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柊サナカのカメラ沼

第17話 わたしとフィルムの今後

2023/02/07
柊サナカ

新年早々、フィルム関係で衝撃的なニュースが飛び込んでまいりましたね……。

 

そのニュースとはコダックの値上げ。わたしは、カラーフィルムの定番として、かつてはフジフイルムのC200を常用していました。フィルムを決めておくと、気分的にも安心だし、レンズの差なども意識しやすくなるのではないかと思ってのことです。なくなったら都度、C200の10本セットを買って、それをストックから少しずつ使うというやり方をしていました。わたしの体感では、その10本セットが7千円から、高くても1万円を切るくらい。(そういう時もありましたよね……)


常用フィルムとは別に、珍味のように楽しむ変わり種フィルムもあり、それはかわうそ商店やロモグラフィーなどで購入しています。


ご存じの通り、フジのC200は、もうなくなってしまいました。困ったのが、次のフィルムの、何を常用フィルムにしようかということです。

 

次に常用としようと試みたのが、コダックの、ゴールド200。今もその10本組のストックが家にあります。色に温かみがあって、使いやすく、値段もこなれている――はずでした。


しかしここにきてコダックの値上げが、庶民の財布を直撃するのです。いや、それはまあ、今の時代、フィルムを製造してくれるだけでも、わたしとしては御の字です。それでも、さすがに苦しくなって参りました……。35ミリフィルムの36枚撮りで言えば、カラーポジフィルムのE100が一本、5,630円。エクター100が一本、3,410円。ポートラ800に至っては4,190円(2023年1月現在発表価格)。値上げラインアップにはコダックゴールドはないようですし、わたしはコダックゴールドを、常用フィルムとしてこれからも使い続けると思います。(今、ちらっと量販店Aをチェックしてみたところ、コダックゴールド10本組は、14,720円でした……)

 

いまのところ、常用フィルムのコダックゴールド200。

 

カメラの大先輩に話を伺うと、昔は百円均一の店でもフィルムがザクザク売られていた、という衝撃の話もあり、フィルムなんて湯水のように使えていたという思い出話も聞いています。周りを見てみても、年配のカメラ好きほど、デジタルカメラ移行が進んでいるような気もします。


ところが。


話に聞くところによると、昔のフィルム時代を知らない若い世代の人たちは、フィルムはもうそういうものだと最初から割り切って、高いのは承知で、楽しんで使っていらっしゃるとか。そうですよね、昔は乾板しか無かったのじゃ、と言われても、その時代のことは体感としてぴんと来ませんし、昔は昔で今は今なんだから、感覚も違って当たり前なのでしょう。


ここまでお読みになって、そうか、ひいらぎはとうとうフィルムを卒業するのか、とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。


いいえ。わたしはこの(フィルム高くなったから、フィルムカメラはもう売ろうかな)と市場に出てきたカメラとレンズを、トンビのように狙おうと思っているのです。


フィルムカメラがデジタルカメラに移行する過程のことは、わたしがカメラを本格的に始める前のことなので、はっきりと体感としては知らないのですが、デジタルカメラが急速に普及して、フィルムカメラが中古市場にどっと出てきた時期がありましたよね? ものが増えれば、当然、価格も下がる……?


ある意味、これからがフィルムカメラの始め時ではないでしょうか。

 

フィルムも高いのに? とお思いの方には、フィルムにはカラーだけでなくて、モノクロフィルムもあるということをお伝えしたいです。そうは言っても、自家現像はやったことないし、モノクロはラボの現像仕上がりの時間も長いし……と躊躇している読者の方に、強くおすすめしたいのが、イルフォードのモノクロフィルムでありながら、カラー現像(C41現像)ができるILFORD XP2 super400。これならラボに出しても、カラー現像なので、カラーフィルムと同じ時間で現像できます。

 

35ミリフィルムの、フィルムストック箱です。ベスト判もちらほら。

 

フィルム高騰のため、たまに期限切れフィルムを買うことも。その場合は、カラーではなく、モノクロを選んでいます。


いま、タイやインドネシアでもフィルムカメラブームなのか、カメラ店にやってくる外国人のお客さんの中でも、それらの国の方をよく見かけると聞いたことがあります。モノクロフィルムは、カラーフィルムよりも製造が比較的楽なのでしょうか、インディーズフィルムも、いろいろな国から発売されているようです。しかもモノクロフィルムは値段がこなれていて、カラーフィルムほどの価格帯ではない。カラーフィルムは高くなったとしても、モノクロフィルムはこれからも存在し続けることでしょう。


気になるのは、海外の映画用フィルムをカメラ用に転用する動きもあること。街のラボでどれだけ受け付けてくれるのか、現像に支障がないか、よく確認してから、こういったフィルムもいずれ試してみたいと思います。


なので、わたしがフィルムカメラを手放すのは、まだまだ先になりそうです。

 

そうまでして、なんでフィルムカメラを……(写真もたいして上手じゃないくせに)とお思いの向きもあろうかと思いますが、単に、わたしの好きなカメラが、フィルムを使うカメラだった、というだけです。


毎日なんらかのカメラが鞄の中に入っており、日に一枚は撮っているわたくしですが、裏を返してみれば、そんな風に日記みたいにちまちま撮っているので、一日にフィルム5本撮りきるという感じの撮り方はあまりしません。


今後、モノクロフィルムの割合が増えるかも知れませんが、これからも、毎日のフィルムカメラライフを楽しんでいきたいと思います。

 

 

かつての常用フィルムだった、フジC200の写真。(Rollei 35T,富士フイルム C200)

 

いまの常用フィルム、コダックゴールド200の写真。(Leica M4,Elmar 35mm,Kodak gold200)

 

珍味的な味わいが好きなロモ、メトロポリス。(Leica Ⅲf,summaron 35mm,Lomo metropolis)

 

たまには変わり種を。海外より輸入したブルーブルーズ。

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