top コラム推すぜ!ミノルタ第23回 フィルム写真をはじめたい方にはおすすめな一眼レフカメラ「ミノルタα-Sweet II」

推すぜ!ミノルタ

第23回 フィルム写真をはじめたい方にはおすすめな一眼レフカメラ「ミノルタα-Sweet II」

2024/12/06
赤城耕一

全体のデザインはかなり筆者の好みですね。シュッとしています。ミノルタ独自のアクセサリーシュー形状はいただけないんですよ。仕事場に通常のアダプターが見当たらないからストロボ使えねーじゃん。まあいいけどさ。

 

ぜんぶ処分したはずのミノルタαシステムだけど、また出てきてしまいました。ったく、ドラえもんのポケットかよ。
 

出てきたのは2001年登場のミノルタα-Sweet IIです。これね、たしかに発売とほぼ同時に買いました、覚えてます、理由は忘れたけど、おそらく筆者のことだからα-9がデカかったから常時持ち歩きのαが欲しいというつまらない理由だったかと。でも小さいカメラはほんと好きなんですよね。デジタル一眼レフの黎明期ということもあるから、ミドルクラスの新型フィルム一眼レフが出てこなくて、仕方なく購入したようなところもあったかも。
 

ごらんのとおり、うちのSweet IIくんは名称が「DYNAX 5」になっております。はい、これは北米か欧州かで売られた本機の名称ですね。

 

ボディ正面にある「DYNAX 5」のロゴ

 

もう時効でしょうから話をしますけど、当時「Sweet II」という名前がどうしてもイヤ(なら使わなきゃいいだろっていうのはナシ)で、当時のミノルタのサービスに持ち込んで、エンブレムを取り替えてくれって、談判したのでした。ミノルタは応じてくれました。お安いご用だと。たぶん本音じゃないですね。断るとアカギは面倒だからでしょうね。

 

筆者はそんな悪いヤツですか。カメラ名が悪いと難癖をつけて、まるで強権発動した危ない人みたいじゃないですか。今ならカスハラで訴えられるかもしれませんね。良い子は決して真似してはいけません。

 


筆者は無粋なモードダイヤルが嫌いなんで、あまりボディから突出していないこのダイヤルは好きです。設定したいモードに合わせてボディ右のダイヤルをクリクリして設定を変えます。

 

でもね、この時、無理な改造を引き受けてくれたミノルタのサービスの方に言われましたよ。「ホンモノのDYNAX 5にはパノラマモードはありませんぜ、へへ。」と。いや、念のために言いますと、この担当の方は筆者と共に、このバカなお遊びを許容してくれていたんですね。いま考えると、落涙ものです。
 

でもね、この本機の国内仕様と国際仕様の違いを聞いた筆者は、すぐにNYの例のカメラ店にもう一台DYNAX 5を注文したろうかと思いましたもん。

 

けっこうエラそうな液晶パネルを積んでいます。視認性良好。液晶の漏れとかあると萎えて使いたくなくなるんですよね、たとえ正常に機能しても。

 

ええ、さらにバカです。さすがに実行こそはしませんでしたが、パノラマモードがないウラを取るためです。モードの有無でカルトクイズができるじゃあないですか。
 

日本名はSweet IIとなります。そのままの訳だと「甘い」とかになるんですかね。いやですねえ、おそらく「EOS Kiss」とか「Nikon U」と間違えて買ってもらおうという作戦なんだろうなあ。

 


グリップにある電源スイッチセンサー。ろくでもない写真を撮ると、それを即座に感知し、ユーザーを感電させる仕組みです。ちなみにこのグリップは加水分解しておらず、美観を保っております。早くからこの素材を選んでおけばなあ。

 

筆者はデブですが、甘いものが苦手です。これもエンブレムを取り替えた理由のひとつですね。あと「ママさんカメラ」的な扱いがイヤなわけ。姑息なマーケティング戦略だぜ。DYNAXの方が戦隊ヒーローみたいでカッコいいじゃん。
 

いずれのメーカーのエントリー機も、筆者はサブカメラとして使用してきた経緯がありました。しつこいようですが、いずれも小型軽量であるがゆえであります。

 

これ、コマンドダイヤルっていうのかわかりませんが、各種設定の変更時に使います。ボディ前面にあるからニコンDfみたいですぜ。あ、こちらの方が元祖か。

 

Sweet IIのよいところは他にもたくさんあります。エントリー機なのにAF-SとAF-C、AF-Aの切り替えができること。前回のフラッグシップα-9000だってこれはできなかったんですぜ。最高速シャッターが1/4000秒であること、使わないけどAFエリアが7点もあること。3コマ/秒も筆者向きであります。多分割測光のほかにスポット測光機能までありますぜ。これ、使う人いるのかねえ。使ったことある人連絡ください。これでシンクロ速度が1/250秒なら、もう2台買ってました。
 

多くの機能はFUNCTIONダイヤル+操作ダイヤルを使用して設定変更できるのでわかりやすいですね。電源ONはなんかグリップのセンサーとアイセンサーも使えるんですぜ。裏蓋開けるとスプロケットがないですね、パーフォレーションを赤外で数えてフィルムを送る方式なのでしょう。

 


スポット測光ボタンです。ママさんカメラだから、学芸会の時に、カワイイ自分の子供の顔だけを正確に測光して適正露出に追い込めます。さすがです。

 

プログラムAEの被写体別アイコンも質素な表示でね。いいんじゃないですか。全体は思い切りプラ感です。安っちいですね。これは仕方ないすね。と、金属好きの筆者も軽量さに納得であります。
 

動作とかAFの動きとか、全体のシーケンスもエントリー機への分類にしておくのは惜しい、すばらしい動きをしますね。筆者は本機を使用して実際に街中スナップ撮影した記憶があります。
 

機能を使いたい人は選択してうまいこと使いなさい、でも、選ぶのはあなただという姿勢が良かったんですよ。準カスタマイズ的なカメラです。

 


ストロボ内蔵してます。本当はキライな筆者ですが、どうしようもないですね、こればかりは。間違えてポップアップのボタンに触れて、ストロボが立ち上がると恥ずかしくなります。我慢しましょう。

 

メンテの問題とかありますけど、もしフィルム写真をはじめたい方にはおすすめな一眼レフカメラですぜ。そう高価には売られてないはず。こんなことを言う筆者も珍しいでしょう?つまり、本機のことをかなり気に入っていたわけです。
 

α-7000時代のちっこいミノルタAF 35-70mm F4あたりを装着して、モノクロフィルムを装填し、街中に繰り出して、本気で光と影に立ち向かおうかという気になっています。
 

処分しなくて本当によかったぜ。

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