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第6回 ミノルタSRシリーズの最終モデル!1975年に発売された「ミノルタ SR 505」

2024/08/16
赤城耕一

お隣の国で購入したのにカメラ名はSR 505じゃありませんでした。理由はわかりませんけども、ミノルタの輸出専用機種には名前が異なるものがよくありましたね。刻印違いは他のメーカーでは珍品扱いですが、ミノルタで注目なのはCLEの旧ロゴくらいですかね。

 

前回紹介したSR-T SUPERには後継機がありまして、その名はSR 505と名付けられ、1975年に登場しています。
 

なぜ名前から「T」をとってしまったのか…。知りません。
 

なぜ「SUPER」から「505」になったのかもわかりません。ご存知の方、説明をよろしくお願いします。筆者の勝手な想像だと、これは開発番号みたいなヤツじゃねえかなと思うわけです。ヤシカコンタックスの一部の一眼レフみたいな。
 


フィルム給送確認システムSLS(Safety Loading Signal)窓です。フィルムが正常に送られていけば、指標が動きます。動かねばヘタ打ったことになるわけですが、装填に失敗するとかありえないんじゃないすかね。

 

SR 505はSRシリーズの最終モデルとなるのですが、1975年に兄弟機SR101と同時に発売されました。SR 505はSR-T SUPERの、SR 101はSR-T101の後継機となりました。SR 101とSR-T101の違いは、ホットシューが装備されたこと、メモホルダーが追加されたことかな。

 

と、ここまで書いて、機材庫を開けたら、な、ない。SR 101は出てきたんですが、SR 505がないのです。どなたかに貸しだして、戻ってきていないようです。怒らないので、心当たりのある方、速やかに返却をお願いします。

 


SR 101です。SR-T101の後継です。違いはメモホルダーがあることと、ホットシューがあることくらいで自慢はできません。ファインダーはマイクロプリズムだけだし。ただ、ブラックの塗装はなかなかキレーですね。

 

ということで、今週は休みかなあ、お盆だしなあと思っていたのですが、思い出してしまいました。うちにはミノルタSR-T 303bというカメラがありましたぜ。
 

およそ25年くらい前にソウルの東大門前のカメラ店で、変な名前のミノルタだなあと思って買ったのでした。そして、調べてみたら、SR 505の海外バージョンモデルらしく。ミノルタって、ほんと、日本国内で発売されたモデル名と海外モデル名が異なるものが多いよね。
 

だから本稿で実際に取り上げて説明するのはSR-T 303bということになりますが面倒なのでSR 505と統一名で説明をします。

 

SR101の背面です。SLSもないから、何も飾ることなくシンプルです。メカニカル一眼レフはこれでいいよね。SR-T101の金型をそのまま使ったのかもしれんけど。

 

それにしても、まずいのはSR-T 303b名ですと「T」の文字がとれていないことです。
 

ほら、こういうところにツメの甘さというか、思想のユルさが出るよね。そうでもないのか。ネーミングが世界規模じゃないというか。どうでもいいけど。 
 

SR 505とSR-T Superとの違いは2点あり、背面部分にメモホルダーが追加された点と、ミノルタ独自のフィルムシグナルSLS(Safety Loading Signal)が搭載された点であります。
 

フィルムシグナルは、フィルムの給送と巻き戻しなどフィルムの状態を伝える機能でありますね。
 

筆者なんか、フィルムの状況確認は、フィルム巻き上げレバーと連動して回転する巻き戻しノブとクランクの状況で必ず確認してますからね。わざわざカメラ背面の角にあるフィルムシグナルなんかなくても今後の人生はやっていける自信が十分にあるわけですわ。

 

あと、フィルムホルダーね、これもないよりゃあったほうがいいくらいの話なのですが、昨今のようにフィルムが高価になると、撮影枚数をケチるようになり、1日でだーっと数本撮影しちゃうぜというケースが少なくなるわけです。だから装填後のフィルムの種類を忘れてしまう可能性があるわけですわ、経験的に。このためにもないよりはあったほうがいいわけという消極的ですが存在意義はあります。
 

とても重要な点があります。SR 505もSR 101もフルメカニカルカメラであることです。しかもミノルタ一眼レフとしては最後のフルメカニカルなんですよね。

 


SR 505(SR-T 303b)の裏面。フツーつぎて語る言葉もなし。地味なカメラですがいいやつです(精一杯に語りました)。

 

こちらではまだ紹介していませんが、絞り優先AEのベストセラー機であるミノルタXE(1974年)とか世界初の両優先AE(今ふうに言えばマルチモードAEか)のXD(1977年)を商品の主軸としていたから、メカニカル一眼レフは、マイナーチェンジでもよかろう的なニュアンスだったのかもしれませんが、なんかいまひとつ気持ちが入ってないように感じてしまうのは筆者だけでしょうか。オリンパスだって、売れもしないOM-3とかわざわざ用意したというのに。ニコンもFEとFMの二本立てで攻めてたぜと。
 

カメラの内部のことは知らない素人がテキトーなことを言っても説得力が薄いでしょうし、真実はわかりませんが、カメラ修理会社の人が言うには、SR 505もSR 101も前機種よりも。パーツ関連は相当なコストダウンしているということです。
 

フルメカニカルカメラだからこそ、修理会社における長期のメンテができるというメリットがあるのですが、こういう専門家には手抜き、じゃない、コストダウンがバレちゃってますね。
 

もちろんコストダウンしようが、製造工程が手抜きだろうが、撮影において支障なく使うことができ、修理することができれば今後も長く使えるのですから問題はないのですが、カメラ修理技術者がいうには、ミノルタSR系を買うなら、SR-T101かSUPERが絶対いいと言ってましたぜ知らんけど。
 

使用感触はほとんど前機種と変わりません。こもった音ながらも小さくはないシャッター音、グリグリしたフィルム巻き上げ感覚、ファインダーススクリーン交換やモータードライブの装着など、拡張性も考えられておりません。

 


SR-T SUPERからモデルチェンジしても、結局は何も変わらないんですけどね。絞り読み取り窓のために、エイリアンみたいなペンタプリズムのアタマはなにも変わっていませんしね。

 

メーターもCLC名は残されていますから分割測光なんだろうなと。あ、うちのSR系カメラにはバッテリー入れたことないからよくわかりませんけど。
 

そういえば70年代後半の『カメラ毎日』でしたか、写真家のリウ・ミセキさんの作品の中で、ヌードモデルがSR 505のブラックボディをぶら下げていたカットを見た記憶があります。これSR 505は作品の小道具的な扱いだったんじゃないかなあ。あるいは巧妙なタイアップだったかもしれませんねえ。掲載号が出てこないので、正直、自信がありませんが。
 

写真少年にとってはヌードそのものよりもSR505がハダカの女性にぶら下がっていたという非現実的なところが眩しくて刺激的で(誓って本当です。で、なければ覚えてないですぜ)さぞかしSR 505は名機に違いないのではないかと、この時点で結論づけることになるわけです。

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