本日のマイカメラ

第51話 LOMO LC-A

2025/12/16

柊サナカ

^{久しぶりに撮ってみて、街歩きがとても楽しくなりました。ロモのフィルム、“LomoChrome Color ’92 ISO400”がぴったりです。なんでもない街が良い感じに。（以下全ての写真、LOMO LC-A LomoChrome Color’92 ISO400）}

みなさま、自分で買った最初のカメラ、覚えていますか。

今でさえ家にこんなにカメラが増えていますが、わたしの最初のカメラは、20代の時に書店で買ったLOMO LC-Aだったのです。

^{LOMO LC-A 。大好きなカメラです。キャラクターのロモ蔵くん、懐かしいです。}

あれから時が過ぎ、わたしも年を取りました。いろんなカメラを買ううちに、防湿コンテナがいっぱいになってしまって、数年前、一度手放すことに。
　

それでも折に触れて、LOMO LC-Aのことは思い出していました。

わたしは一度売ったカメラをもう一度使いたくなって、よく買い戻しています。（わたし、何やっているんだろう）とは思いますが、見かけたらどうしても懐かしくなってしまう。

先日、PCTの中古カメラバーゲンが開かれ、その中で北海道から出店したinherit camera（インヘリットカメラ）で、LOMO LC-Aが売られているのを発見。懐かしさのあまり立ち止まってしまいました。また、一度売ったカメラを買い戻すのか……とは思いましたが、ここで出会ってしまうと、もう立ち去ることはできません。

LOMO LC-A、再び使ってみると、いろんなカメラを経験した分、その動作の軽快性にホッとします。性能は限られていて、自動巻き上げやオートフォーカスとは無縁です。

^{上から。機能はいたってシンプルです。}

カリカリと巻き上げて、大体の距離をレバーで合わせ、面白そうなものがあったらシャッターを切る。露出はオートなので、カメラ任せでいいのも気楽です。

^{距離を合わせるレバー。}

カメラ自体、小さくてポケットにも入ります。道を歩いていて、いい形の落ち葉が落ちていたらさっと取り出して撮る。レンズはスライド蓋が閉まるようになっているため、レンズキャップは要りません。ちなみに、スライド蓋が閉まっていたらシャッターは切れない仕様になっているのも良いですよね（よく蓋を閉めたままで撮ってしまうので）。

ロシアのカメラ、スメナも好きですが、LOMOはスメナと違い、総プラスチックではなく金属製（一部、硬質プラスチック）というのも高級感があっていい。　

露出はオートのため、電池が必要となります。ファインダーの中に灯りが点いて、一つの時はOK。左右に点くときには暗い時で、シャッター速度が1/30秒になるというしらせです。暗い時には、どこかの壁や電柱にもたれながら撮ったらいいし、手持ちで撮ってもそのブレが楽しかったりします。

^{ファインダーに灯りがついてお知らせ。わかりやすい。}

でも、トイカメラでしょう？　と思う向きもいらっしゃるかもしれませんが、特筆すべきはそのMINITAR 1 f2.8 32mmのレンズ描写です。かつて大ヒットしたのはわけがあります。

改めて買ったわけですが、使っていると本当に楽しい。20代の頃、このカメラを手に入れて、それこそ毎日のように撮っていたことを思い出します。初めての慣れない一人暮らしの、良き相棒だったのです。これが一眼レフの大きなカメラだったら、撮ることがまず最初に来て、何かを撮影するために出かけていたでしょう。露出やシャッタースピードの勉強もしたかも。