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柊サナカのカメラ沼

第22話 写真用マットとフレームの専門店「金丸真」で額装してもらう

2023/07/04
柊サナカ

みなさんのとっておきの写真って、どうしてますか。写真に限らず、サインを入れてもらったイラストとか、子どもが一番最初に書いたパパの絵とか、記念の絵はがきや優勝記念の写真とか、そういった、特別な一枚ってありますよね。バサッとどこかにまとめておくと、いつの間にか、見つけられなくなってしまったり。 


スマホの中にデータにして、大事にしまっておくのもいいかと思います。でもその一枚を、かけがえのない宝物にできる方法があります。“額装”です。

 

今回、わたしは、「エルマー35展」というグループ展に参加することにしました。主催者の写真家である加納満さんに、額装するならここ、ということで、写真用マットとフレームの専門店「金丸真」をおすすめされました(→https://www.kanamarushin.co.jp/)。「金丸真」は創業1971年、50年以上の歴史を持ち、多くの著名写真家の作品を額装、展覧会でもフレームを手がけてきたという老舗です。

 

写真用マットとフレームの専門店「金丸真」。額装の老舗です。


わたしも一枚、「エルマー35展」に出す自分の写真を持って、ウェブで来店予約し、金丸真まで行ってきました。

 

(ちなみに、ずっと前のことになりますが、わたしは写真の運搬で大失敗したことがあります。初めてだったのでよくわからず、写真をクリアファイルに入れ、鞄で運んで、せっかくの写真がうっすら曲がってしまったことがあるのです。写真も曲がりましたが、わたしもおおいに凹み、それからは大げさなくらいにクリアファイル+厚紙で補強+専用ケースで写真を持ち運ぶようになりました)


対応いただいたのは金丸真の担当、岩崎紀子さん。

写真をケースから出してスタートです。

 

まず決めるのがフレームの種類です。大きさはグループ展の規定で決まっているので、どの額にするか種類を選びます。種類は木製フレーム、アルミフレームなど、形、大きさ、いろいろそろっています。


実際に写真をフレームの中に置いたりして、雰囲気を見ます。額の枠の微妙な太さによっても、中身の写真がなんだか違って見えてくるのは不思議です。ニールセンの額など、いろいろある中で、わたしは金丸真のオリジナル額、「極」を選びました。なんとこちら、新幹線と同じ素材で作られている額なのだとか。剛健かつ美しい。

 

 オリジナル額「極」の美しい断面。

 

額の種類を決めたら次は色です。「極」の色は、黒・白・シルバーの三色です。わたしは額と言えば黒が多いのですが、白も綺麗ですよと教えていただきました。白の枠を当ててみると、これもまた新鮮でいい。悩みながらも、今回は黒を選びました。金丸真はオンラインでも発注できますが、こうやって額装のプロと相談しながら、実際に自分の写真と合わせてみて、実物を見ながら選べるというのはいいですね。

 

実際に写真を置いて雰囲気を確かめます。

 

純白の額もかっこいいですよね。


ちなみに、金丸真のすごいところは、自社でアルミフレームをカットできること。これによって、規定以外の特注サイズ額も素早く対応できるのだとか。例えばずっと横長とか縦長とか、作品に合わせて額を作るのも面白そうです。

 

老舗の強み、フレームをカットする機械。

 

額の色と種類が決まったら、次はマット(台紙)です。


写真といえば、フォトフレームが雑貨屋でも安く売られています。わたしも、写真にはまる前は、簡単に、ただフォトフレームにいれて写真を飾っていました。もちろん簡易なフォトフレームでも可愛いし、手軽でいいですが、例えば美術館で展示されている写真や絵画って、ちょっと違って見えますよね。「作品」感がある。額があって、真ん中に作品があり、それを取り囲むように厚紙の台紙があります。この額装用の台紙のことをマットといいます。


フォトフレームについては、悲しい思い出があります。簡易なフォトフレームに入れて、親戚の家で仏壇に飾っていた祖父母の写真が、湿気で写真とガラス面がひっついてしまって、どうにもならなくなってしまったのです。(仕方なく、ガラスごとスキャンして加工、デジタルデータにしましたが、大切な元の写真は、もうガラス面からどうやっても外れなくなってしまいました……)

日本の場合、特に湿気が多いので、大事な写真は心配です。でも、このマットがあることで、アクリル(ガラス)面、その次にマット、マットの凹みの中に写真、という形で空間ができ、大事な写真が守られます。マットには湿気を吸湿する働きもあるのだとか。祖父母の写真も早いうちに額装してもらっておけば良かったです。

 

この台紙であるマット自体にもいろいろな種類があります。国産オリジナルマット、ミュージアムボード(綿の繊維でできている台紙)等、色も素材も、価格もいろいろです。わたしは、マットの色は白と決めましたが、その白の中にもいろいろな色味があります。青っぽい白、生成り、等々。微妙な違いですが、一つ一つを写真に合わせてみると、まったく中の写真が違って見えたりします。岩崎さんに伺いながら、マットの実物を当て、どれがいいか吟味します。

 

マットの色、白は白でもいろんな白があります。

 

不思議なことに、マットの色で中の写真が少し違って見えます。

 

どの色にしようか、実際に当てて様子を見ます。

 

マットの種類と色を選んだら、オーバーマットかブックマット、どちらにするか決めます。


オーバーマットは、四角く穴の開いた平面のマットに、裏から専用のテープで写真を留めて固定し、額に入れるものです。それに対し、ブックマットは、文字通り本のように二つ折りで開くようになっていて、写真の四隅を特殊な紙で止めたものとなります。ブックマットでは、写真にいかなる糊状のものも使いませんので、時間が経っても変質しません。美術館などの展示ではブックマットがほとんどだそう。当然、マットの面積も広いため、ブックマットの方が高価になります。

わたしは今回、オーバーマットにしました。

 

ブックマットはこちらです。一度やってみたいですね。

 

まだ決めることがあります。マットの穴の大きさをどうするかです。これによって、写真の縁がどうなるかが変わります。これによっても、まったく雰囲気が変わるので悩ましい。写真の縁を出すか隠すか。わたしは暗室で焼いた写真で、黒縁がありました。その黒縁を出した方がかっこいいのでは、とアドバイスをいただきました。周りに7mmほど余白をとり、黒縁を出して額装してもらうことに。


下の余白をちょっと広めに空けて、そこにサインを入れる方もいるのだそう。サイン入れるのかっこいいな! と思いましたが、そのときサイン用の鉛筆を持っておらず断念。来年はサインを下にさらさらっと入れることにします。

 

写真の枠を出さない額装。

 

枠を出す額装。今回はこちらに。

 

マットを切る機械。

 

額装にかかった価格はこの通りです。


・フレーム代  

極フレーム 6600円

マット   1000

額装代   1000

計 8600円 

 

額装のプロに相談しながら、専門家の手でしっかり額装してもらって、この写真は一生の宝物になりました。


意外に思ったのですが、写真撮影を趣味にしている人でも、額装までする方は少ないのだとか。とっておきの一枚がある方、ぜひ金丸真さんへ。初心者にも優しく説明してくださいます。初めての方も歓迎とのこと。


自分で額装できる人でも、たくさんの種類の中から色味など合うものを、自分の目で見て選んでいくのは楽しいものです。たまにはプロ中のプロの手で額装してもらうのはいかがでしょう。 

 

わたしの額装してもらった写真実物は、ぜひ「エルマー35展」でご覧下さい!(祐天寺ペーパープールにて、7/5から23日まで。※要予約)

 

  • 写真用マットとフレームの専門店
  • 金丸真株式会社
  • ・大阪本社
    〒537-0024 大阪府大阪市東成区東小橋3-12-16
    tel.06-6971-2777 / fax.06-6971-2171
  • ・東京営業所
    〒116-0014 東京都荒川区東日暮里1-13-11
    tel.03-5615-1888 / fax.03-5615-1919
  • https://www.kanamarushin.co.jp/

 

  • ペーパープール gallery, darkroom and Cafe Bar
  • 東京都目黒区祐天寺2−16−10 たちばなビル2階
    TEL : 03-3713-2378
  • E-Mail: paperpool.info@gmail.com
  • https://paperpool.wixsite.com/paperpool

  • 【 営業時間 】
  • 水曜日 18:00〜22:00
    木曜日 18:00〜22:00
    金曜日 18:00〜22:00
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