ニューミゼットⅡ型。サイズ比較にフィルムも置いてみました。どうです、可愛いでしょう。
かつて日本カメラ社があったころ、社内の棚卸しがあり、出てきたカメラをいただいたことがありました。これがそのカメラ、ミゼットカメラです。手乗りサイズの可愛さ!
こちらはニューミゼットⅡ型で、昭和十五年頃から作られていたカメラのよう。当時、日本ではこの豆カメラがたくさん作られていたそうです。この豆カメラ、どのくらい小さいかというと、片手で握って手のひらに隠せるくらいに小さいです。日本土産としても人気があったとか。
箱も小さいです。
上から。小さくても、きちんと巻き上げができるようになっていて、カメラとしての機能はちゃんとしています。
とはいえ、飾りでしょう? と思われる方も多いと思います。わたしも最初は、こんなに小さいので、カメラの形をしたアクセサリーだと思っていました。それが、シャッターもしっかり動く、完動品だとわかってびっくり。レンズも、アナスチグマート1:4.5と表記があり、ただの飾りで入れてあるガラスではなく、前玉、後玉を貼り合わせてきちんと作られた本格仕様とのこと。どんな写真が撮れるか気になりますよね。
レンズシャッターで、きちんと動作します。
赤窓もついてます。遮光用のふたも完備。
裏蓋を開けてみたところです。
でもフィルムは? カメラ自体、35ミリフィルムと比べてもこの大きさです。このカメラに入るのはミゼット判フィルムだということがわかりました。カートリッジではなく、ブローニーフィルムのように、裏紙があって巻物のようになっている種類のフィルムです。
スプールと35ミリフィルムの大きさを比べてみました。
このフィルム、残念ながら、どうやらどこのカメラ店でも、もう取り扱っていないようなのです。2018年にこのカメラを手に入れた当時にも、ミゼットフィルムを探しにあちこち行ってみました。小さなフォーマットのカメラ類にも詳しそうな、恵比寿の大沢カメラ店で聞いてみたら「いやー、ミゼット判のフィルムはないですねえ。今はどこも扱ってないんじゃないかな」と言われました。
最終的には、マップカメラに一つだけ在庫で残っていた、期限切れのミゼットフィルム(モノクロ)を手に入れることに成功しました。田中商会で復刻したフィルムということです。こんなにも小さいフィルムですが、金属のしっかりしたスプールがついています。スプールには裏紙もついていて、フィルムが何枚目かもカウントできるようになっています。ミニチュアですが、挙動は普通サイズのカメラと基本的には変わることはありません。
こちらが田中商会復刻のフィルム。小さいですね。
専用幅のリールを譲っていただけたので、自家現像しています。
うまく現像できているでしょうか……!
今となってはカラー自家現像もできるようになったので、今回もまたミゼット判のフィルムを探そうと思ったのですが、オークション等で、どこを探しても今回は見つけられず……残念ですが、2018年の時点に撮った、モノクロの写真をお送りします。
こちら撮れた写真です。すすき。(ニューミゼットⅡ型)
フィルムに傷は入っていますが、けっこう鮮明に写って驚きました。
ミゼット判は、ブローニーフィルムを切り出しても使えるそうで、自分でなんとかできないかとも思っています。
カメラの首飾りやバッグチャームとしても可愛いので、速写ケースなどを手に入れて、提げて歩きたいですね。
公園。(ニューミゼットⅡ型)
柳の木。(ニューミゼットⅡ型)
道(ニューミゼットⅡ型)
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