2025年9月に出展したグループ展、「エルマー35展」のわたしの写真です。エルマー35展の出展者は、何回も展示を経験している方がほとんどなのと、主催の加納満さんの強いリーダーシップにより、つつがなく終わり、この記事に書いた悪い例とは関係ありません。
写真が趣味で、いつか写真展をやってみたい方は多いのではないでしょうか。初めての展示で、いきなり個展に挑戦する方も中にはいるかもしれませんが、多くの方は、まずグループ写真展から始めます。
展示に参加すると、写真仲間も増え、とても楽しいので、ぜひおすすめします(参考記事→エルマー35展、4×4Photography展)。
でも、出展者として、グループ展に参加するときに、気をつけなければならないことがいくつかあります。
過去にいろいろなグループ写真展の主催を経験した方々に、「こんな出展者はすごく困る!」「次は出禁!」という例を聞いて回りました。わたし自身気をつけたいことなので、今回、記事にまとめてみました。
(※グループ展にはいろいろな形態があり、設置・撤収すべてギャラリーにお任せで、参加者は写真を送るだけでOKのところもあります。今回のグループ展は、会場をグループで借りるタイプもので、設営や運営を参加者みんなで行うタイプのものとします)
<こんな出展者は困る! 展示準備編>
・連絡がつかない。 連絡したいことがあるのに、電話も出ないし、メールもSNSのメッセージも読んでくれない、主催者はやきもきして返事を待っています。
・お知らせを読まない。 たいていは、設置・撤収の日時や作品の提出期限等は、一覧になっています。それをメール等で配ったり、ホームページやSNSの特設ページ等を使い、いつでも確認できるようにしている場合がほとんどです。このお知らせをまったく読まずに、その都度「あれはいつでしたか?」と主催に聞くと、ただでさえ忙しい主催者をイライラさせることができます。
・個別対応を求める。 グループ展では、ある程度テーマや機材に縛りがあって、そのレギュレーションに沿って作品を集めます。「一人だけ例外にして欲しい」は、他の人たちを困らせることも……。
・参加費を払わない。 会場の費用などを払うためには、主催者があらかじめまとめて払う場合もあり、参加費が遅れると、誰かが立て替えたりして大変なのだそうです。なんにせよ、期限は守った方がいいですね。

困った例の実例写真を上げるわけにはいかないので、「連絡がつかなくて困っている写真展の主催者の画像」をAIで生成してみました。
※著作権に配慮されたadobeの生成AIを使用しました。
<こんな出展者は困る! 設営編>
・額装が合っていない。 会場ごとに推奨される額の形式があります。釘を打って、額の溝に引っかけるタイプなのか、額の裏に張った紐に引っかけるタイプなのか、主催者にあらかじめ確認しておく方がいいですね。
例えばエルマー35展だと、溝がきってある「極シリーズ」という額が推奨されています。「極シリーズ」以外でも、釘を引っかけられるところがあるタイプの額なら大丈夫です。たまにあるそうですが、紐も、溝も無い、裏がつるっとした特殊タイプのものは、設営の人たちも困ってしまうそう。
あと、全体的な調和を見るので、あらかじめ決められたサイズや額装のルールを大きく外れたものも困るそうです。

写真展会場により違いますが、多くのところでは、壁にくぎを打って額をひっかけます。(撤収の時に、この穴は塞いで綺麗にしてお返しします)

「極シリーズ」の額の後ろが、溝になっているのがおわかりでしょうか。ここにさきほどの釘をひっかけると、多少揺れてもびくともせず、しっかり留められます。

額を壁に掛けたところ。
・方向や順番がわからない。 写真によっては、どちらが上かわからない表現のものもあります。額が複数ある場合には、正しい配置がわからないことも。自分が設営に参加しない場合、指示書のようなものを添えると丁寧です。
・設営日なのに作品が来ない、連絡もつかない。 これも主催者・参加者をおおいに悩ませることになります。
・梱包の箱が再生不可能、または梱包が簡単すぎる。 郵送の場合、展示が終わって作品の返送を希望される方もいます。そのときに箱が利用不可能なものだと、送り返すことができません。あまりに梱包が簡単なものも、額や作品が破損する可能性があるのでおすすめできません。
あと、返送希望の場合、着払い返送用伝票に、自分の宛先を書いた物も忘れずに同封しておきましょう。
わたしも今回、エルマー35展の設営に参加していて、額の後ろと、梱包の箱に自分の印や名前を書いておくと、設営する人たちが見つけやすくて助かるなと思ったので、これからもそうします。

同じく、実例写真は出せませんので、「額のサイズが一つだけ違う写真展の画像」をAIで生成しました。

こんな梱包の人はまずいませんが、こんな風にぼろぼろで再生不可の梱包は困る、という生成AI画像です。
<こんな出展者は困る! 展示編>
・作品の前で話に夢中、お客さんの邪魔になる。 来てくれたお客さんそっちのけで、作品の真ん前で話しているのは、せっかく見に来てくれた人が(もう写真展には二度と来ない)となりがち。気をつけたいですね。
・お客さんにマウントを取る。 これは展示に限ったことではなく、どこでもなのですが、例えば見た目が学生さんや若い女性、あまりカメラに詳しくなさそうな風体の人でも、実際、言わないだけで機材や写真技法にめちゃくちゃ詳しい人はたくさんいます。話している相手が何も知らない前提で声をかけると、返り討ちにあうことも……。

せっかく写真展を見に来たのに、出展者ばかりが盛り上がり、残念な気持ちで帰ることになるAI画像です。
等々、上記のような方はめったにいないそうですが、「こんな出展者は困る!」過去にあった例を伺いました。参加者ひとりひとりが、よりよい写真展を作り上げるために、協力できるといいですね。わたしも気をつけつつ、グループ展に参加したいと思います。


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