なんかモータードライブ1のグリップってヤボったくないですかね。指の形に露骨に合わせて成功したのは、コンタックスRTSのモードラくらいじゃねえかな。
前回に続いてX-700の話をしますが、今回はアタマにNEWがつきますね。前機種との違いはAEロックが追加されたことです。カタチは旧タイプと同じですよ。つまらんねえ。
新設されたAEロックですが、筆者はAEロックを使ったことないんですよね、AFロックは使うけどさ。だからAEロックがないカメラが叩かれていたりするのをみると、かわいそうになりましたね。
モータードライブ1の上にもシャッターボタンがありますね。ボディ側と合わせて2つ体制、いやモードラには縦位置用のもあるのか。モータードライブ使うときっといい写真撮れます。
キヤノンNEW F-1とか、AEロックをつけ忘れたんじゃねえのか?と書かれた文言をカメラ雑誌のレビューだかでみつけて、あれあれ厳しいなあとか思いましたもん。オリンパスOM-2だってダイレクト測光だから、AEロックはありません。なくても別に困らないで使ってたけどね。
ミノルタX-700の場合は誰かに「AEロックがねえぞ」と恫喝じゃない、ケチつけられて、素直に従ったんですかねえ。エライなあ。
AEロックはセルフタイマーのレバーと兼用になりましたね。レバーを引き上げるとセルフタイマーで、押下するとAEロックですね。
AEロックレバーですね。押下すると機能するみたいですぜ、どの指で押すのかねえ。それにモードラつけるとレバーがよく見えないんじゃあないの。
はい、これはものすごくやりづらいんじゃないすかね。とくに専用のモータードライブ1を装着すると、AEロックを行う指が足りなくなるんですが、これ、どうするんですかね。取り説とか読みたくないんで、X-700マニアの方教えてください。まさかモータードライブ1にAEロックのボタンとかないすよね。
NEW X-700の使い手として有名なのは篠山紀信さんでしたね。「シノラマ」の撮影に使っていました。4台のモータードライブ1つきのNEW X700をステーに並べて、一斉にシャッターを切るわけで、同時に同じシーンの写真が4枚撮れるわけです。そう4台の映写機をならべて上映する「シネラマ」のもじりですね。
これね、スライドプロジェクターの上映みたことあるんですが、とても楽しかったんですが、雑誌とか写真集になるとあれあれーよくわからんなーということになるのですが。どうなんだろう。
露光補正ダイヤルが1/2刻み、変わらず粗いですな。気に入らないばあいはさっさとマニュアル露出にしましょう。
唯一「アサヒグラフ」で篠山さん、昭和天皇の大喪の礼の車列を表参道あたりでシノラマで撮影したのですが、この時に使用したのがNEW X-700だったわけです。
その時に車列を妨害しようと、暴漢が現れるわけですよ。これを篠山紀信さんはシノラマでバチっと捉えて、アサヒグラフのデカい判型で観音開きで掲載してましたねえ。
さすが篠山さんは「持っている」と思いましたもん。ちなみに筆者はこの時は皇居近くにいて退屈していたことをなんとなく記憶しています。
余談をもう少し書くと、かのエド・バン・デル・エルスケンはシノラマのことをボロクソに評価していて、ふたりで対談対決した記事が週刊誌に載ってた記憶があります。雑誌名は忘れたけど、これを持っている人は大切にしてください。
あとNEW X-700使いで有名なのは、いまや大巨匠になられた蜷川実花さんですね。カラーネガフィルムのAGFA ULTRA100を詰めて、現代の作品につながるような特異で派手な色再現の作品を作り、木村伊兵衛賞を受賞しています。残念ながらAGFA ULTRA100のフィルムシュミレーションはなさそうだから、みんなで研究しましょう。
NEW X-700は今でも人気あるそうですが、さすがに壊れると修理は難しくアウトになるかと。筆者ならば、SR-T101を選ぶけど、そういうものじゃないんだろうなあ。
久しぶりにX-700にモータードライブ1をつけて、空写ししてみたけど、横走り布幕のフォーカルプレーンシャッターがバタバタとデカい音をたてて、モードラが動くさまは、のどかにすら感じますね。これって、3コマ/秒くらいかしら。きっといい写真が撮れることでしょう。
レトロ感あふれる、フィルム室です。布幕横走りのシャッター幕が見えますね。さてと。
ちなみにフィルム巻き戻しは手動です。従来どおり巻き戻しクランクをくるくる回しますよ。
ミノルタはモータードライブ開発に消極的というのがこういうところにも出てしまうわけです。きっとエンジニアが嫌いだったんだよね、モードラ。違う?
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