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柊サナカのカメラ沼

第12話 サイアノタイプ工作

2022/09/20
柊サナカ

日光で写真をプリントするサイアノタイプ(青写真)、楽しいですよね。

 

暗室プリントとなると準備も何かと大がかりになりますが、サイアノタイプのプリントは、比較的、薬物の毒性も低いようですし、日中、室内で作業できますので、子供と一緒に楽しめるのもよいところです。印画紙は専用のものがいらないので、画用紙や布ですみ、薬品自体の価格も控えめです。あと準備するものとして、ガラスの押さえがあると綺麗に固定できます。

 

原理としては、鉄銀の化学反応を利用して写真にするというもの。日光を遮った部分は反応せず、光が当たった部分は青く染まります。

 

わたしは以前にサイアノタイプに挑戦したことがあります。ポストカードの紙を使って、中判ネガを使い、プリントしました。なかなかうまくできたので、暑中見舞いなどに活用しました。その結果がこちらです。

サイアノタイプで作ったポストカード。フィルムは中判フィルムです。綺麗に像が出ました。 

 

そのとき、大量にサイアノタイプの薬品を塗った紙を準備したので、余りは暗所で遮光して保管していました。二ヶ月後に、その余りの紙を使おうと出したら、もう薬品が変質してしまったのか、像が出なくなっていました。サイアノタイプは、粉の状態なら長く保つらしいのですが、液の状態では保存はあまりきかず、わたしが失敗したように、紙に塗った状態でもあまり長持ちしないようなのです。なので、サイアノタイプのキットを一人で使おうとすると、わりに液を持て余すことも多いのではないかと思います。

 

わたしが使ったのが、アマゾンで販売されていたサイアノタイプのキットです。だいたい3000円前後で売られていることが多いようです。説明によれば、20×25cmの素材で65枚の計算になるようで、ポストカードも私の場合100枚程度作ることができました。もっと手軽にしようという場合、サンプリントペーパーなる、紙タイプのものもあるようです。(今回はどこも売り切れで買えませんでした)
もっと凝りたい場合は、自分で薬品を揃え、いろいろ調合して作る方法もあります。細かい色調なども調整できて、奥が深いようです。

サイアノタイプキット。ボトルAとボトルBがセットです。

 

サイアノタイプキットの、こちらのボトルには薬品が入っており、Aボトル、Bボトルとも、上まで水で満たせばOKという、計量要らずの簡単なものです。薬品を落ち着かせるために、水を入れた状態で、一日おくことが推奨されていました。できた液を、AB同量混ぜて使います。
この液を紙に塗って乾燥させます。この、紙に塗る作業は、全暗室でなくても、カーテンを閉めた程度の部屋でもできるので、お子さんでも無理なくできると思います。
乾かすときと、乾いた後は、紫外線に反応するので、明かりに注意した方が良いでしょう。あと、服に付いたり、床に落ちたら青く変色します。床の方は水拭きでとれますが、ちょっと面倒なのでご注意を。

 

さてこのサイアノタイプ、紙はもちろん、布などでもできるのだそうです。
布にプリントできたら、いろいろ楽しそうですよね。
まず試しに、余っていたハンドタオルで試してみました。揉み込むように液を染みこませて乾かし、上にはさみなどを置いて、日向に置きます。すぐに色が変わってきます。それを水につけて洗浄、そのときに布用漂白剤を少し垂らすと、コントラストがはっきりします。

 

このとおり、藍染めのようにしっかり染まりました。こちらは、かなり表面が毛羽立っているので、写真のネガでプリントするのは難しいだろうなと言う印象です。はさみも、はさみの形がわかるくらいにとどまりました。

ハンドタオルでフォトグラムをやってみました。藍染のように染まります。

 

次に、大安売りしていた、キャンバス地のトートバッグを買ってきました。そのトートバッグにサイアノタイプの液を塗り込んで乾かし、上に子供が切り絵をしたものを置いて露光してみました。

 

大安売りで買った、無地の厚手キャンバストート。

 

子供の工作で、まず切り絵を準備します。



 その後、トートバッグに液をしみこませます。
 
この通り、うまくできたのですが、このキャンバス地は、液のしみこみが悪かったせいか、水洗すると、像がとても薄くなってしまいました。これにより、布でプリントできるとはいえ、サイアノタイプの布選びはけっこう難しいことがわかりました。(この後、もっと薄くなってしまいました)

 

露光をしているところ。真夏なので、3分もすればもう色が変わっています。

 


洗浄中。

 


できたトートバッグ。

 

調べてみると、ワークショップでエコバッグなどを用い、サイアノプリントを行う場合、百均で売っているようなペラペラの無地のエコバッグを使っているところが多く、かえってそのほうが液もしみこみ、像も細部までしっかり出るようです。

 

今度は使っていなかった、綿のガーゼハンカチで実験してみます。手順は同じく、液を揉み込んで乾かします。
その上に、子供の切り絵を置いてみました。
今回、よく液が染みたのか、像自体ははっきり出ました。

 

ガーゼハンカチはよく染まりました。これだと、ネガでもいい結果が得られそうです。
 

水洗の時間を変えてみると、水洗時間が長いものは薄く、ダンガリーシャツの色のようになり、短いものは濃く、藍染めのような色となりました。

 

露光の差によっても色が変わります。

 

今回、布と言うことでネガを使わず、直接物を置くという「フォトグラム」をやってみましたが、お子さんとともに楽しめて、堂々と薬品も買えるのもいいところ。子供に落ち葉などを拾わせて作らせても良し、ポストカードサイズなら、ちょうど中判フィルムでよい大きさになりますので、プリントをお便りにしてみるのはいかがでしょう。

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