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本日のマイカメラ

第27話 ペンタックス auto110

2023/12/12
柊サナカ

ペンタックスオート110。小さいですが、楽しみは無限大。

 

先日、このコラムのPCTのイベント、J-カメラポップアップショップ『中古カメラバーゲン2023』に行ってきました。今年の会場は、東京銀座一丁目「NAKANO GINZA GALLERY」にて10月28日、29日、来年もきっとありますのでお楽しみに。抽選くじもあり、お祭りみたいに盛り上がりました。
 

カメラバーゲンで何が面白いかというと、新しいカメラやレンズの思いがけない出会いがあるというところですよね。まだ撮ったことのない未知のカメラが並んでいます。そんな中、わたしは110カメラを探していました。

 

110カメラとは……? という方に簡単に説明すると、一般的に想像するフィルムは35mmフィルムで、例のパトローネに入っています。フィルムの規格には110フィルムというものがありまして、35mmフィルムよりももっと小さいケースに入っています。6の数字が二つくっついたみたいな形です。あらかじめケースに入っているので、ただカメラに入れるだけでよしという安全設計。フィルムの装填時にうまくフィルムの先が噛んでいなくて、まったくフィルムが動いていなかったという悲劇的な失敗や、巻き戻しでフィルムがちぎれてしまったという悪夢を防げます。

 

110フィルム。大きさを比べてみてください。

 

このようにフィルムを装填します。入れるだけで装填完了。

 

わたしは以前、某所のジャンクかごの中から、ある110カメラを見つけ、よっしゃ! いいの買ったと鼻息荒く帰ったものの、結局、中の電子基盤がもうだめだったようで、シャッターは切れているような雰囲気の音だけして撮れず、勢い余ってまとめ買いした110フィルムだけが家に残っていたのです。
 

どこかによい110カメラはないものか……と思っていたら、一番出口側に出店していた、近江寫眞機店さんの店先にあって、(もうこれは運命かも!)と思いましたね。

 

触らせてもらいましたが、外観も綺麗で、交換レンズ二本付き、そのレンズも新品みたいにピカピカ。さて、おいくらですか……、と値札を見たら驚異の7700円。その瞬間「ください」と言っていました。近江寫眞機店では、こういったバザールの時でも保証つきで、それもありがたかったです。品揃えも面白かったので、また本店の方にも行きたいなと思いました。
→近江寫眞機店 https://oumishashinki.com/

 

レンズが交換できるのも楽しみの一つ。この他にもワインダーなど、豊富なアクセサリーがあるとか。


ペンタックスオート110、さっそく110フィルムを入れてみました。本当に手乗りのカメラ。ポケットにも楽々入ります。そして軽い! 驚いたことに、こんなに小さいんですが、きちんとした一眼レフなんですよ。覗くまで、ファインダーは単なる素通しだと思っていました。円を半分にしたようなスプリットがあり、それを合わせてピントを合わせる本格仕様です。レンズが極小のためか、レンズ内に絞りはないのですが、被写体の光量から、カメラ側でシャッタースピードを計算してくれる優れものです。
 

ペンタックスと言えば、わたしはアサヒペンタックスも愛用しています(→  https://photoandculture-tokyo.com/contents.php?i=122)。形も少し似てますね。このペンタックスオート110、小さいんですがただの小さなおもちゃではなく、ミニ一眼レフとして、しっかり撮る喜びを味わえるのがすごい。どうですポケットに一つ。

 

アサヒペンタックスと並べてみました。

 

そんなことを言って、またひいらぎは特殊フィルムのカメラをすすめてばかりで、と思う皆さん、現在、ロモグラフィーが安定して110フィルムを作っているのです。カラーは6種類、モノクロ1種類、わたしの好きなフィルム、ロモメトロポリスもあります。価格も1,080円(2023年現在)とこなれています。一度滅びてしまったものをロモグラフィーが復活させたとか。素晴らしいです。
https://shop.lomography.com/jp/film/110-film

 

ロモグラフィーが復刻してくれたのは本当にありがたい。


そうは言っても現像はどこで……と心配になりますよね。そもそも現像ラボが少なくなっている中で、110フィルムの現像をしてくれるところは、意外に少ないのが現状です。
 

そんな中で、強い味方がチャンプカメラの郵送現像。これが本当にいいサービスだったのでみなさんにも広くお知らせしたいです。まずチャンプカメラにそのままフィルムを送るのではなく、ホームページから受付となっているのでお気をつけて。こちらの受付で、仕上がりなども細かく選べます。価格などもお確かめください。

https://champcamera.co.jp/service/?id=postorder
 

チャンプカメラでは追跡のできる宅配便を勧めていましたが、わたしはプチプチでくるんでレターパックに入れて送りました。110フィルムは高さが三センチ以下なので、レターパックに入れられます。今回はお試しで一本のみ送りました。これで数本分まとめて送るのも良さそうです。
 

驚いたことに、届いた日に即日現像終了、次の日すぐにフィルムが戻ってきました。フィルムの扱いについては、年代の差か、知らない人はとことん知らないものです。でもチャンプカメラのこの完璧な包装をご覧ください。顔が見えない郵送現像でも安心感が違いますね。

 

郵送現像での、チャンプカメラの厳重な包装。丁寧な厚紙の補強+プチプチで安心です。フィルムユーザーの強い味方ですね。
 

QRコードを読みこめば、すぐにダウンロードできるという便利な仕様で、支払いは代引きです。

フィルムも安定して手に入り、現像も手軽にできるとなれば、こんな楽しい110フィルムライフを始めない手はありません。これからペンタックスオート110を、いつも鞄に入れておいて何か撮ろうと思います。

 

 

ペンタックスオート110での写真。けっこうクリアに写りますよね。鬼子母神の境内。(Pentax auto110,2021 LomoChrome Metropolis 110)

 

鬼子母神参道(Pentax auto110,2021 LomoChrome Metropolis 110)

 

高架下。(Pentax auto110,2021 LomoChrome Metropolis 110)

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