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推すぜ!ニコンFシステム

第7回 “ニコンのガチャガチャ”を完全に実感できるフォトミックファインダー最終形「ニコンフォトミックFTN」

2022/10/27
赤城耕一

フォトミックファインダーの変遷と独特のお作法

 

TTLメーター内蔵のフォトミックTからTN、FTNとなる流れって、個人的には好きなんですよね。TとTNって、ほとんど同じデザインで、TNはNの刻印が上部にあるだけですね。装着レンズのF値セットは自分で行わなければなりません。
 

「ニコンのガチャガチャ」を完全に実感できるのはフォトミックFTNからであります。レンズを装着したのちに、絞り環を一往復させることで、レンズ側のカニのハサミと、フォトミックFTNの絞り連動ピンを、カップリングさせるという。設定値を一度リセットして、装着したレンズの開放F値セットを自動的に行うわけですね。
いや、「自動的」とか書くと怒られてしまいそうです。「半自動」かな。「セミオートマチック」とか書くとかっこいいすかねえ。そうでもないか。
 

でも開放F値など、余計な操作をせずに装着した瞬間にボディ側に伝えていないといけないと考えるのがTTL開放測光方式を採用した普通のカメラメーカーであったようです。一部を除きますけども。つまり、TTLメーターという新機能を採用するにあたり、ニコンはFマウントを堅持し、かつ開放F値設定をセミオートまで持ってきたわけであります。不変のニコンFマウントはこの時から始まっていたわけです。

 

ニコンFフォトミックTNですね。フォトミックTNファインダーは不当に大きい。建て増し違法建築みたいです。無届けですね。捕まりますが筆者は一番好きかも。

 

フォトミックTNファインダーの上面。側面のボタンを押すと中央のボタンが跳ね上がります。先端の白いボタンはバッテリーチェッカー。左の露出計窓はFTNとさほど変わらず。

 

不格好でデカく、ゴツいフォトミックT、TNから、随分スマートになったFTN

 

当初、フォトミックT、TNってかなり不恰好に見えました。デカい、ゴツいんですよね。でもね、最近は見慣れてきたこともあるのですが、FTNよりもイケるんじゃないかと思えてきたり。砲塔の大きな「戦車」のような迫力を感じます。でも、経年変化が大きいのでしょうか、プリズムにヤレがなくて、メーターも一応は動きますぜ、という個体を見つけることすら、えらく大変になっています。
 

使い勝手としても、レンズ装着時にカニのハサミと、メーターがカップリングする連動ピンが噛み合うことをよく観察する必要があります。基本的には連動ピンを目一杯正面から右に寄せて、レンズを装着します。万が一カップリングしていない場合はピンを指でハサミの中に追い込むなど、スマートではない行為をせねばなりません。さらに装着レンズの開放F値をメーターに知らせるためにセットが必要です。
 

フォトミックFTNは、ガチャガチャと同時にこれでもそこそこはスマートな形になりました。前機種のフォトミックTNを装着したニコンFは「ニコンFフォトミックTN」と呼ばれますが、フォトミックFTNファインダーを装着したニコンFは「ニコンフォトミックFTN」と呼びます。このあたりからニコンFはまずファインダーを重視する状況になったのではないかと。

 

世の中はTTLメーター内蔵の一眼レフが主流なんですから、FもFTNファインダーをつけたものを最も重宝するというか。

いささか日和見的ではありますが、次第にカラー時代が押し寄せてきましたから、TTL内蔵メーターを装着したFは必然であるという読みがあったということなんでしょうか。

 

右がフォトミックFTN、左がフォトミックTNです。エンジニアが知恵を絞り、ダイエットした感じがFTNなわけです。形が実はかなり異なりますが、コンパクト化の限界が見えています。

 

フォトミックFTNのシルバークロームボディ。まったくもってスマートではないのですが、どこか憎めないですねえ。鈍臭い感じもするんだけど。「F」文字を前面にガツンというのは強調したかったんだろうなあと。

 

最近は電池を入れずに、「少し重たい、形の変わったF」として愛用

 

フォトミックFTNはそう小さくなったわけじゃないですが、それでも前面の形がずいぶんと整いました。セットしたレンズの開放F値窓は前面のインジケータで知ることもできます。
ファインダーの取り付けも、確実になり、ボディ本体のNikon銘板の脇にファインダーから伸びた固定用のフックがしっかりと下部を支えることになります。T、TNよりも確実に装着したのだという印象をこちらに与えます。
 

測光範囲はファインダー中央の円内になりますが、わりと忠実ですね。平均測光よりも空の影響は受けづらいようです。しつこいようですが、被写体の色や反射率の影響は当然受けます。
受光素子もCdsですので指針の反応も鋭くはないのですが、意外とまったりしていない印象です。ファインダー内の他、外部にも指針窓があります。
 

電源はHD型の水銀電池ですから、いま使うにはアダプターは必要ですが、筆者は最近は電池を入れずに、「少し重たい、形の変わったF」として認識して使用することにしております。万が一、メーターが狂っていたりすると夜も眠れなくなるじゃないですか、アテにもしていないのに(笑)。
 

アイレベルFよりも圧倒的に不人気なんだけど、でもフォトミックFTNは愛嬌があるというか、人の良い平板な顔のおじさんという感じに見えます。特にシルバークロームボディはそんな感じ。ブラックになると印象がまた変わります。なぜか筆者は昔のお巡りさんの制帽を連想します。なぜだろう不思議ですよね。

 

 

ニコンフォトミックFTNのブラックなんですが、黒いと基本的には小さく見えますね。実際に手にするとデカいけど。これも好きなカメラです。アイレベルのFよりもファインダーが腐食している個体が少し少ないようです。

 

フォトミックFTNファインダーのメータースイッチです。側面のボタンを押すと上のボタンが跳ね上がり、赤線が出てきます。スイッチがオンになったことを知らせるわけですね。

 

 

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