top コラム本日のマイカメラ第26話 キヤノン PowerShot V10

本日のマイカメラ

第26話 キヤノン PowerShot V10

2023/11/14
柊サナカ

PowerShot V10。驚くほどに軽い。

 

 

このコラム「本日のマイカメラ」ではフィルムカメラを多く取り上げています。柊はフィルムカメラをひいきしすぎなのでは……? といぶかる向きもいらっしゃるかと思いますが、カメラならフィルムもデジタルもどちらも好きです。どちらにも良さがあると思います。

 

今回は、新しく購入したデジタルカメラについて。その名もキヤノンのVlogカメラ、PowerShot V10。アナログ寄りのわたくし、Vlogがまず何なのかを調べましたよね……。”Vlogとは、日常風景や旅先での思い出を映像で記録する動画コンテンツジャンルのこと”とあります。SNSは多少やりますが、どうしたって文字が中心で、写真が少々。インスタのリールなどは扱いがよくわからなくてほとんど放置、今まで動画に対してはまったく興味がありませんでした。

 

このたび、某所で自己PR動画を提出しなければならず、それが売り上げにも微妙に関わってきそうなので、俄然やる気が出てきました。カメラを買う口実ができた、とばかりに動画撮影に強いカメラのジャンルを探すことに。Vlogカメラと言っても、形状はいろいろで、いわゆる一眼レフ的な形をしたカメラもあります。これにオールドレンズやシネレンズをつけて……、と心惹かれましたがそれらは十万円前後、ちょっと動画をお試しでというには少し思い切った値段になります。
 

そこで検討した結果、こちらのキヤノン、PowerShot V10を購入することにしました。

 

まず驚いたのはその携帯性です。箱の中に何も入っていないのでは、と慌てるくらいに軽いのです。軽いとはいえ、表面の質感には高級感があります。フィルムと比べたらその大きさがわかります。ちょっとポケットに入れておいても大丈夫なほど。ストラップで首から提げていてもまったく負担がないほどの重さです。

 

ポケットに入る程度の薄いボディ。

 

このPowerShot V10、本当によく考えられているな、と思ったのはマイクとスタンドがあらかじめ内蔵されていること。このスタンドが秀逸で、たたんだときにはどこにもでっぱりがなく、俯瞰(前傾)、水平、アオリ、どんな向きにもぴたっと安定して止まります。これで、ミニ三脚を旅先にまで持ち歩く必要がありません。マイクも内蔵型なので邪魔にならないのがいい。わたしはやはりメイン機はフィルムカメラとリコーGRになると思うので、動画のカメラまで大きなものは、いっしょに持ち歩けません。併用して使うとなると、やはり小さいことは正義ですね。いつも鞄に入れて気軽に動画を撮るようになりました。

 

レンズはF2.8、広角で19ミリ相当とのこと。広角となると、顔とか身体がゆがむのでは? と敬遠する人もいるかもしれませんが、自撮りすることを最初から想定したカメラなので、手持ちで自撮りしても顔がゆがむことなく写せました。ちょうど自分とその周りがほどよく写る感じなのがいいです。PR動画で、まずポメラを打つ手元のカット→少し引いてポメラを打つ上半身というように撮りました。どちらも特別な三脚など要らず撮影できました。ピントもピタッと合うのでストレスはありません。
 

秀逸なスタンド。このスタンドがあることで、どこでも気軽に撮れます。

 

スタンドは前にも倒せます。

 

数名の会食で長テーブルを囲んでいるときにも、端っこに置いておくと、テーブルの端から手前まで、かなりの範囲が入ります。ざわざわしていた店内ですが、テーブルの声もきちんと録れました。記念撮影動画的な使い方もできますね。
 

他にも、カメラ関係で言えばカメラの修理動画を撮りたいという方、手元でカメラ動作の様子を撮りたいという方にもぴったりだと思います。購入を機に、ショート動画デビューなさるのも面白いのではないでしょうか。わたしは使いませんが、動画配信もできるそう。趣味に寄り添うカメラですね。料理動画なんかもいい感じに撮れるはず。

 

稼働するモニターにより自撮りもしやすい。タッチパネル式です。

 

ステレオマイクの性能もよく、がやがやした店内でもよく声を拾ってくれます。 

 

デジタル製品は慣れるまでにとにかく時間がかかるものですが、PowerShot V10は、あまりデジタルが得意でないわたしでも、その日のうちに動画が撮れるほど操作が簡単でした。Bluetooth接続もWi-Fi接続も、びっくりするくらいに簡単に接続できます。一昔前ならカメラとスマホの接続が複雑で、四苦八苦していたことを思うと、本当に楽になりました。今日買えば、その日のうちにいい感じの動画を完成できます。お子さんが生まれた家や、可愛いペットがいるお家にも強くおすすめできます。

 

ただ、映画のように開放で後ろを綺麗にぼかしたりということは難しいようです。あと、子供などに渡すとついついレンズ部分を触ってしまいがちです。指紋がつくと全体がソフトフォーカスみたいになってしまうので、レンズが綺麗かは、こまめにチェックした方がよさそうでした。
 

もし使わなくなったらどうする……ということまで考えました。PowerShot V10は、ウェブ会議のカメラとしても使えるので、買ったものの使い道がなくてしまい込んでしまう、ということもなさそうです。今後のウェブ会議は高画質でのぞみます。

 

パソコンでつなぐことでウェブカメラにもなります。

 

あと、一番いいなと思ったのは、最近カメラを町中で構えていると、怒られたりすることがあるじゃないですか。わたしも船着き場で(何を撮っているんだ)と叱られた経験があります。ストリートスナップには難しい時代になりました。ところがこのPowerShot V10、形がカメラではなく、レンズも目立たず、大きさも手のひらサイズなので、ちょっとスマホで地図を調べていますよ? みたいな雰囲気です。撮りながら町を歩いていても、こちらに注目する人もいません。風景にうまく溶け込めるカメラのように思えます。

 

いままで写真派だったけれど、動画もはじめてみるか、という方におすすめしたいPowerShot V10、いかがでしょうか。写真+動画というのもなかなか面白いです。

 

大げさなビデオカメラを持っていくほどではないけれど、何か撮りたいというときに、カメラにプラスしたい一台。

柊家の、しまどじょうと川エビをどうぞ。

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