小説家という職業柄、新刊のお知らせやおすすめ本など、本の表紙の写真を撮ることが多くあります。でも、本の表紙を綺麗に撮るのって、意外と難しくありませんか? 縦横がゆがんだり、色合いが褪せたり変に暗くなったり。本の表紙は、たいていつるつるしていて光を反射する素材なのも難しい。天井の照明が写り込んで残念なことにもなりがちです。せっかくの表紙、綺麗に撮影するには、どうしたらいいのでしょう。
ただ普通に撮ればこうなってしまいがちの本の表紙。困りますよね……。
また、愛機を撮影するときも、できるだけカメラの形が映えるように、かっこよく撮りたいですよね。本のお知らせなどではやっぱり美しく撮りたいし、メルカリなどで小物を売るときも、写真の出来で売れ行きは大きく変わってくると思います。
同じくカメラもこの仕上がりに。なんだか盛れていないような?
今回は、本や小物をより美しく撮るためにはどうしたらいいか、ということを探っていきたいと思います。
わたしはPCTの記事でカメラを撮るときには、鉄骨を組み立てて、水平な棒にクリップで止めるタイプの白い背景シートを使って、リコーGR Ⅲxで撮影しています。撮影は自然光が入る窓際に、白カーテン越しの柔らかい光で撮ることを基本としています。(これは、カメラ系の編集部に、照明など専用の機材やスタジオがない場合に、綺麗に撮影する方法として聞きました)今まで、だいたいの本や小物もこうして自然光で撮影してきました。
あと、日暮里の繊維街で買い求めた、黒のベルベットの布を使うときもあります(お安くてお勧めです)。これは落ち着いた黒背景になります。これも同じく自然光で撮るように心がけています。
それでも、雨が続いているようなときなどには、どうしてもよい感じの陽の光が入ってこないときがあります。今までは晴れが来るまでずっと待っていました。あと、日中忙しくて夜からしか時間がとれないこともあります。
今回、雨でも夜でも撮影できるようにと新たに買い求めたのが、ハクバの撮影ボックス(LEDスタジオボックス40 44×43×59cm)です。
そこで導入したのがハクバの撮影ボックス(LEDスタジオボックス40 44×43×59cm)です。
たたんであるとこの通り。カバンのようです。
横から見たら薄い。
あと、映えるとSNSでも噂の、ものすごく黒い背景の布、特級暗黒布「太黒門」も買いました。
噂の黒背景、特級暗黒布「太黒門」。
今回はいつも使っているGR Ⅲxではなく、どなたもお持ちのスマホのカメラで、どのくらい綺麗に撮れるのか試してみたいと思います。
まずハクバの撮影ボックスなのですが、広げると箱の形に、閉じると薄く畳めます。普段から物が多すぎると家族から苦情が来がちなので、隙間に収納できるかどうかは大事です。畳めば薄いトートバッグくらいの大きさに。重さも女性が片手で軽く持てるくらいで、設置もマジックテープで三秒もあれば組み立てられます。
組み立て中です。マジックテープですぐに組み立てられます。LEDがついて光るようになっています。
(コストカットのためか、LEDにはスイッチがありません。切るときは電源を抜きます)
外は黒い箱の形。中はこのように反射する素材になっています。
上部にLEDの照明があり、内部は光を反射する銀色の素材でできています。マジックテープのついた背景紙も付属していて、届いたらすぐに撮影できます。撮影するのは横からでも上からでも。本の場合、上からだとLEDが写り込むので、横からがおすすめです。
天井部にはこのように、真上から撮れる窓もついています。
背景紙は三色付属しており、まず白をセットして本を置いてみました。
反射して部屋がやたら写り込んでしまうような光る素材の小物も、もう安心です。
背景紙・白で撮影。
(背景紙はマジックテープで留められるようになっています。素材は紙ではなく、厚みのある素材です)
背景紙・オレンジ
背景紙・黒
カメラも同じくテストしてみます。背景紙・白
背景紙・オレンジ
背景紙・黒
こちらは透過する素材を撮影してみました。
ボックスの前に白背景紙を置いて、ボックスの中から光を透過させてみました。
次に、ハクバの撮影ボックスに特級暗黒布「太黒門」を組み合わせてみました。
この光陽オリエントジャパン(株)の特級暗黒布「太黒門」(A4)、ネイリストの人が、自分のネイルを撮るのに一番良く撮れると、SNSでバズっていたのがもとで知りました。この布は、特級暗黒布と呼ばれるだけあって、可視光線の反射率も同種の製品よりもダントツで低く、光吸収率は99.9パーセントなのだとか。
ひとたび開けると、漆黒の表面が光をいっさい反射させないことがよくわかります。
これは強力マグネット(別に購入)でハクバの撮影ボックスに留められます。A4で小さいのですが、本やカメラの撮影などには問題ありません。この「太黒門」、A4でお値段は2,200円、お高い……といえば、一見お高いようにも思えますが、仕上がりを見れば納得です。光を反射しないために、太黒門の上にのせた物の形と色が、ほんとうに引き立ちます。黒い空間に浮いているようにも見えるほどです。どうでしょう、同じものでも、ただ机に置いて撮ったものより、なんだか高級感が出ませんか?
特級暗黒布「太黒門」をマグネットで留めてみました。
特級暗黒布「太黒門」は、あまりに黒いため、少しのホコリでも星空のようによく目立ちます。コロコロか何かでホコリを取ってから使うか、少々なら画像ソフトで小さなホコリを消してしまうのがいいと思います。あと、細かい毛の生えた起毛布ですから、跡がつきやすいです。物を置きっぱなしにしない方が良さそうです。それでもA4という大きさでも大活躍ですし、オークションサイト等で不要品を売る方なら、すぐに元が取れると思います。わたしは今後、ハクバの撮影ボックス+特級暗黒布「太黒門」をセットで、本や小物撮影に活用していこうと思います。
本もこの通り。特級暗黒布「太黒門」とハクバのライトボックスで、本のデザインも引き立ち美しく撮影できます。
最初のカメラの写真と見比べていただきたい。カメラなどの機械の陰影も引き立ちます。
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