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柊サナカのカメラ沼

第46話 LIGHT LENS LABの新フィルム

2025/06/03
柊サナカ

モノクロ写真、お好きですか。
 

わたしの中では、モノクロ写真とカラー写真の波が交互に来ているような状態です。カラー写真が多めでしたが、最近、モノクロ写真の良さを再認識しています。
 

先日、スタジオに入って初めて、SIGMA fpで演奏動画を撮りました。そのときに思いつきで、モノクロで撮ったんですが、そのモノクロ動画がとてもいい感じに撮れました。色の情報が抑えられたことで、ギターやドラムの質感や、演奏しているときの手の様子など、演奏している人たちの美しさがより際立ったような気がします。

 


SIGMA fpによるモノクロ写真。(SIGMA fp・SIGMA 45mm DG DN・絞りf2.8・1/50秒・ISO2000)
 

モノクロ写真をこれからたくさん撮ろうと思って、かわうそ商店でも長巻フィルム(30.5m分)のイルフォードデルタ100を購入したところです。こちらの長巻に関しましては、以前の記事もよかったら(→ https://photoandculture-tokyo.com/contents.php?i=2094

 

 

 

現在、モノクロ写真をフィルムで撮ろうと思ったら、街のラボでは受付ができず、外注扱いとなってしまい、日数がかかる場合が多いようです。(イルフォードXP2 SUPER400に限っては、カラー現像と同じC-41現像なので、カラーと同じ値段、同じ時間で仕上がります。モノクロ写真を試そうと思う場合、最初はこちらのXP2で試すのもいいと思います)

 

イルフォードXP2 SUPER400

 

二眼レフAIGLONで撮りました。鳥かごのたくさんある専門店です。(AIGLON・Ilford XP2 SUPER 400)

 

モノクロは自家現像が家で簡単にできるので、そちらもぜひ試していただきたいところ。
 

しかし、カラーフィルム、高くなりましたよね……毎回、ため息ばかりついています。

 

もしわたしがフィルム工場を引き継いだら、どんどんカラーフィルムを製造して安く出回らせるのに、と思ったこともありましたが、フィルム工場の内情を知る人によると、製造がものすごく難しい上に、当たり前ですが、完全な遮光が必要なので設備に関してもお金がかかります。工場のラインをひとつ動かすにしても途方もないお金がかかり、薬品は鮮度もありますから、採算が取れる分だけ作ろう、少なめにしようというのがとても難しいのだそう。作るのだったら大量に、そしてそれが昔のようにガンガン売れなければ、フィルム工場の採算は取れないのだといいます。
 

それに引き換え、値段がそれほど高騰していないのが、モノクロフィルムです。以前、箱に手書きの文字が書かれたインドネシア産のフィルムも見たことがあります。新しいフィルムも次々作られているようです。
 

今回、わたしはLIGHT LENS LABが開発中の新しいフィルムを試す機会を得ました。
 

それがこちらのフィルムです。(まだ名前がありません)感度はISO80とのこと。

 


 

開発中なので、仕様は今後変わるかもしれませんが、現像液はD-76、現像時間は12分、現像中は攪拌をあまりしないで軽く動かす程度、というのが推奨されている現像です。その通りにやってみました。いかがでしょうか。
 

撮影はマキナ670を使用しました。
 

赤羽の街角。ミラーが光っていました。(Makina670・絞りf8・1/250秒・焦点工房新フィルムISO80)

 

階段を下りながら。(Makina670・絞りf2,8・1/60秒・焦点工房新フィルムISO80)

 

赤羽の道。(Makina670・絞りf8・1/250秒・焦点工房新フィルムISO80)
 

LIGHT LENS LABの新フィルムは、初期タイプのフィルムで撮影した写真も見せてもらいましたが、そのころよりは薬品の配合も変わっているようです。わたしの好きな仕上がりなので、発売の折にはぜひ買ってみたいと思います。
 

モノクロフィルムは、自家現像できるだけでなく、暗室に入って写真を焼くという楽しみにもつながります(→https://photoandculture-tokyo.com/contents.php?i=2608)。カメラ好きで、フィルム現像をなさったことのない方は、一度、ワークショップなどで試していただきたいと思います。写真の世界が大きく広がります。
 

LIGHT LENS LABの新フィルム、発売が楽しみです。
 
 

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