top コラム推すぜ!ニコンFシステム第52回 2000年に登場したフィルム一眼レフカメラ「ニコンF80」

推すぜ!ニコンFシステム

第52回 2000年に登場したフィルム一眼レフカメラ「ニコンF80」

2023/09/07
赤城耕一

小型の単焦点レンズを装着して、街歩きとかしたくなるカメラ

 

1999年にコンシューマー向けとしては初のデジタル一眼レフのニコンD1が登場します。価格は65万円だったか、バッテリーとかチャージャーとか買うと総計してもっと高くなった記憶がありますが、これ、価格的にもまだまだ一般的な一眼レフカメラには映りませんでした。
 

有効画素数は266万画素くらいでしたかねえ、初号機だけあり、断片的に仕様は覚えていたりしますが、こちらもまったくの知識不足で、カラースペースがNTSCなんだけど、これどうするんだ、みたいなことで使い始めても右往左往した記憶があります。ベース機はF100だったんですかねえ。
 

あれよあれよという間にセンサーやら画像処理エンジンやらの改良が重ねられ、この24年の間にD6まで登場というのはすごい開発スピードです。合間には「S」とか「X」のつくマイナーチェンジ機もありますしねえ。
 

でもね、フィルム一眼レフカメラ時代のフラッグシップ機はユーザー側としても8年くらいは使いましょう的な心意気ありましたしね。もっともフィルム一眼レフではAEが当たるとか、AFが速いとかコマ速度がどうのということだけがキモでありますから、写る写真は旧機種と変わらないわけですし。
 

でもD1が登場したことで、さて、これからは一眼レフもデジタル化を睨みということになるのですが、2000年にF80というフィルム一眼レフカメラが出てきます。

 

全体にこざっぱりしているというか、簡単に言ってしまえばF100からAI連動レバーを省略したみたいな感じですかねえ。AFニッコールしか使わねえよっていう人にはおすすめの小型軽量一眼レフであります。

 

ミドルクラスというわけではなさそうで、エントリー機の仲間なんですかねえ。位置的には。でもF100よりはクラスは落ちるという。
 

最高速シャッタースピードは1/4000秒、コマ速度は約2.5コマ/秒ですね。筆者は高速連写とか不要なので、手で巻き上げる代わりとしては不満はないけど、もう少し速度あってもいいかなとは思いました。

 


シャッターボタンはステンレスかな。レリーズ穴を装備しております。リモコンとか使いたくないあなたのために。

 

AFは5点AF、中央1点クロスタイプ(マルチCAM900オートフォーカスモジュール)だそうで、そこそこの性能であります。
 

スピードライト内蔵していますが、これまで使用したことはありませぬ。マルチパターンと中央部重点と、スポット測光の切り替えができますね。みんな切り替えないと思うんですが、被写体を前にして、難しい顔をして設定を変えると周りに威厳を示せるかもしれません。無駄とは思いますが。

 


内蔵のスピードライトはポップアップ式であります。全自動モードがあるのかも知らないのですが、暗いと自動的にポップアップするのかな。なんせ一度も光らせた経験があ離ません。うちの発光部はバージンです。

 

UIをみればF100にも通じるところ多し

 

AI連動レバーがありません。うちのF80だけ工場でつけ忘れたのかと思いましたが、どこを探してもありません。つまりCPU内蔵のレンズでないとメーターは動きません。いつまでも古いMFニッコールレンズなんか使うんじゃねえよっていう警告なんでしょうか。もちろんメーターが動かなくても撮影者が適宜な値を設定すればいいので、これで問題なく撮影することはできます。
 

前後のコマンドダイヤルはありますし、背面のフォーカスセレクターも存在します。つまり、UIをみればF100にも通じるところ多しですね。

 

モードダイヤルとかISO感度ダイヤルとか集約させてきましたねえ。シンプルでいいけど、ダイヤル上部は空き地も多いイメージです。

 


フォーカスセレクターも装備。裏蓋の加水分解をなんとかせねばということで磨いていたら、どんどん小汚い感じに。上品な筆者に似つかわしくないカメラになってしまい。

 

ファインダーは明るいですがMFにはあまり向いていない感じです。それでもこれにAIニッコール45mmF2.8Pを装着して使うと、ニコンを知り尽くす男として周りから一目置かれるかもしれませんよ。保証はできかねますけど。
 

手にしてみると外装はプラスチッキーな雰囲気があるものの、F4とかF90のようなツルピカ感は薄らいでいます。プラとはいえ仕上げが上手になったのでしょうか。でも、軽量でバランスはかなりいいですね。小型の単焦点レンズを装着して、街歩きとかしたくなるカメラです。

 

測光方式を切り替えることができます。クリエティブなあなたのために用意されています。中央のボタンはAEロックだと思うけど、使わないですよね。

 

知る人ぞ知るでしょうけど、国内で発売されたF80はF80Sというコマ間データが入るもの、F80Dというコマ間データが入るもの2機種あったそうです。SもDもボディの表記はないみたいです。
 

うちの個体はF80Dのシルバーですね。これ、初めて見た方もいるやもしれませんが、シルバーモデルの国内発売はありませんでしした。そう海外専用機です。
 

ニコンは多くのカメラメーカー同様に、ネーミング以外にもこうして海外モデルと日本のモデルに差をつけようと考えます。国内の発売台数よりも海外の方が多いのですから、こういう遊びもできるかと。

 


上部のディスプレー。しかし、うちのニコンの液晶ディスプレーを装備しているモデルはぜんぶ液漏れとかない完全な状態なんだけど、これって高い液晶を使ったということですかねえ。かつて大阪で作っていたカメラなんか全部ダメですよ。

 

私の貴重な時間を返してくださいと、ぶつぶつ言いながらボディを磨いておりましたが…

 

何度も言いますが、年寄りになるとシルバーモデルが欲しくなるので、このほうがありがたいのですが、どこで入手したのか今もまったく思い出せないでいます。ストックホルムだったかな。いや、どこかの国内の中古カメラ店かなあ。もう忘れてしまいました。
 

ボディーのみだとCR123Aを2本を使用するんですが、これ、バッテリー高そうですよね。単三のバッテリーホルダーもあるんだけど、なんか安っぽさに拍車がかかるので、見せびらかす場合は装着しない方がいいでしょう。
 

シャッター音も静かな方で優しい印象です。動作にそんなに文句はないのですが、一連のシーケンスの感触にもう少し品格が欲しかったですね。これは難しいのか。
 

それにAF補助光がやたらと光ります。これが超絶に明るく、眩しいくらいですね。おそらくカスタム設定で消せると思うのですが、調べるのが面倒で実行しとりません。全体としてはF80のデザインは悪くないですし、なかなかいいやつです。
 

ただ、うちの個体の外装は残縁なことに加水分解が始まっています。テーブルにジュースこぼしたのが乾いたみたいな感じのベタベタ感を手のひらに受けますと、萎えてしまいまして撮影意欲が大幅に減少します。あ、バッテリーホルダーも加水分解していて泣きそうです。

 

今回も全体のベタベタを拭き取るのにそれなりの時間を要しました。しかも完全に綺麗になりません。ったく、そんなに古いカメラじゃないんですから、お願いしますよ本当に。私の貴重な時間を返してくださいと、ぶつぶつ言いながらボディを磨いておりましたが、ありゃりゃF80も登場してから、もう23年とか経つんですねえ。

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