フィルム、高くなりましたね……。
これを書いている間にも、どんどん高くなっていくような気がします。これだけフィルムカメラに興味を持つ人が多いのに、肝心のフィルムが高騰してしまえば、せっかくのカメラが、ただのおしゃれな文鎮としての存在となりそうで怖いです。
女性向け雑誌を数誌チェックしていると、おしゃれ小道具の一つでもあるのか、フィルムカメラが頻繁に誌面に登場します。休日の充実したスタイルに、フィルムカメラはよく似合うのでしょう。(たまに「いいの撮れた!」と、フィルムカメラの背面をじっと見つめているモデルさんの写真があってニヤニヤします)
さて、ケチなわたくし、写真趣味に関しては「人生のごほうび」とコストを考えないようにしてきましたが、さすがにフィルムがこんなに高騰したら、財布が心配になってきます。そこで、現像からデータ化まで、一番現実的で、安い道を探っていきたいと思います。
まず、最安値カラーフィルムはどこで買えるのか。
メルカリやオークションでも安く買えることはあります。でも、フィルムに関しては、やはり専門店で買ったフィルムでないと、と思うのです。出所のわからないフィルムは、どう管理されているかもわからないし、現像に出してみて全部が全部、色褪せていたら、ガッカリですよね……。ここで管理がひどかったとみられる、出所のわからない期限切れフィルムの仕上がりを、お見せしましょう。どうです? やはり餅は餅屋、フィルムは専門店ですよ。
出所のわからない、期限切れカラーフィルムの写真をどうぞ……。一本全部これです。もしかしてエモい、ということになるのでしょうか。(おすすめしません)
そこで今の時点(2022年5月)、36枚撮りのフィルム最安値を探してみました。
(一本売りでの最安値、36枚撮りのものです)
各量販店の最安値のフィルムをざっと見ていくと、
・コダックカラープラスフィルム200 36枚撮り 2,300円(ネット量販店A)送料無料
・フジフイルム フジカラー100 135/36枚撮り 1,200円(ネット量販店B)送料680円
・コダックカラープラスフィルム200 36枚撮り 1,050円(ネット量販店C)送料無料
調べた中での底値は、(2022年5月時点)
・フジフイルム フジカラー100 135/36枚撮り 990円(かわうそ商店)送料無料
(あと、ぷりんと工房 小仲台さんも同じ990円でした)
このフジフイルム フジカラー100 135/36枚撮りで計算してみることにします。
次に現像。いま存在する写真店は、フィルムをある程度通さないと現像液・現像機自体もダメになることと、利用する人が減ると、現像機の取り扱い自体をやめるところも出てくると思うので、ここはしっかり対価を払いたいと個人的に思っています。みなさんの周りで現像を受け付ける写真店があったら、どうぞ大切にお付き合いを……。
・35ミリフィルムの現像
792円(A店)
700円(B店)
660円(C店)
550円(エビスカメラ・ポパイカメラ)
ネット・郵送受付のみとなりますが、480円、300円というところもありました。(仕上がりをわたし自身がチェックしていないので、ここでは紹介しませんが、気になる方は挑戦を)
わたしはいつも現像に出したら、データ化までお願いしていますが、今回はケチケチ道ということで、データ化にロモグラフィーの簡易スキャナ、DIGITALIZA+(デジタライザ+)を使いたいと思います。自分でデータ化するので、ここの価格は含みません。
ロモグラフィー、DIGITALIZA+(デジタライザ+)。こちら本当に簡単に使用できるスキャナーです。
DIGITALIZA+(デジタライザ+)のスキャン画面。この画面をカメラ・スマホで撮り、色の反転加工をします。
DIGITALIZA+(デジタライザ+)はこのように、スキャンをスマホ、もしくはデジカメでやってしまおうという試みのスキャナです。大きめの筆箱サイズに必要な機能がすべて揃っています。フィルムをきっちり張ってマグネットで留められるのもいいところ。ネガのスキャンをしたいなと思ったら、すぐ取り出せるので重宝しています。ひと月くらいずっと使っていますが、一枚なら手持ち、一本分スキャンするなら撮影は手持ちではなく、三脚などでカメラを固定した方が、後々の処理が楽だと言うことがわかりました。
ということで、フィルムの代金・990円+現像代・550円=1,540円。(スキャン代はなし)
これを36枚撮りで割ると、一枚42円となります。
まだまだケチりたいということで、ハーフ版で撮ります。
わたしの持っているカメラでハーフカメラはこの二台。ロシアのチャイカⅡとベラルーシのアガート18K。ハーフカメラというと、一コマのネガに二枚写し込めるので、36枚撮りは72枚撮りになります。
これで一枚21円。一枚21円と聞くと、どんとこい! という気分になりますね。
ハーフカメラ。ロシアのチャイカⅡとベラルーシのアガート18K。
こちらアガート18Kで撮った写真。このように一コマに二枚写って経済的です。
次にモノクロフィルム。モノクロとカラーとで分けたのは、モノクロは自家現像という道があるからです。(カラーは特殊な設備が必要となるようで、自家現像している方は少ないです)
自家現像には現像タンクや薬品などの初期費用がかかりますが、一度揃えてしまえば、あとは薬品の追加のみで安価に済ませることができます。比較的簡単に現像ができることから、わたしもモノクロフィルムに関しては自家現像しています。
そこで今の時点(2022年5月)、36枚撮りのフィルム最安値を探してみました。
(一本売りでの最安値、36枚撮りのものです)
ざっと見ていくと、
・ケントメア PAN100 135-36枚撮り 825円(ネット量販店A)送料550円
・シーガル100 36枚撮り(箱無し)890円(ネット量販店B)送料290円
・ニューシーガルNSG400 135-36枚撮り 869円(ネット量販店C)
・ケントメア PAN100 135-36枚撮り 869円 (ネット量販店C)
調べた中での底値は、(2022年5月時点)
・シルベラ PAN50 135-36枚撮り 700円(かわうそ商店)送料無料 でした。
このかわうそ商店さんのシルベラ PAN50 135-36枚撮り 700円で計算します。
現像は自家現像、スキャンはDIGITALIZA+(デジタライザ+)です。
ということで、フィルムの代金・700円。これを36枚で割ると、1枚19円。
ハーフで撮れば1枚9円程度。
フィルムローダー各種。モノクロ長巻フィルムを入れて使います。
まだお安くということなら、長巻があります。こちらは100フィート、メートルにして30.5メートルの、長く一巻きになったフィルムを、専用器具のフィルムローダーで切り出して、空のパトローネに詰めて使うものです。
いわゆるパトローネに入っていて、ひと箱ずつ梱包されているタイプのフィルムは、それだけのコストがかかります。この長巻に関しては、その梱包がない分、お安くなっています。フィルムの巻き方も人によるので、一枚いくらの正確なコストは出せませんが、目安として、36枚撮りフィルムの長さが大体1400ミリ前後として考えると、140センチ。
3500÷140=21
長巻フィルムから、単純計算で36枚撮りのフィルムが21本取れることになります。
・FOMA フォマパン400 白黒ネガフィルム 35ミリ 100ft 13,627円(ネット量販店A)送料無料
・ケントメア KMP100 35ミリ 100ft 12,520円(ネット量販店B)
・ケントメア KMP100 35ミリ 100ft 13,222円(ネット量販店C)
・フォマパン100 クラシック 100ft 8,650円(かわうそ商店)
このフォマパン100クラシックを使って計算します。
8650円÷21本=411円。
これで、フィルム一本が411円の計算になります。
これを36枚で割ると一枚11円。ハーフで撮ると約6円と、ぐっと身近な値段になります。
カラーフィルムが今後もっと高騰しても、いざとなれば、モノクロ長巻があると思えば安心です。
とはいえ、フィルムによっての雰囲気が違ったりするのが楽しいので、わたしはカラー、モノクロ両方、これからもいろいろなフィルムを使うと思います。現像もいきつけの写真店をたくさん利用する一方で、フィルムケチ道も極めていきたいですね。
PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。