旅行と言えばもっぱら車でしたが、今回、とても久しぶりに電車で旅行することになりました。電車の旅ですので、荷物はバックパックひとつです。
旅慣れた人のパッキングを見ていると、ほれぼれするほど上手で、合理的に荷物をつめていて感心します。わたしはこのパッキングがとても苦手です。いままでは車移動だったので、多少荷物が増えようとも(まあ車だし)ということで、カメラも持っていきたいものをたくさん持ち出す、ということもできましたが、今回は電車移動、さすがに台数を絞らなければなりません。
みなさんだったら、電車旅には何を持っていきますか?
バックパックもかなり大きいものですが、詰めてみれば思ったより入らず。いつもは持っていく中判のカメラは難しそうです……。マキナ670やキエフ60など、大きかったり重くても良いカメラはたくさんあるのですが。
全部の荷物を詰めると、まあ、カメラは入れて二台までだな、という残りスペースしかありません。フィルムだって持っていかなければならないので、そのスペースも準備しなければなりません。
まず、一台は、コンパクトで夜間等も時間を問わず使えて、Wi-fiで転送もできるデジタルカメラにしましょう。
首から提げても負担のない大きさ、重さのものが望ましい、となれば、やはりGR。GR ⅢかGR Ⅲxか。一台持っていくとするとどちらだろうか。電車の中や観光地の町歩きで撮るなら、あまり広角なら他のものも写り込むかな……などと思いました。それでもGR Ⅲ(35mm版換算28mm)で景色をひろく撮ったりもしたいし、ひとり旅ならGR Ⅲを持っていきたい。
もうGRを両方持っていって、腰から二挺拳銃のように提げていくのが一番よさそうです。
一日迷い続けましたが、今回は家族旅行なので、GR Ⅲx(35mm版換算40mm)一台のみに決定。
ホーム(GR Ⅲx)
フェリーから(GR Ⅲx)
伊勢神宮(GR Ⅲx)
あと一台は、やはりフィルムカメラを持っていきたい。さて、何を持っていきましょうか。
ここで脳内で会議が始まるわけです。ひとりが、一眼レフの確かさをおいて他にありますまい! と発言すれば、レンズをたくさん持っていって旅先でぜんぜん使わなかったこともあるでしょう? とすかさず反論が入ります。ベッサLにスーパーワイドヘリアー15ミリを付けていけば、GR Ⅲxで捨てた広角を撮り放題です! との発言があれば、ひいらぎの15ミリは下手じゃないか! いつも人見知りして被写体にぜんぜん寄らないくせに! と罵声が飛びます。
ここはフィルムの高騰をかんがみ、ハーフカメラでどうでしょう、と誰かが案を出すと、そうかね? 旅先でほんとうにそれでいいのかね? と反対の意見が出ます。議論は紛糾します。
ここはやはり、ライカM4にしましょうか……となるわけです。
ライカM4は、重さもそこまで重くはなく、レンズもズマロンやエルマー35にすると、そこまでかさばらない。なによりオーバーホールも済ませたばかりでトゥルトゥル動きます。M4の持病と言われる、抜けやすかった幕も修理してもらったばかり。なんという安心感。
このライカM4に、いつもは蔵 CURAの革製ハンドストラップをつけて、ハンドバックのように持って使っています。
でも今回は旅行と言うことで、首から提げるため、蔵 CURAのネックストラップの方に変えました。蔵 CURAは、金具の部分に当て革がついているだけでなく、真ちゅうリングは丸みがあり、古い時代のやわらかい金属を使ったカメラにも優しいということで、ベテランの方からおすすめされました。ライカに関しては蔵 CURAシリーズをよく使っています。
あと、問題なのはフィルムです。何を持っていくかが大問題です。
いつもは冒険のフィルムも使いますが、旅行先で使いこなせないフィルムとなると困ります。安心のわたしの定番、コダックのゴールド200を主フィルムとして、あと、夜景用に、イルフォードデルタ3200を持っていきます。このイルフォードデルタもわたしの定番で、ざらりとした質感がとてもかっこいいと思っています。夜を撮ったら、ほわっと明かりが丸く写るところもとても気に入っています。
本当なら何本でも持っていきたいところですが、今回は絞りに絞ってこの二種類、コダックのゴールド200
を四本、デルタ3200を二本持っていくことにしました。夜出発なので、さっそくデルタ3200を装填しました。
まだ忘れてはいけないのが、露出計です。旅先の勘露出で失敗ほどくやしいことはないと思うので、忘れずに名露出計のセコニック、ツインメイトを入れておきます。こちらはすぐに取り出せるようにザックの外ポケットに入れました。
準備物一式です。
あとはわたしの写真の腕のみです。
旅の空気感をしっかり持って帰れるでしょうか。
追記:ちなみに、旅の終わり、あと少しで家だというころ、ふっと気が抜けてM4を電車の中で落としてしまい、そのときは「あら」と平然と取りあげましたが、本当はその場でカメラを抱いてオイオイ泣いてしまいそうでした。誰もいなければ泣いていました。巻き戻しクランクが歪んでしまい、フィルム巻き上げができなくなっており、すぐに直してもらいました……。無事にカメラを家に持って帰るまでが旅です、みなさまお気を付けを。
バス(LeicaM4,Elmar35mm,Kodak gold200)
鳥羽港(LeicaM4,Elmar35mm,Kodak gold200)
PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。