距離計とライカA型。煙突みたいですね。購入の際は、メートル表示かフィート表示かもお気を付けください。
目測式のカメラってお好きですか。わたしは今までちょっと苦手でした。
距離計連動のカメラで、ファインダーを覗いて二重像を合わせたり、スプリットを合わせたりするのは楽しいですよね、景色を捕まえたぞ! というような感じがして好きです。
目測式のカメラは、撮りたい物までの距離を測って、その距離をカメラの方で合わせなければなりません。シャッター速度に、絞りだけでも失敗しがちなのに、その上距離も。マゴマゴしていたら鳥は飛び立ち、猫も子供も影も形もありません。気を抜くと、後ろの柵だけがいやにはっきり写っていたり、誰とも知れない背後の通行人にばっちりピントが当たっていたり……。
私が持っているカメラで目測式のものは、まずライカA型(https://photoandculture-tokyo.com/contents.php?i=4897)、ローライ35T(https://photoandculture-tokyo.com/contents.php?i=275)、AIGLON(https://photoandculture-tokyo.com/contents.php?i=439)もそうです。距離を測る機構がない分、軽くてデザインもシンプルなものが多いのはいいところ。
F5.6より絞ると(F8など)比較的距離が合っていなくても気にならないため、大体は絞りをF5.6あたりにしておき、室内や暗いときなど、開放で撮らなければならないときには距離をきっちり計ったりして対応しています。
ベテランには「距離感覚を磨くのです」と言われるのですが、なかなか距離の感覚を磨くというのも難しくないですか。わたしが立って地面を撮ったら1.5mくらい、というのはひとつの基準としておいて、歩幅は30cmというところです。対象物まで、いつもてくてく歩いて行けたらいいのですが、それも難しい。どうやったら距離感覚を磨けるのでしょう。
露出計はスマホのアプリでいろいろなものがあっても、距離計となるとあまり無い印象です。やはり、三角測量のように二点で計ったり、もしくはレーザー光で計らなければ正確な値を出すのは難しいのでしょうか。距離計というと、ゴルフ用のものがたくさんある印象なのですが、百メートルなどの距離は必要ないし、そこまでの性能も求めていないので、やはりカメラ専用の物が欲しい。(カメラ用ではないのですが、ベテランの方にはレーザー式のBOSCHの距離計をおすすめしてもらいました)
どうやって距離を計っているかお見せします。最初わたくし、前後ろ逆に付けていたのは内緒です。ダイヤルが撮る人の方を向くようにします。回すと、中の二重像が重なるようになっています。覗くのは、下の丸い穴です。
上と下の穴で、三角測量のようにして距離を出します。手で穴を塞ぐと見えなくなってしまうのでご注意を。覗くと、像が重なるようになっています。
先日、ライカのアクセサリー類を探していたら、距離計FODISの掘り出し物を見つけました。ただ、これもA型と同じくらいに発売されたこともあり、百年近く経っているものだと思うので、中はちょっと曇っていて見辛く、完璧に計ったつもりが微妙にピントがずれていたりしていました。
こちらの写真を見ていただきたい。
カフェの中で撮りました。(Leica A・Elmar50mm・絞りF3.5・1/60秒・Kodak Gold200)
きちんと計ったつもりが、よく見るとピントがケーキのカバー、奥のガラスのほうに当たっています。本当は前のガラスを狙ったのです。
なので、距離計もオーバーホールに出すことに。
中のミラーを綺麗な物に交換してもらったら、驚くほどによく見えるようになり、夜間でもばっちり見えるようになって大喜びです。距離計をあらかじめ1メートルに合わせておいて、自分が前後して距離を合わせたりして、これでもう、どんな目測カメラでもどんと来い、という気分になりました。
これは実際に距離計を覗いてみた様子、二重になっているところを合わせます。綺麗に見えるようになって嬉しい。
手に握れるほど小さい距離計FODIS。他の目測式カメラを使うときも持って行って使いたいと思います。
距離計を直してもらってからの写真。ピントもぴったり合うようになりました。美術館の光。(Leica A・Elmar50mm・絞りF3.5・1/60秒・Kodak Gold200)
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