ミノルタ SR-1sを取り上げたのでつぎは同じ1965年に出るNew SR-7を取り上げますね。
これも本来は1962年の初代SR-7を最初に語るのがスジなんでしょうけど、なんかね、その姿と形が生理的にダメなの筆者は。
でもね、SR-7は35mm一眼レフに最初にCds受光素子メーターを仕込んだモデルという意味では歴史的なカメラなのかもしれませぬ。いいんです。本連載はカメラの歴史はあまり語らないので。筆者のワガママ好き嫌いで差別します。ま、見てもらえば理由はご理解いただけると思います。
ブラックボディだと、全体のイメージがぐっと締まった感じしませんか? ミノルタらしくないというかね。野暮ったくないもん。気に入ってますよ、この感じは。「New」とかどこにも刻印がないのもいいですね。
New SR-7はごらんのとおりTTLメーター内蔵ではなくて、初代と同様に外部測光方式のメーターが内蔵されております。ボディの左手にある丸い窓が受光部ですね。そう、思い切りデザインの調和を乱しておりますね。カッコ悪いしね。指に触れても邪魔くさいだけです。
ボディ前左上に鬼太郎の親父みたいな目玉があり、著しく美観を損ねています。受光用の窓です。メーターを使う方、この窓を塞がないように注意して測光してください。
上部にあるメーター表示窓の小さな絞り文字は、加齢により、目が壊れて近くのものがよく見えない筆者には苦痛です。メーターはシャッタースピードのみに連動しますから、測光ボタンを押して、表示された絞り値の指針と同じ数字を絞り環で設定せよということですね。
例によってバッテリーを入れたことがないので、この個体のメーターが動くのかどうかはわかりませんので関係ないですが。そのままでもいいけど、目障りだからパーマセルで塞ぎたくなるんですけね。
TTLメーターではないということは交換レンズに余計な情報を伝える機構がついていないということですから、機構はすごくシンプルでいいんじゃないかな。
たまたま同じ機材ロッカーからプリセット絞りのロッコール35mm F4が出てきたので装着してみます。時代的に適合しているんじゃないのかなあ。古すぎるのかな。スペックの割にはよく写るレンズですが、正確にフォーカスできたら、あなたも名人です。
本機に使うレンズは時代的にMCロッコールより前ですからね。MCロッコールも装着できますけどね。ボディ本体には例によってプレビューボタンないですね、レンズ側でヤレと。
筆者が入手したNew SR-7はブラックボディでした。
本機を入手した当時は「黒カメラ欲しいよ病」がかなり重かったころで、高田馬場のスズキカメラ商会で本個体を見つけてしまい、脊髄反射で即買いし、トランス状態のままで西武新宿線の乗客となっていたのでした。あ、いまは寛解しておりますのでご心配ねぐ。
でもね、言い訳しますと、その価格は昨晩の居酒屋での宴会と同額でした。それにね言い訳すれば意外と少ないんだよねNew SR-7ブラックって。だからお越しいただく理由はなくもないわけ。結局ね、このデザインが好きなんですよね。こればかりは理屈ではないのです。
操作性はどうでしょうか。シャッター機構は布幕横走りのフォーカルプレーンシャッター。前回のSR-1sと同じですね。本個体は少し鈍い動作音がします。個体差なんでしょうが悪くはありません。
また巻き上げレバーのどんつきの感触が悪く、硬めのこんにゃくを指で押したようなぐにゅっとした違和感がありますね。治るのかねこれ?まあ、我慢して使うけどさ。いちおうフルメカニカルの良さでね、ちゃんと写りますしね。SR-1sと同じ機構なのに、なぜ巻き上げ感触に差があるのかなあ。ブツブツ。
SR-1sみたいに巻き上げレバーにプラスチックのアテがありませんので、連続撮影すると筆者のデリケートな親指の腹はほのかに赤く染まります。
前号で書き忘れたんですが、New SR-1sもNew SR-7もアクセサリーシューはなくて外づけの専用のものを使います。アイピースの両枠にスライドして入れるやつね。これをつけるとせっかくのペンタプリズムの三角屋根の美学が失われるので、失望感が大きくなりますね。
これ、ブラック仕様もあるのかなあ。New SR7ではファインダーアイピースの窓がのちのSR-T 101などと共通の四角になったのでした。その前は丸型でしたよね。確かめてないけど。でも関係ないけどニコンではアイピースは丸型のほうが格上なんだぜ。ミノルタは逆をいくわけだ。
ボディ底面のメータースイッチの形状とかバッテリー室のデザインはのちのSR-T101と似ています。というか同じじゃね? ダイキャストも共有なのかも。しかし、メータースイッチが底面だと、なんだか面倒だよね。メーター使用する人ごくろうさまです。
ボディエプロン部の脇のスイッチを押すと、メーターが作動して、絞り値が表示されます。メーターはシャッタースピードに連動しているので、適正絞り値が導きだされます。で、メーターが示した絞り値と同じ値を絞り環にセットします。ごくろうさまです。
ミラーアップ機構もあるので、ロッコール21mm F4も装着できますなあ。そうか、外部測光だから、このレンズを装着しても測光できるわけですね。なるほど。便利じゃないか。
「minolta」ロゴがペンタプリズムの前面の傾斜部分に入っているのがなんだかいいよね、という話は前回も書いたけど、どこか既視感がありました。そう、オリンパスOM-2 SPがそうでしたよね。
底面です。汚くてすみません。が、SR-T101と区別のつかないレイアウトです。バッテリーはHDでしょうか。今では代替え電池か、アダプターが必要になると思います。
New SR-7使ってどうしたということはないけど、この当時のミノルタの一眼レフはファインダーのマット面のピントの切れ込みが今ひとつ感がありませんかねえ。とくにF値の大きなワイドレンズつけると今後の写真人生が続けられるのか不安になるほどですが、こんなものなんですかねえ。これでも改良されたとかいう話がありますけどね。
のちのミノルタが発明したアキュートマットのスクリーンとか移植できないのかなあ。それができたら最高なんだけどね。どうなんだろう。
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