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本日のマイカメラ

第54話 ペトリカラー35

2026/03/10
柊サナカ

 ペトリカラー35。コンパクトながら工夫がいっぱい、楽しいカメラです。

 

わたしはカメラ全般が好きですが、片手で持てるサイズ感のカメラをこよなく愛しています。ローライ35TコンタックスTGR1もそうですし、アグファオプティマもそう。こういった小さなカメラを鞄に入れておいて生活するのが好きです。シャッターチャンスは日常の中で急に現れます。いいなと思ったらすぐ取り出して撮る。あとで見返すと日記のようになっていて面白いです。
 

このたび縁あってペトリカラー35が手元にやって来ました。使ってみると、なんで今まで持っていなかったのだろうと、買っていなかったのを悔やむくらい楽しいカメラでした。今回はこのペトリカラー35を紹介したいと思います。
 

ローライ35の発売は1967年、ペトリカラー35の製造は1968年ということですから、だいたい同じような時期に発売されたようです。とはいえローライ35の認知度に比べて、ペトリカラー35は、巷ではそれほど知られていません。このたびペトリカラー35を毎日使ってみて、もっと評価されてもいいカメラではないかと思いました。
 

フィルムの装填はローライ35、コンタックスTと同じく、下半分をカパッと外すタイプです。フィルム装填は癖がなく、初回のフィルム装填を失敗しがちなわたしにも簡単に装填できました。上手く装填できているかどうかは、巻き戻しノブが回転しているかどうかでわかります。(ちなみに、このノブは、フィルムを巻き戻すときには、巻きやすい形に立ち上げることができます。そういうところの気遣いも好きな点です)

 

ペトリカラー35を上から。黒いダイヤルが、前からシャッタースピード、後ろが絞りです。半円形に見切れているのが距離を合わせるダイヤル。写真撮影の三要素がわかりやすくまとまっていて好感が持てます。

 

底面のつまみはしっかり留まり、撮影途中に開いてしまうようなことはありません。

 

裏蓋をあけたところ。完全に外れます。フィルム装填は簡単でクセのないタイプです。

 

いろんなカメラを使ってきて、フィルムの巻き戻しがやりにくいカメラも多い中、傾斜がついていて実に巻き戻ししやすいペトリカラー35。

 

ローライ35Tは、レンズが沈胴していて、撮影時に手で引き出し、目測で距離を合わせます。一方ペトリカラー35は、同じようにレンズが沈胴しているのですが、手ではなく、背面のダイヤルを右方向に回すことで引き出します。

 

背面真ん中のダイヤルが距離を合わせるダイヤルです。この、ちょっと上につき出ているこの形が人差し指で本当に回しやすくて、感心しました。

 

ファインダー内の様子をごらんください。一番左が沈胴している状態、ここからダイヤルを右に回していくと、ダイヤルの動きと合わせてレンズが少しずつ、くり出てくるのがなんだか楽しい。ファインダー内の目盛りも連動して動きます。無限遠は山マーク、人マークとイラストでそれぞれわかりやすくなっていて、ファインダーから目を外すことなく距離を合わせることができる優れもの。最初の繰り出しの部分はゆっくりで、(これは、ちゃんと動いているのかな……)と心配になりますが、ぐるぐる回していきましょう。
 
距離だけではなく、露出もファインダー内で、一目でわかるようになっています。右の針が露出計で、○に合えば露出が合っているという明確さ。何本かフィルムを撮ってみて、明るすぎたり暗すぎたりという露出の失敗は一枚もありませんでした。

 

ファインダーは一見、普通のファインダーに見えますが、中に工夫が。

 

ファインダー内の様子です。枠が黄色く光っていてとても見やすく、山マークや人マークなど、感覚的にも分かりやすい表示となっています。右の針が○に合えば適正露出です。低い時は絞り、シャッタースピードの各ダイヤルを回して○に合わせます。


このように、ペトリカラー35は、ファインダー内で被写体を見ながら、そのまま距離・露出が合わせられるように工夫がされているカメラなのです。ローライ35とペトリカラー35は小さくてコンパクト、どちらも好きなカメラですが、思想がまったく違っていて面白い。わたしは以前、最初にカメラを使う人向けに、アグファオプティマをよく紹介していましたが、今ではペトリカラー35もいいな、と思っています。
 

実際に撮った写真をお見せしながら、説明していきたいと思います。

 

春の空を背景に撮った木。好きな色の感じです。これは無限遠で撮りましたが、ダイヤルを回していく左端(最初の方)なので、すぐに距離を合わせて撮ることができました。(ペトリカラー35・絞りF8・1/250秒・KodakGold200)

 

とんかつ屋さんで、とんかつを待つ途中に撮った一枚。街の様子がミニチュアみたいでいいと思ったのです。店の中は暗く外は明るく、窓は反射してうまく撮れるかどうか心配でしたが、ペトリカラー35の露出計を信じて撮りました。(ペトリカラー35・絞りF5.6・1/60秒・KodakGold200)

 

 

目があったような気がして、よく見てみると、ビルの手すりの外に可愛い何かが落ちていました。距離もしっかり合っていてよかったです。(ペトリカラー35・絞りF2.8・1/30秒・KodakGold200)

 

 

CP+の帰り道に撮った写真です。(ペトリカラー35・絞りF8・1/250秒・KodakGold200)

 

雨降りの水溜りを撮っていると、自転車が通りました。(ペトリカラー35・絞りF5.6・1/60秒・KodakGold200)

 

先日行った世界の中古カメラ市でも、おすすめの一台として紹介されていました。ペトリカラー35をカバンに入れていると、なんでもない毎日でも楽しみが増えます。初心者からベテランまでひろく楽しめるペトリカラー35、ぜひ、Jカメラでも探してみてください、

 

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