメなんでしょうか? SR-2は持ってないですね。欲しくもないけどね。改良型のSR-1が1959年に出て、さらにSR-3が1960年に登場します。
で、SR-1の代わりにロッカーから出てきたのは、今回紹介するSR-1s(1967)であります。SR-1 の改良型じゃなくて、New SR-1(1965)の改良型であります。お久しぶりでしたが、元気そうでした。この時期の登場ということはSR-T 101と併売されてますね。
シャッターボタンとフィルム巻き上げレバーは同軸にあります。小刻み巻き上げ可能です。シャッタースピードダイヤルの上のピンは専用のメーターとの連動用でしょう。
先に申し上げたとおり、筆者はSR-1にはまったく萌えないんですよね、筆者は。正確にいうとSR-1、2、3がキライ。あのデザインがイヤ。できそこないのおにぎりみたいな、ヤボったい感じが人気のない、太った売れないお笑い芸人みたいな印象を受けてしまうわけであります。
見苦しい体なので、ライザップに行って、贅肉を絞り出したのがNew SR-1でございました。シェイプされた姿がステキであります。なんだ、やれと言われればダイエットできるじゃん。だからNew SR-1は意志の強いヤツという印象です。そう、筆者には到底できないことを実現したわけです。ここに憧れが生まれたのでしょう。それをさらに改良したSR-1sが悪いわけはないのです。
裏面ですが、「ASA/DIN」のフィルム感度用のダイヤルあります。メーター内蔵ではないので覚書ですけどね。ミノルタは好きだよね、この表示。
ミノルタSR-1sはNew SR-1の最高速シャッタースピードを1/1000秒に高速化し、巻き上げレバーにプラスチックのアテを追加し、ユーザーの親指に優しくしたものであります。簡単にいえば。内部構造は見ることできませんから、どのような変化があったのかはわかりませんけどね。どうせ見てもわからないけど。
正直、SR-1sのようなシンプルな機能のカメラはスペックなど何も語るところはないんですが、筆者はこのデザインがとても好きであります。だから饒舌になってしまうわけですね。
ミノルタXEは今日に至るまで1ダースは買ったという話を以前の連載でしたような気がしますが、その理由はデザインというよりも、ポテンシャルを完全に維持した個体を使用してみたいという要求からですが、SR-1sの場合は外装の状態というか、程度のためですね。おそらくこれまで4台くらいは買ってるような気がします。キレーなやつが欲しいわけ。
SR-1sは、なぜか時間を経るごとに程度のよい個体を発見してしまうんですよね。古い機種なのに。あるいはこちらが呼ばれているのでしょうか。そういえば最近もみたのですが、SR-1sはハードオフあたりで、日替わりランチ価格くらいで売られていることもあるのです。あまりにも不憫なんで、ココロの優しい筆者は救出することになるわけです。保護猫みたいな感じです。
裏蓋開けてみました。フィルムスプールです。グレーになっているのは暗い場所でわかるようにかな。でもフィルム先端の挟みはよい感じで抜けてしまうようなことがないのはいいですね。
で、本機を好きになった理由のもうひとつは、ずっと後に登場するミノルタXDのデザインの参考になったところがあるという話を、元ミノルタの方から聞いてしまったからでありますね。
そうかぁ?
と、いう疑念を持ちつつも、こういう話には弱いわけです。言われてみれば、少しだけ似ているかなあ。と、いう程度なんですけどねえ。
それでも、SR-1sはペンタプリズムの三角屋根が小さいところが好きですね。
すでに本連載で紹介したSR-T101とかSUPERと比べても小顔感があるでしょう。これがいいわけですね。クラスではあまり目立たない地味めな女の子みたいな楚々とした感じです。
やはりさ、TTLメーターを内蔵するとこの当時はカメラデザインの根本的な思想が乱れてしまうんじゃねえのかなあ。そこに外づけの外部測光メーターとか装着しちゃうと、その醜さというのは、そのカメラを下げて人に会うのも憚れるくらい酷い姿になりますからねえ。良い子は単体のメーターを買いましょう。
SR-1sは使い心地はなかなかいいんですよね。コンパクトだし。うちの個体はSR系の中ではいちばんシャッター音が優しい感じがしますね。構造的には同じだと思うんですが、たまたまかな。
プレビューレバーはボディ本体にはなくて、レンズ側にあるのですが、後期のMCロッコールになると、レンズ側のプレビューレバーは省略されてしまいます。そうすると被写界深度は確認できなくなりますけど、ま、これはどうでもいいかな。気持ちの問題です。
SR-1sはモータードライブ専用機であるミノルタSR-Mのベース機でもありました。SR-Mはブラックペイントだけの外装だし、グリップもデカくて掴みやすいし、なかなかの存在感をみせておりましたね。
ただね、SR-Mはモードラを取り外すことができないし、電池ケースが特異な独自の形状をしていて、ものすごく使いづらく、多くの個体が経年変化で割れて、修理のできない状態です。
それでも欲しいというミノルタ好きの同業者さんに、当方のところにあったものを譲った記憶があるのですが、どうなんだろう。双方ともに元気なのかなあ。SR-Mは現存数少ない感じしますよね。機会があれば再び入手したいような。いや、気のせいですけどね。
それで思い出したのですが、SR-1sはブラックボディとかあるのかな?これまで見たことないんですよね。最近カメラはいずれもシルバーボディが好きになってしまった筆者なんだけど、本機だけはブラックボディが欲しいような…。いや、気のせいです。
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