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推すぜ!ニコンFシステム

第47回 アクセサリーなどの拡張性はほとんどなく、1台完結タイプの一眼レフ「ニコンFM10」

2023/08/07
赤城耕一

登場時の価格はなぜか記憶していて、レンズがついて50,000円ちょうどだったと思います。

 

ニコンFE2やNew FM2は、1/250秒の高速シンクロを可能としたことで職業カメラマンも使い出したと書きましたけど、このことで、カメラの階級づけはあやふやなものにしたようです。プロだからフラッグシップを使用せねばならないというステレオタイプな話はなくなったわけです。
 

デジタルカメラと異なり、同じレンズ、同じフィルムを使用して、同じ被写体を撮影すれば、カメラに階級差があってもできあがる写真の結果は同じことになります。
 

細かいことをいえば、AEやAFの精度やコマ速度、耐久性が違うぜと騒ぐ人もいらっしゃるでしょうけど、筆者はそうした高いスペックを活用する撮影をしていませんので、なおさらカメラの階級差は気にならないわけですが、これ逆に考えると階級や新旧の分け隔てなく、すべてのモデルが欲しくなるわけです(笑)。
 

カメラはスペックとは関係ない、外装の素材とか、塗装の質とか裏蓋の建てつけとかは、撮影時のモチベーションに左右されることがあるのですが、気持ちの動きによって、フラッグシップ機からビギナー機まで使い分けたくなるなるわけです。その理由、理屈はいくらでもつけることができます。
 

何を言いたいかといえば、今回紹介しますニコンFM10ですね。これも、うちの機材ロッカーにありました。ええ、これも持っていたのであります。いじめないでください。購入した時の記憶が薄いのですが、登場したのは1995年であります。

 


全体のデザインは悪くないと思います。赤いラインも入っていますが、とくにジュージアーロを意識したとは思えませんけど、現行のMF一眼レフであるであることを主張したかったのでしょうか。

 

FM10はNew FM2よりも廉価なビギナー機です。登場時の価格はなぜか記憶していて、レンズがついて50,000円ちょうどだったと思います。価格をおぼえていたのは何かの媒体で取り上げたからかもしれませんが、媒体は忘れています。その後は値上げされましたが、わりと最近まで現役でした。
 

ボディカバーやパーツはプラスチックが多用されています。このため素晴らしく小型軽量です。
 

フィルム巻き戻しクランクはプラスチック製で質感はいまひとつなのは残念ですねえ。

 

シャッター動作音はいささかチープですが、この乾いた音は、嫌いではありません。ファインダーはよく見えます。上位機とくらべてファインダー倍率はほとんど変わらないのは、マニュアルでのフォーカシングもやりやすくなりますので、評価対象ですね。フルマニュアル機で、メーター表示も縦表示の+○-でLEDを使用しているなど単純です。

 


フィルム巻き上げは一操作で分割巻き上げはできません。レバーの基部には多重露光レバーが見えますが、フィルムを巻き上げても、レバーを収納するとシャッターロックがかかる仕組みです。これは要らないかな。

 

メーターはシャッターボタン半押しで起動しますが、面白いのは独立した「測光ボタン」なるものがボディのエプロン部の左上に備えてあることです。

 

名前のとおりボタンを押せば測光スイッチが入るわけですが、これはどうやら、絞りを先に決めて撮影したい場合に便利であるということらしいです。どうなんですかね、使ったことがないからわからないんですが。

 


シャッターボタン半押しで、測光が開始されますが、カメラのエプロン部の左上に単独の測光ボタンがあります。なんでも絞りを決めてからシャッター速度を決める、絞り優先での露出決定に便利だそうです、その理由はわかりません(笑)。

 

こういうカメラで自分が納得できる写真が制作できる

 

また、ビギナー機の場合はニコンEMのようにプレビューレバーが省略してあるのが普通ですが、本機には備えてあります。これは言うまでなく被写界深度確認用ですが、そう、使っても大してアテにはなりませんし、使う人も少ないのですが、プレビューレバーのあるなしって、一眼レフカメラとしての品格に影響するんじゃないかと考えています。

 


プレビューレバー(上)とセルフタイマーレバー。プレビューレバー止まるところまで押し込まないと設定絞りまで絞り込まれないので注意したいろころです。使う人は少ないでしょうけど。

 

シンプルすぎて逆に説明する必要も感じないカメラでありますけど、おそらく本機は当初は輸出専用機だったのではないかと思います。1円でも安いカメラを作れという要望が出るのは営業サイドからだと聞いたことがありますが、開発はきちんとこれに応えるわけですね。
 

アクセサリーなどの拡張性はほとんどないので、1台完結タイプで、潔いです。こういうカメラで自分が納得できる写真が制作できると、とても嬉しい筆者であります。
 

パンケーキタイプのレンズとか、単焦点の広角レンズなどを装着して、カメラバッグなどは使わずに携行し、ここぞという時にさっと取り出して、サクっと撮影するというのが粋な使い方でしょう。そうですコンパクトカメラ的に扱いたいですね。
 

ニコンFM10のボディからは、どことなくほのかにリンゴの香りがするような気がします。ボディカラーもリンゴの皮を剥いたときの色みたいですねえ。いずれも考えすぎかもしれません。すみません。でも、今さらですが、ブラックボディが欲しかったですね。

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