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本日のマイカメラ

第10話 ローライフレックス4×4(ベビーローライ)

2022/08/02
柊サナカ

写真展の中には、一回きりや不定期ではなく、毎年、定期開催されるものがあります。その中で、カメラしばりの写真展(例えば「ニコンF展」「ミノックス展」等)があったら、個人的に、ぜひおすすめしたいです。

 

「カメラが好き」と言っても大きく分けて、「どちらかというと写真好き」「どちらかというと機材好き」の二つに分けられると思いますが、そういったカメラしばりの写真展は、写真好き、機材好きどちらの人も満足する熱量があるような気がします。出展している方の機材愛もすごければ、写真も上手いことに毎回驚きます。

 

その中でわたしがとても注目しているのは「4×4 Photography」展です。こちらも毎年、定期的に開催されている写真展です。
フィルムカメラブームで、1、2年はまって、すぐに飽きてカメラを売り払ってしまうということも往々にしてあろうかと思いますが、「4×4」展は今年でもう6回目。6回目というと、単純計算で少なくとも6年以上、子供が小学生に入学したら卒業するまでくらいの期間、その機材にひたむきに愛を注いできたということ。
しかも「4×4」展は、ベスト判、127フィルムを使います。一般的な中判のブローニーフィルムよりずっと幅が狭いのです。
ということで、現像・プリントを受け付けてくれるところは、日本でもプロラボくらいしかなく、ほとんどの方が自家現像や暗室での手焼きをなさっている様子。この時代にあえての「4×4」のカメラ、あえての127フィルム。それはもう、機材に対しての深い愛がなければできませんよね?

 

4×4界隈が熱いのはわたしもよく知っていて、よいベビーローライがあればわたしも欲しいな……とひそかに思っていたところに、カメラ好きの知人から「カメラ市で戦前ベビーローライのいいのがあった」と教えてもらいました。
カメラ市最終日にいそいそと出かけて行くも、脳内には(127フィルムか……)と不安が渦巻きます。果たしてわたしにベスト判のカメラは扱えるのでしょうか? 素敵な文鎮となってしまわないでしょうか。

 

カメラ市出展中の、スキヤカメラさんに見せてもらいます。よく子猫でも(抱き上げたらもうメロメロになってしまった)ということがあるらしいですが、そのベビーローライの可愛いこと。小さいものというと、オモチャっぽく小さいということもあるかと思うのですが、このベビーローライに関しては、そんなことはまったくない精密さ。小さくて可愛い賢い機械、という感じがして、佇まいからしてもう完全にやられましたね。

 

でもその場のノリで「買います!」と即決してはいけません。子猫も子犬もカメラも同じく、よくよく考え抜いてから家に連れて帰るべき。わたくし恒例の、頭を冷やす時間が必要です。そのままふらふらと、東武百貨店屋上へ。

 

ビルの最上階から、はるか下の地上を俯瞰しつつ、(今、こうやって往来を歩いている人はスマホのカメラしか使っていない人がほとんどだろう。大多数の人はスマホのカメラで事足りる。手持ちの機材ももうたくさんあるというのに、買いすぎは良くない。人間、足ることを知らなければならない。よし、最後に見て今日は帰ろう。それでまた欲しくなれば探せばいいのだ。人間引き際が大事)と結論を出し、最後にもう一回だけ見て帰ろうとスキヤカメラへ向かいました。

 

するとスキヤカメラの前に、スーツケースを引いた、いかにも……という感じの方がケースの前に陣取り、ケースの中のカメラについて、ひとつひとつ、熱心に相場をスマホで調べておいででした。そう、そのベビーローライは相場よりは安い、買われちゃうの? このお方に……? と思った瞬間。
「さっき見てたベビーローライをください」とハキハキ言っていました。

 

 

ローライフレックス4×4(ベビーローライ)。持ってよし、撮ってよしの可愛いカメラです。

 

背面はこんな感じです。後ろにバッジが付いていました。これは、実在するカメラ店のバッジのようです。歴史を感じます。 

 

 

というわけで手に入れたのがこの戦前ベビーローライです。

 

後悔はありません。

 

これだけ小さければ鞄にも楽々入ります。レンズポーチにも入ったので、当面はレンズポーチをインナーバッグとして持ち運ぶことに。ストラップがないと怖いので、とりあえずのフィンガーストラップも付けてみました。ストラップはくせ者だと思っていて、たまにSNSでもストラップが切れてしまい、カメラが道路に落下したという、聞いただけで貧血を起こして倒れそうな報告を見かけます。なので、古い革製品が好きなわたくしですが、ストラップに関してだけは、何があろうとも現行の、信用のおけるメーカー、強度のしっかりしたものを選ぶようにしています。

 

127フィルムは、フィルムユーザーの強い味方、かわうそ商店で買いました。
(「かわうそ商店」127フィルムのご購入はこちらから→https://kawauso.biz/products/list.php?category_id=17
フィルムカウンターをリセットする、側面のボタンを必ず押さなければならない、ということも聞いていて、こわごわ押してみると、チャッ! という感じで数字がリセットされました。このリセットされるところ、個人的にとても可愛い動きだと思うので、ぜひ見ていただきたい。
ファインダーはちょっと暗めですが、そのことにも戦前からの歴史を感じます。今、ひとつの歴史が手の中にあるのだなあと思うと感慨深いです。(その後、ファインダースクリーンを新しいものに交換してもらいました。ものすごく見やすくなって満足です)

 

 

127フィルム。かわうそ商店で買いました。

 

 

買ったばかりのベビーローライを手に、「4×4 Photography」展にも行ってきました。まず展示作品のハイレベルさに驚きます。カメラの形が可愛いから、オモチャみたいなものかな? と思っている方は、ぜひ来年行って、ご自分の目で確かめていただきたい。きっと驚かれることでしょう。
主催で出展者の森崎美佳さんから、いろいろ機材に関してのお話も聞けました。森崎さんは、ストラップはピークデザインのものをお使いでした(外せて便利)。
そして革ケース。わたしは肩から吊って使う、速写タイプの革ケースは、強度が心配なので、可愛いけど使うのはやめておこうと思っていました。
でもこの森崎さんの、手持ち型、ベビーローライ純正革ケースのラブリーなこと! 「女性用だったのかも……」という話になりました。確かに、ハンドバッグみたいですよね。これは欲しい……。


赤窓の遮光のこともお聞きしたり、コーヒー現像の話も。展示も楽しいし、機材の話も楽しいしで二倍楽しい、よい展示でした。「4×4 Photography」展は来年も開催されますし、わたしもできたら、この新しく手に入れたベビーローライで参加させていただきたいなと思っています。4×4に興味のある方はぜひ、来年6月あたりの「4×4 Photography」へ。行ったらぜったい4×4カメラが欲しくなるに違いありません。

 

 

「4×4 Photography」展にて、森崎さんに見せていただいた純正ケース。可愛い……。

 

「4×4 Photography」展で。並んでいる様子も可愛いです。

 

撮れた写真。体育館。(Rolleiflex4×4、F3.5、1/60、RERAPan100S)

 

階段。(Rolleiflex4×4、F3.5 、1/60、RERAPan100S)

 

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