みなさんも、写真展のお知らせを受け取ったことがあろうと思います。わたしも年に数回は写真展に出展しています。
今日はアマチュアの観点から、写真展示をすることについて書きたいと思います。
写真展というと、大きく分けて個展・グループ展があります。私はまだ個展を開いたことがありません。個展は、説明するまでもなく、自分ひとりの作品のみの展示です。
個展には憧れがありますが、費用面でも、在廊の面でも、ちょっとまだわたしにはハードルが高いものとなっています。グループ展なら人数割りのところ、個展なら当たり前ですが、すべての費用を自分で用意しなければなりません。
会場により費用が違うので、ほんとうにざっくりしたところを言うと、会場代・額装プリント代・お知らせのハガキ(フライヤー、もしくはDM・ダイレクトメール)代、ひとつひとつに凝れば凝るほどお金がかかり、大体十万円くらいからというイメージではないでしょうか。
写真の額装を豪華な厚みのアクリル加工にしたり、写真集などを販売するとなると、もう少しかかります。(もちろん、会場費を抑えたところを選んだり、地方か都内かでも違うし、DMなど自分ですべてやってお金を浮かせることもできます。ギャラリーによってもプランが違います。公募のようなシステムも見かけましたので、値段に関しては幅があります。興味のある方はギャラリーのHPでチェックしてみてください)
そのほか、在廊の問題があります。絵画や現代美術系のギャラリーでは作家が在廊しているところが少ないのに対し、写真展に関しては、写真家が在廊しているところがとても多いです。
写真家の方のSNSでも、この日とこの日はいません、などアナウンスしているくらいで、大抵の方が基本的に毎日在廊しているように思います。たぶん、(しなければならない)というルールはないはずなのですが、写真展示では、お客さんに声をかけたり、様子を見てお客さんと作品についての話をしたり、来てくれた方と、なんらかのコミュニケーションをとることが推奨されているようです。(なぜなんでしょうね? 業界の慣例でしょうか。客として行くには挨拶できて楽しいですが)
個展、グループ展とも、写真の販売ができるところもあります。その場合の手数料などはギャラリーによって違うので、これも気になったギャラリーにお問い合わせを。
わたしが参加しているのは、ギャラリーやバー・カフェ・写真機店併設のギャラリーでのグループ展です。グループ展は個展と違い、数名~多くて二十人前後で参加します。今までで、いろいろなギャラリーで、十回以上いろいろなグループ展に出展してきました。
出展のきっかけは、仲良くなった人から「出ませんか」とお誘いいただいたり、好きなカメラの話をしていて、「じゃあそのカメラしばりの写真展やるので、次回にどうです」と誘われることもあります。
グループ展では人数割りになるので、人数によっても違いますが、大体三〜五千円前後からという、個展に比べるとリーズナブルな価格で出展することができます。この価格の中に、会場代、DM代などが含まれます。
まず、写真展のテーマを確認しつつ、出展する写真を決めます。私は、暗室で引き伸ばしたものを出展することが多いので、出展が決まった時点で暗室の予約を取ります。
写真が引き伸ばしできました、というところで終わりではなくて、次に額装をします。グループ展では、統一感を出すために雰囲気を揃えることが大切になってきます。パネルならパネル、額なら額と、大きさも含め、それぞれ会場に合ったものを準備します。ギャラリーによっては、額とマットをレンタルできるところもありますので、その場合は準備するのは写真のみです。ギャラリーに額装を頼むこともできます。ぴったりの額をおすすめしてくれたり、マットの色味にもこだわってくれたりするので、額装のプロに頼むのも、また面白いと思います。
わたしは年に数回出展することもあって、写真展示用の黒縁の額を、大きさ、形ごとにいくつか持っています。最初の数回は世界堂に持ち込んで、写真の大きさに合ったマットを切ってもらい、額にセットしてもらっていました。最近では慣れたこともあって、マットはネットのサービスで頼んでいます。(いつもお世話になっているのは、額装のタカハシ。ネットでサイズを入力していけば、数日後にきちんとしたものが、完璧な包装で届きます)
https://www.gakubuti.net/user_data/mat.php#main_column
マットができたら自分で額に写真を入れて、ギャラリーの設営日までに宅配便で送ったり、もしくは自分で持っていくというようにしています。期日に遅れたりすると、人数も多い分、管理が大変らしいので、提出日は必ず守るよう心がけています。
展示に合わせて額もいろいろ変えました。
こちらはスクエア額。「スクエア展」で出展しました。
次に、写真展のお知らせをするハガキ(DM)を、周りの人に配ってお知らせしたり、置かせてもらえる所にお願いして置いてもらったり、SNSでも「こんな展示をやります、ぜひ来てください」と呼びかけて、広くお知らせします。せっかくやる写真展ですから、いろんな方に見に来て欲しいものです。どんなによい作品でも、知られなければ誰も来ることすらできません。こちらのPCTでも写真展情報は収集、告知していますので、ぜひ活用していただきたいです。
https://photoandculture-tokyo.com/list.php?c=4
設営は、ギャラリーの方や慣れた方の指示に従って、キャプション貼りや水平出し、釘打ちを手伝います。
ギャラリーによっては、初心者歓迎ということで、プリント・額装・設営すべての手続きこみで、写真のデータのみを送るというような展示もあります。
在廊日は、主催の方が出欠をとり、グループ展でも、在廊者がだれも居ない日をなるべくなくし、常に誰かがいるように振り分けをする場合が多いです。ただこれも各自、仕事などの関係もありますから、絶対ではありません。わたしもなかなか家を空けにくかったりして、最終日の一日とか、なか日の数時間とかの場合もあります。
いよいよ写真展が始まったら、いらした方に挨拶して感想を聞いたり、たくさん並んだ中の自分の写真を見て(あれ、あんなに水洗中の水の中では綺麗だったのに……)とがっかりしたり、他の方の写真を見て刺激を受けたりします。今後はこういう風に撮りたいな、などと思ったり。SNSに写真をあげるだけでは体験できない、新しい発見があります。
あまり社交的な方では無いのですが、以前、どこかのグループ展を観に行って、出店者の方同士で大盛り上がりで、あまりのアウェイ感に無口になってこそこそ帰ってきたこともあるので、自分が在廊しているときには、話下手でも声をかけてみたりしています。
撤収は設営よりも早く終わることが多く、こういうご時世でなかったら、打ち上げなどもあったりして楽しいです。
写真の趣味は一人きりでも楽しめますし、SNSに写真を掲載するだけでも、いろんな人とご縁ができて楽しいものですが、わたしにとっては、写真展は成長の場です。年に十回くらい出展している方を知っていますが、どんどん写真が洗練されていきました。たぶん作品が人の目にさらされることで、いろんなフィードバックがあるのでしょう。
わたしも出るとなれば、プリントも自分にできる限りいいものを出したいので、いつもより集中して取り組みます。プリントすれば、いっそう自分の写真を客観的に見られるような気もします。
長く続けているとカメラ・写真に限らず、趣味はマンネリに陥ることも。最初、(お金を払って写真を展示するのって、楽しいのかな?)と不思議に思っていましたが、やってみると自分なりにいろいろな発見があり、次はこうしたいという意欲も出てきて面白いです。
写真展が終わった後にもお楽しみがあります。それは、出展した作品を、今度は家でも飾ること。展示の思い出と共に、振り返りもできて、気に入っています。
モノクロ写真も。
自分で写真を眺めていると、今度はここをこうしてみようと意識することも多いです。
【今まで柊がグループ展で出展したことのある会場】
この他のギャラリーにもいろいろな展示情報があり、テーマに沿って作品を募集しているところもありますので、いろいろチェックしてみてください。楽しいですよ。
・PAPER POOL(ペーパープール)
→https://paperpool.wixsite.com/paperpool
・Roonee 247 Fine Arts(ルーニィ247ファインアーツ)
→http://www.roonee.jp/
・アイアイエーギャラリー
→https://www.facebook.com/iiagallery
・寫眞喫茶アウラ舎
→https://www.facebook.com/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%A9%E8%88%8E-588904351284456/
・三葉堂寫眞機店ギャラリー
→https://www.mitsubado.com/
・JCIIクラブ25(日本カメラ博物館併設ギャラリー)
→https://www.jcii-cameramuseum.jp/club25/kiyaku/
・FUJIFILM SQUARE(富士フイルムスクエア)
→https://fujifilmsquare.jp/
・四谷三丁目ランプ坂ギャラリー
→http://npo-ccaa.tokyo/1252412531124791252312462125151252112522125401237221033299922669620869.html
・ギャラリー・ジュンク(旭川五階ジュンク堂書店内)
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