本日のマイカメラ

第28話 SIGMA fp

2024/01/16
柊サナカ

大きさは手のひらサイズですが機能はフルサイズ。持っているだけで気分が上がるSIGMA fp。

 

 

みなさん、オールドレンズを使うためのデジタルカメラは持っていらっしゃるのでしょうか。わたしは長年SONYのα7Ⅱを愛用しています。今でもアダプターをライカM、L、M42、F、タムロン、シネレンズ……等々いろいろ揃えて便利に使っています。アダプターがどこでも買いやすいのは本当に助かりますよね。
 

使って数年経つので、そろそろフルサイズのデジタルカメラを新調したいなと思うようになりました。わたしが撮るのはフィルムが主ですが、そうなるとなかなか出番のないレンズも出てきます。デジタルでも、もっと気軽に使うことができたら面白いだろう、というわけで、いろいろ調べて探しました。この買う前の調べる期間も楽しいですね。

 

<条件として>
・小さいこと  GR Ⅲxとフィルムカメラ、そこへプラスしてもう一台持つつもりなので、あまりかさばるものは困る。
・可愛いこと やっぱりデザインが好きなものがいいです。
・できたら動画も 最近動画にはまっています。わたしの撮るものは、写真の延長線上の短い動画ですが、いいのが撮れたら嬉しいです。新しい趣味の世界が広がるのではないかと。
・いわゆるオールドレンズ(主にライカMマウント)をつけられるもの。

 

そこでSIGMA fpにしました。大きくトリミングしても画像が綺麗なままという、6,100万画素のfp Lと最後まで迷いました。6100万画素あれば写真の一部を拡大しても綺麗なままなので、望遠レンズもいらなくなるほどだそう。でも冷静に考えて、渓谷やジャングルなどの雄大な景色も撮らないし、遠くのものを拡大したりもそうそうしないので、果たしてわたしに6100万画素まで必要なのだろうかと。使うレンズも年代が古いものだし……と買う直前に思い直し、普段使い慣れているカメラと同じくらいの、2460万画素のfpの方にしました。

 

斜めから見てもかわいい。シンプルな潔さが好きです。

 

わたしの場合、カメラを少なくとも半年くらいは毎日まめに持ち出して使わないと、本当の意味で仲良くなれた、わかり合えたとは言えないので、今回は持ってみて一週間の時点での感想と言うところです。

 

まず、SIGMA fpの無駄がそぎ落とされた見た目の美しさ、フォントにもこだわった全体のスタイリッシュさに機能美を感じました。触り心地にも高級感があります。ミニマムな形からどんどん上下左右に機能を拡張できるという土台の確かさを感じます。わたしはGRもそうですが、ローライ35あたりの角ばった形に特別な美しさを感じるようです。
 

持ってみたら本当に手のひらに載るくらい小さい。しかも軽いです。軽いことは正義。これなら持ち歩きも苦になりません。プライベート、仕事でも毎日一番使っているのがGR Ⅲxなので、その大きさがわたしにとっての最適な大きさなのだと思います。(それ以上だと頑張る感じが出る)。縦吊りにして一日提げていても肩こりしません。

 

縦吊り大好き。縦吊り用のパーツもあるようなので探してみます。SIGMA fpにはいろんなパーツが売られているので、自分好みに増築していくのもおもしろいところ。 

 

セットで購入したレンズ、45mm F2.8 DG DNのフードも美しく、カメラとしての佇まいが好きです。首から提げるならシュッとしたスタイリッシュなカメラを提げたいものです。

 

わたしは、レンズは作られた年代のものと合わせるのが一番良い組み合わせだと思っていて、フィルム時代に作られたレンズは、やはりフィルムで撮るのが一番いいだろうと思っています。それでも、フィルムを湯水のように使うには財力が心もとない。レンズを死蔵させてしまうよりは、毎日ガンガン使ったほうがいいだろうと思ってのデジタルです。
 

というわけで、SIGMA fpのボディの方に時代が合った現行レンズも欲しくなり、今回45mm F2.8 DG DNがセットになったものを買いました。このレンズ、45mm F2.8 DG DNが実に良かった。本当に何でも撮れてびっくり。フルサイズの恩恵を余すところなく受けられます。夜に持ち出したところ、暗いところの階調からネオンの明るさまで本当によく写るなあと。夜の公衆電話に反射した光のとろみ感とかもたいへん好みです。写る色味も背面のボタンで選べるようになっていて、その色の解釈みたいなものも本当におしゃれで楽しいです。

 

まずSIGMA fpを使ってみて、いいなと思ったのはスイッチ類です。オンもオフもカチリ! というスイッチで、ボタンではありません。始まるで! 終わりやで! と潔い。一切の曖昧さがないマキタなどの工具のよう。動画と写真の切り替えスイッチもあります。動画と写真を一瞬で切り替えることができて、これは楽しいなと。最近動画を撮ることにも興味がわいてきているので、設定をメニューでいろいろ切り替えることなく、上部のスイッチひとつですぐに動画が撮れる、このSIGMA fpはぴったりでした。普段撮るのは写真だけという人も、SIGMA fpを一度持てば、動画も始めたくなっちゃうんじゃないでしょうか。

 

上から。フォントとかも凝ってますよね。カチン! と切り替えるスイッチ大好き。

 

裏もすっきりしていていい。デザインの勝利。 

 

あと合わせて買ったのが焦点工房のヘリコイド付き、SHOTEN マウントアダプター LM-LSL M(ライカMマウントレンズ用)こちら二万円を超えていて、正直(高い輪っかだなあ……)と値段で迷いましたが、このヘリコイドの少しの繰り出し一つで寄って撮れるようになったのは大正解でした。エルマー35mmは、最短撮影距離1メートルなのです。テーブルの上を撮ろうと思ったら隣のテーブルまで「すみません」と謝りつつそばまで行ってちょうどいいくらい。それでも皿は小さく写ります。それがこのヘリコイドで自分の前の皿が撮れるようになったとは。迷ったけれども買って良かった。これをM3でやろうと思ったら、かっこいいですけど、やたら重いビゾフレックスを持ち出さなくてはいけません。ヘリコイドつきアダプターは偉大です。

 

SHOTEN マウントアダプター LM-LSL M(ライカMマウントレンズ用)

あちこちのレビューで、何も考えなくていいからとりあえず買っておけ! という勢いのものが多く、(ええ……お高い…)と迷いましたが、買って正解でした。

 

SHOTEN マウントアダプター LM-LSL M(ライカMマウントレンズ用)

この少しの繰り出しでもう、世界が楽しくなるので、SIGMA fpを新しく買う人で、ライカMマウントのレンズを持っている人には。わたしも「何も考えなくていいからとりあえず買っておけ!」という勢いですすめます。

 

レンズはエルマー35mmです。本体の小ささがわかると思います。つけた雰囲気も好きです。

 

<気になったところ>
バッテリーのもちは聞いていたとおり、あまり良くありません。最初、現行レンズ45mm F2.8 DG DNをつけて動画もいろいろ撮っていたので、一時間歩きまわって撮影して、バッテリーの残量が三分の二近くのところまで減っていました。しかし、いわゆるオールドレンズをつけて、マニュアルで撮っているとバッテリーはたっぷり一日保ちました。使う人によるかもしれませんが、外出して撮り歩くくらいなら、それほど気にならないくらいではないでしょうか。(連写するタイプの人にはバッテリーひとつでは心もとないかもと思います)
 

最初に予備バッテリーひとつと充電器を買っておいたので、バッテリーを交換しつつ使うつもりです。でもまあ、人間がコーヒーを飲むタイミングで、SIGMA fpもバッテリー交換みたいな雰囲気で使えば問題ないだろうと思います。山ごもりとか秘境探検とかもあまりしない方なので、わたしにはそう大きなデメリットではありません。

 

あとSIGMA fpの動画モードには手ブレ補正機能がありません。構えに慣れている写真の撮影では夜間でも大丈夫でしたが、動画を撮影してみて、始めて自分がこんなに手ブレする人間だと思い知りました。石のように不動の構えで撮っていたはずが、細かい揺れが目立ちます。撮れる動画は映画のように美しいので、今度からはネックストラップをピンと張ったりして手ブレしない構えを練習しつつ、一方でジンバルも欲しいなと思い始めています。

 

SIGMA fpで撮った映像。私の理想とする、映画みたいな仕上がりに。(SIGMA fp, 45mm F2.8 DG DN) 

 

よく聞くフリッカーって何だろう? と思っていました。夜に撮ろうと歩いていたら、ある特定の照明の下ではしましまが出て、これがそうか、と思いました。電子シャッターで、メカシャッターがないSIGMA fpはここが弱点と言えば弱点なのだそうですが、たいていカメラは複数台持ち歩いているので、しましまが出る場合は違うので撮ります。

 

よって、たぶんこのSIGMA fpは、これ一台だけあったらオールマイティーになんでも良く撮れる、最初の一台にオススメ! という種類のカメラではないかもしれません。能力の凸凹はたしかにあります。でもその凸部分が合う人(自分から合わせられる人?)には最高の相棒になり得るのではないかと。わたしは凸凹のあるカメラも凸凹のある人も好きなので、SIGMA fpを購入して良かったです。なんならわたしのほうが喜んでSIGMA fpに合わせます。
 

これからデジタル環境がGR ⅢとGR Ⅲx(頼れる定番)、SONY α7Ⅱ(今まで集めたマウントアダプターは財産、レンズも資産)、SIGMA fp(45mm F2.8 DG DNと、主にライカMマウント大活躍)となりました。今後の写真撮影が楽しみです。

 

SIGMA fpで撮った写真。赤羽夜の街。(SIGMA fp, 45mm F2.8 DG DN)

 

SIGMA fpで撮った写真。夜の公衆電話。(SIGMA fp, 45mm F2.8 DG DN)

 

SIGMA fpで撮った写真。エルマー35mmをつけてみました。KITTEの局長室(SIGMA fp, Elmar 35mm)

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