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柊サナカのカメラ沼

第31話レンズベビー「OMNIクリエイティブフィルターシステム」で虹色ボケを自在に

2024/04/02

柊サナカ

^{レンズベビーOMNIクリエイティブフィルターシステム、基本のセット。よく考えられていて、この持ち運びのポーチがとても使いやすいです。}

いわゆるオールドレンズの醍醐味とは、どこにあるのでしょう。写りもそうですが、変わった形のボケ、渦のようなぐるぐる、虹のようなフレア、意図しないゴーストなんかが出ると、（さすがオールドレンズ！!）と嬉しくなってしまいますよね。

「しっかり、綺麗に」を目標に設計したであろう、レンズ設計者が聞いたら頭を抱えることでしょうが、そうは言ってもフレアやゴーストは今や「エモい」とか「オールドレンズの味」みたいな感じで、むしろ喜ばしいこととして受け取られているように思います。もちろんわたしも大好物なので、ロシアレンズ等々も好きでよく使っています。

でもこの虹のようなフレア、意図的に出そうとしてもちょっと難しいというか、ここに出て欲しいというところには出なかったりしますよね。ここの隅にフレアを追加したいのに、光がいい感じに来ない……。天気が曇ってる……。そういうときは諦めるべきなのでしょうか。

そんなことを思いながらCP＋に行ってみたら、見慣れぬものを発見しました。透明な飴みたいな、魔法の棒みたいな何か。「これをレンズにかざしてみてください」と言われ、かざしたら、いきなり良い感じのキラキラが画面に現れた！　もしかして、エモい感じのフレアも、虹のようなにじみも、これがあると何でも出し放題なのでは？　フレアもゴーストも追加し放題の画期的大発明、さっそく帰ってケンコー・トキナーに注文したくらいに衝撃でした。

^{セット内容のワンド（棒）基本の三種類が入っていますが、どれも面白い。}

基本キットの箱には、おしゃれなフェルトのケースと、三本の棒（ワンド）が入っています。このワンドは手で持ってレンズの前にかざして撮っても良いですが、マグネットのアタッチメントをつけることによって、自由につけ外しできるようになっているのも発明だなと。お値段は、エフェクトワンドが三本入った基本キット、定価16,390円のものを購入しました。

^{クリスタルシーホースを装着。}

^{ストレッチグラスを装着。}

^{レインボーフィルムを装着。}

^{三種類全部装着することもできます。}

柊、気は確かかと思った向きもあろうかと思います。例えば、百均のセロハンなどを片手で持ってレンズにかざせば済む話だろうと。

しかし！　このレンズベビーOMNI、実にすばらしい工夫がなされているのです。まず円周になったマグネットであるアダプターリングをレンズに取り付けます。すると、好きな位置でエフェクトワンドを留めることができるようになるのです。このマグネットは強力なため、歩こうが走ろうが、強風が吹こうがびくともしません。角度もうまく保持できます。よって両手が空きます。
　

例えば、片手でセロハンを持ち、片手で撮影、うまくカメラをホールドできますか？　風が吹いたらセロハンがぴろぴろたなびくのでは？　夜など手ぶれしてしまうのでは？　なによりレンズベビーOMNIはスタイリッシュ、（あの人、なんかセロハン持って撮ってるプークスクス）などと後ろ指指される心配はありません。

^{縁に装着する以外も、延長するマグネットがあって、角度も自在です。（短）}

^{延長マグネット（長）。}　

都内一、エモーショナルに撮るのが難しいであろう赤羽の夜だって、レンズベビーOMNIがあればいつでも詩的な街角に。わたしはポートレイトを撮りませんが、誰かに街角に立ってもらってもいいですよね。激安の殿堂ドンキホーテ赤羽店の明かりさえ、おしゃれにやりすごすことができる気がします。

今回買った、基本キット中にあるエフェクトワンドは三種類。

・クリスタルシーホース

→水晶のタツノオトシゴの名の通り、透き通ったいびつなガラスの棒がついています。このいびつさが絶妙。光が反射してキラキラした表現に。夜には光を乱反射させ、はじけさせたり分裂させたり幻想的な表現に。

・ストレッチグラス

→曲面と直線の、かまぼこ形のワンド。これを使うといらないところをぼかしたり、光を入れたり、夜など光の雨を降らせることもできます。

・レインボーフィルム

→わたしは一番好きです。虹色の反射が写真にいろどりを与えます。いつでもどこでも夢の虹色フレア。

^{まず何も使っていないノーマルの画像から。どこにでもある公衆電話です。}

^{クリスタルシーホースを使用。ボケが生まれて、少し幻想的に。}

^{ストレッチグラスを使用。光の流れが生まれました。}

^{レインボーフィルムを使用。虹色の光が彩りを添えます。}

エフェクトワンドを二つ三つ組み合わせてもいいでしょうし、見慣れた風景がいきなり変化するのは面白いです。やりすぎると異次元に来たみたいな感じになりますが、加減を見ながら使うといい感じになりそう。
　

どこかおしゃれな場所に出かけないといい写真が撮れない……と思っている方には、ぜひおすすめしたいレンズベビーOMNIのキット。何を撮っても予想外、新鮮な気持ちで撮影にのぞめます。このレンズベビーOMNIのシリーズが気に入ったので、拡張キットであるエクスパンションパックの方も、後ほど手に入れようと思っています。いろんな種類があって面白そうですよ！