わたしは短編映画が好きです。
短編映画の中にはカメラを題材にしたものもあります。今日はその中のおすすめをいくつか紹介したいと思います。
■「寫眞館」(16分)なかむらたかし監督/スタジオコロリド/Netflix
公式サイト:http://www.shashinkan-aoshigure.com/shashinkan/
なかむらたかし監督は、世界に誇るアニメ「AKIRA」の作画監督をつとめていらしたとか。ぜひ公式サイトもご覧いただきたい、戦前の写真館の様子がノスタルジックに描かれています。なんという美しさ!
時は戦前、まず若い夫婦が「日の丸写真館」に写真を撮りに来るところから。写真というものの意義、写真を撮ることの良さがすべて、この16分に描かれているような気がして、大長編を見た後のような感覚をおぼえます。素敵な映画なのでぜひ。
■「blur」SIGMA(15分22秒)SIGMA公式YouTubeチャンネル
https://youtu.be/npZzxda5YtU?si=8QocSWPT4BNDu-jN
こちらの短編映画は七年ほど前に発表されたので、ご覧になった方も多いかと思います。わたしはこの短編映画が本当に好きで、SIGMAという会社もあわせてすごく好きになりました。企業にはいろんな宣伝の仕方があると思いますが、これほどまでに写真を撮ることの本質を表した物語があったでしょうか。まだの方はぜひ、見た方もまた観て欲しい秀作です。
さえない眼鏡のお父さんがいて、そのお父さんの愛機はレチナです。お父さんは不器用で、一生懸命なんですが空回りがち。カメラもボロボロで、お家もなんだか貧しそう。息子はその父に反発しながら大きくなりました。いつしかすれ違う父と息子。そしてある日――
わたしは最初見たときにオイオイ泣きながらカメラサイトでレチナを探しに行きました。この記事を書くためにまた見て泣きました。おすすめです。レチナ欲しい。
■「TUNNEL」(7分52秒)シーン・ルイス・ケリー監督
https://youtu.be/XYLgwxbwEb8?si=krm51Yu-4buA3uKh
こちらの「トンネル」はショートフィルムで賞を取った作品だそう。キヤノンEOS 70Dを持って、山の中を撮り歩く主人公に親近感を覚えます。どこの国でもカメラ好きは同じなんだなと。いろいろ撮り歩いているうちに目の前にトンネルが。中は真っ暗で明かりもないようです。中にはいったい何があるのでしょう……。山の怪異に関しては独特の怖さがありますが、その嫌な感じを描ききった大賞作です。
■「CGI Animated Short Film "Last Shot"」(2分36秒)アメリア・ウィドド監督 CGMeetup
https://youtu.be/TYCFxvU-Lzg?si=UGgPjUeY2Udo8yvf
こちらはCGアニメの短編「ラストショット」、女の子が得意げにポラロイドカメラで撮り歩く様子も可愛らしく、カメラのけなげさにも見入ります。お家に帰りたいカメラの大奮闘。
■「PIT STOP」(2分22秒)ディラン・カトウ監督
https://youtu.be/bPmG5GAwT04?si=kiGzeGixIkLepUGQ
キヤノンEOS C70といえばわたしはカメラとして認識していて、写真を撮るものだとばかり思っていました。ちょっとびっくりしますよ、技術のある人が持つとこんな風に撮れるとは。まあ見てください。
わたしに映画を撮る才能はありませんが、こんなにすごい映像が撮れると知ると、キヤノンEOS C70を持って挑戦してみたくなります。
■「The Boy With a Camera for Face」(14分2秒)スペンサー・ブラウン監督
https://youtu.be/upimuCPmiDY?si=UU4Bykxe1kk9XBOA
こちら字幕無しで英語のみなのですが、だいたいわかります。カメラ少年の話です。カメラ少年とはいえ、カメラ大好き少年というわけではなく、顔がカメラなんです。何を言っているのかわからないと思いますが、見ればわかります。数奇な運命をたどるカメラ君に幸あれ……。
■「I Found a Mystery Film in a 60-Year Old Camera」(4分55秒)マシュー・スタン氏制作
https://youtu.be/wNKlHzD40IA?si=h2df3lg7V4UR9XB_
こちらはYouTubeのドキュメンタリー。60年前のものとされる、ルビテル2の中に入っていた未現像のフィルムを、いろんな角度から丁寧にひもといていきます。海外のラボでの現像の様子もわかるので、興味深く見ました。日本語字幕がないのですが、十分面白い。果たしてこのミステリーフィルムには何が写っているのか。年代や場所は特定できるのか。わくわくしますね。
人生と関わりの深い写真とカメラ。これからもいろいろな物語を探していきたいです。
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