ロモ ホライゾンコンパクト。パノラマカメラで120度を写しこめる魅力的なカメラ。外観はこの通り綺麗です。
よくオークションサイトなどで見かけるこの言葉「動作未確認」。みなさんは、動作未確認のカメラを買ったことがありますか。
わたしは以前、フリーマーケットか何かでテンションが上がって、ロモのパノラマカメラ、ホライゾンコンパクトを衝動買いしました。もちろん購入したのがフリーマーケットですから、カメラ専門店とは違います。激安ではありますが、動作は未確認のフィルムカメラ。それならば自分で動作を確認するしかないのです。
ところでみなさんは動作未確認のカメラを、どのようにチェックしているのでしょうか。
わたしがジャンクワゴンなどで、動作未確認のフィルムカメラを買う場合は、
- ・外観を確かめる――裏蓋が歪んでいて閉まらないとか、錆びているとか、電池を使用するものなら電池の液漏れがないか、モルトを使っているカメラならモルトが傷んでいないかをチェックします。レンズもカビ・ホコリ・曇りがどの程度かを見ます。
- ・シャッターの確認――裏蓋を開けて、明るい方へ向け、シャッターが動作しているかどうか確認します。ちゃんとシャッターが動作しているならば、一瞬、光が見えます。切れたら、シャッターの速度を変えてみます。同時に、巻き上げに異常がないかも見ます。
- ・露出計の確認――露出計があるなら、手をかざしたり明るいところへ向けたりして光を遮ったり当てたりし、ちゃんと露出計が動いているかどうか見ます。
まあ、わたしもここ数年はカメラ市の常連、動作未確認のチェックなどお手の物です。ロモのホライゾンコンパクトの外観は綺麗で、どこも傷んでいるところはありません。
ファインダーも綺麗ですし、がたつきもありません。
上からもチェック。露出計やシャッタースピードのつまみがないぶん、チェックは楽です。
ファインダーも綺麗だし、シャッターも光の方へ向けて切ってみましたが、ちゃんと切れました。ホライゾンコンパクトは電池を使わないタイプのカメラです。ジーッという音がしてパノラマカメラ特有の、端から端までスリットが動いて、写しこむような動きをします。よし、買おうとお財布を取り出しました。
電池を使用するものは、中の電池が腐食してひどいことになっているカメラもあります。こちらは電池なしなので安心です。
ただ、動作未確認カメラを買ったあと、本当にそのカメラが動作するかどうかはフィルムを通さないとわかりません。大昔のように百円均一の店でフィルムが買えた時代ならいざしらず、下手したら数千円もするフィルムでテストするのはお財布にやさしくない。そう思って、このホライゾンコンパクトを買ったものの、防湿庫に置いたままにしておいたのです。今回は、購入時のわたしのチェックが、果たして正しかったのか検証してみたいと思います。
裏蓋を開けて中もチェック。モルト等のはがれもありません。
明かりの方へ向けてシャッターが切れるかを確かめます。このとおりきちんと切れ、動作を確認できました。
このホライゾンコンパクトはフィルムの通し方が変わっていて、下から通すようにしてフィルムを装填します。
フィルムの通し方が独特なカメラです。下に通すようにして巻き込みます。さて、チェックはいかに。
よくカメラのテストをする河川敷までやってきて、縦横、いろいろ写真を撮ってみました。ホライゾンコンパクトは問題なく動き、きちんとメーターも回ります。撮れたフィルムをDPE店にお願いしてみました。
さて結果はいかに。
作例1
作例2
シャッターは問題なく動いたはずなのですが、どう見ても全ての写真が明るすぎる。気絶する前の視界のようです。このホライゾンコンパクトはシャッタースピードと絞りは固定なので、調節しようがありません。本当はシャッタースピード(スリットの動き)がもっと速いはずなのに、不具合でゆっくりになっているものと思われます。安く買えたはずなのに、これは修理に出す必要がありそう……。無念です。
カメラ専門店のカメラは多少お高いですが、その分、きちんと整備がなされていたり、動作も確認済みだったりします。初期不良であれば返品・返金にも応じてくれるところも。
性能を見極める確かな目さえあればお買い得な「動作未確認」カメラ。特に、この記事をお読みになったフィルムカメラ初心者の皆さんは、動作未確認カメラに飛びつくとどうなるかということを、教訓として覚えていただきたいと思います……。
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