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柊サナカのカメラ沼

第16話 インスタントカメラ

2023/01/10
柊サナカ

インスタントカメラ、好きですか。
インスタントカメラは、昔はフィルムが割高なように思えて、一枚一枚を惜しみ惜しみ撮っていましたが、いまやフィルムの高騰により、逆にインスタントフィルムが割安になったかのように思えてきました。
特にチェキは活気がありますよね。結婚式二次会でも、アイドルの会でも、ちょっと記念写真というときにちょうどいい。

 

わたしがカメラ好きになる前に買ったのが、チェキです。何のために買ったかというと、屋久島に一人旅をするときに、旅行中に写真日記を作れたら楽しいかな、と思ってのことです。一枚撮っては、旅行日記に貼るのも面白かったし、そこで出会った友達にも記念であげたりすると喜ばれ、いい記念になりました。

 

その後、結婚し子供が生まれたあとも、そのチェキは大活躍しました。チェキの写真サイズはちょうど名刺サイズ。名刺サイズですから、百均で売っているハードタイプの名刺ケースにちょうど入ります。かばん・ぼうし・タオルなど、日常で子供が使うものを撮っておいて、下にかばん、などとひらがなで書き込み、裏にシートタイプのマグネットを付けて、ホワイトボードに貼り、忘れ物がないか準備をしたら、それを準備完了コーナーに移動させる、というような使い方をしたり、靴を撮り箱に貼って中に何が入っているかわかるようにしたり、オモチャを入れる箱に貼って、子供でも分類できるようにしたりしました。

 

チェキのフィルムは一本だいたい700円~800円程度で売られています(2022年現在)。そうなれば十枚入りなので一枚100円を切る感じのコスト、チェキの本体も、スタンダードタイプのものは一万円を切るような価格帯で手に入れることができます。家庭で実用的に使うには、こなれた価格帯ですよね。

 

そんな風にしてチェキを日常で使っていたのですが、さすがに十年以上も使い続けると故障してしまい、初代チェキはシャッター部が動かなくなってしまいました。そこで買い足したのがチェキのスマホプリンター「intax mini Link2」です。これには、レンズもファインダーもありませんので、カメラとは言わないかもしれませんが、チェキのフィルムがそのまま使えます。スマホやデジカメなどで撮った画像を、アプリで接続してプリントできるというミニプリンターです。

 

二代目、富士フイルムintax mini Link2。一台あるととても便利です。

 

子供の学校関係の書類などで、意外に「今年の顔写真を提出してください」ということ、ありますよね。いちいち証明写真機を探したりすることなく、スマホで撮ってその場ですぐにカラープリントができる手軽さが便利――という理由を付けて家計から予算を出して買いましたが、本当のところは二眼レフにチェキのフィルムを仕込んだあとに、このintax mini Link2で現像してみたかったという理由だったのは秘密です。

 

チェキ以外では、PolaroidのSX-70を持っています。このSX-70は、川崎のお店、SX-70 By SWEETROADの通販で手に入れたものです。この川崎のSX-70 By SWEETROADは、カメラファンに惜しまれつつも閉店し、今存在するのはカメラ類の取り扱いのない、時計店である一号店、SWEETROADのみだそうです。
SX-70 By SWEETROADは、SX-70と名前を冠するだけあって、お店のブログにSX-70愛があり、読み物としてとても好きでした。SX-70、面白そうだな、と思って購入する大きなきっかけになったのです。購入したら、ポラロイドの試し撮りが入っていて、その試し撮りがとてもオシャレだったことにも感心し、ここで購入してよかったなと思ったのでした。

 

佇まいが美しいPolaroid SX-70。

 

SX-70をたたんだところ、とても薄くなります。

 

わたしのSX-70は旧型で、ファインダーが見にくいものだったのですが、三葉堂写真機店ではスプリット交換の改造修理もしてくれるとのことだったので、後にとても見やすいものに換えてもらいました。というわけで、我が家の冷蔵庫には、SX-70用のフィルムが一角を占めています。

 

フィルムに関して言うと、Polaroidは2008年にフィルムを生産終了してしまったのでした。ここで皆さんにも聞いてみたいのですが、かつてのPolaroidのフィルム、すごくなかったですか? わたしの実家には、父が会社のビンゴかなにかで当てたらしい旧型のポラロイドがあって、中学生の頃のポラロイド写真が数枚ありますが、その写真は変色もなく、いまだに今日撮ったように色鮮やかで、見たときに本当に驚きました。性能高いな!

 

そのPolaroidの復活を目指してPolaroid Orginalsブランドができ、ポラロイドフィルムは晴れて復活となりました。こちらはチェキと比べて少し割高、というか、フィルム一本2800~3000円前後(2023年現在)と、だいぶ割高で枚数は8枚。一枚につきいくらかな……? と計算してしまうと、手が震えて撮れなくなってしまいそうなのでしません。お好きな方はガーンと一度にフィルムを箱でまとめ買いしていらっしゃるようです。豪快!
安くはない。安くはないですが、それでもSX-70の写りと、このSX-70を開いて、シャッターを押し、出てくる写真をじわじわ待つ一瞬にはかえられないですね。

 

 

SX-70、撮影直後。

 

SX-70のモノクロ写真。カラーもいいですがモノクロもいい。

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