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推すぜ!ペンタックス

第39回 高らかに一眼レフで行く宣言をしたPENTAXのシンボル、ペンタックスK-3 MarkⅢ ③

2022/08/25
赤城耕一

使い分けの秘訣は、APS-C機はテレコンつきだと考える。

 

ペンタックスK-3 MarkⅢ(以下K-3 Ⅲ)話の3回目ですね。本機を使うときに悩むのはレンズの選択です。

 

以前の連載でK-1話をしましたが、35mmフルサイズセンサーとAPS-Cセンサーのカメラって、アサインメントなんかでは両者共用して使用しても、後者はテレコンつきだと考えれば使い分けとしては納得なわけです。
 

筆者は超望遠とかほとんど使用しないこともあるのですが、現場について、ああ、もう少し長焦点のレンズを持ってくればよかったなあという場合にK-3 Ⅲがあると、安堵したりするわけです。もっとも考えてみればK-1は高画素なんだから、とりあえず撮影しておいて、必要なところをトリミングしちまえばいいじゃねえか、という考え方もあるんですけどね、でも、K-1を二台持って歩くのはイヤだし、これはもう気持ちの問題というか、撮影者の精神性の問題になります。

 

ほら、フィルムカメラ時代に、画面の外に黒枠とかないとイヤな人って、ノートリミングにこだわります。これって、「自分は撮影時に四隅までしっかりと観察していて、撮影時には必要なものしか切り取らないんですよ」的な宣言をしているような感じです。
 

写真を観る側にとってはそんなに重要な問題じゃないけど、一応はこの撮影者は被写体に対して真摯にアプローチしているのだと考えるようにしています。筆者もいまだに暗室に入ってますから、こういう考え方もよくわかるんですが、デジタルの自由度って、もっと大らかに考えた方が良さそうですね。

 

K-3 Ⅲに、smc ペンタックスA 24mm F2.8を装着。コンパクトなデザインでK-3 Ⅲに似合います。描写性能はFA☆24mmF2 ALと比較してもそんなに遜色ないんじゃないですかねえ。

 

イチゴの看板です。なんのことはないんですが、逆光のイメージでもフレアがないことに驚いていて、合焦点の再現もとてもいいですね。

ペンタックスK-3 Ⅲ・smcペンタックスA 24mmF2.8(35mm判換算37mm相当)・絞りF4.0・1/1000秒・-0.7EV補正・ISO400・WBオート・RAW

 

35mm好きとしては、小型軽量のA24mmF2.8がいまのお気に入り

 

はい、話が余計なところに行きました。

 

で、このところ、K-3 Ⅲに使用しているレンズってMFレンズが多いですね。どちらかと言えば広角から標準系か。Aポジションのあるレンズならばほとんどストレスなく、K-3 Ⅲの撮影モードを使うことができます。ペンタックスKマウントMFレンズは中古市場では廉価ですが、Aポジションのあるものに関しては少しお高いみたいですね。ただ、K-3 Ⅲは電子接点のないレンズでは、瞬間絞り込み測光を使いますから、Aモード(絞り優先AE)でも設定絞り値で露光することができます。

 

筆者がこのところよく使用しているのはsmc PENTAX A24mmF2.8ですね。35mm判フォーマットの交換レンズで一番好きな焦点距離って35mmですから。どうしてもK-3 Ⅲでは24mmになります。
 

お前さ、smc PENTAX FA☆24mm F2 ALを褒めてたじゃねえかよ、こっち使わねえのかよ、と言われそうだけど、ええ、褒めてましたけど、いつも使っているとは言ってません。あ、“FA☆を使いなさい” とか書いたんだっけ。でもこのレンズは少しデカいんでK-3 Ⅲには常時つけっぱなしってレンズじゃないですねえ。

 

Aレンズは露出はマルチモードでいけます。カメラ側のメニューで絞り環使用をONにすればA位置以外でも使えますけど、Aモードではシャッタースピードは「AUTO」表記が出るだけで、少しサービスが足りません。

 

手形?わずかに像面の歪曲があるようです。でも画質的にはとても高く安心です。オールドレンズの範疇だけど、描写にはクセがありません。

ペンタックスK-3 Ⅲ・smcペンタックスA 24mmF2.8(35mm判換算37mm相当)・絞りF5.6・1/640秒・ISO400・WBオート・RAW

 

デジイチで使うようになって評価が上がった稀有なレンズ

 

で、この選択したsmc PENTAX A 24mmF2.8はびっくりするほど使いやすくて感動しました。小型軽量で素晴らしいです。
フィルム時代はそんなに感じなかったのですが。絞り開放から画面中央はまずまずな切れ込みだし、距離指標もしっかりしていますから日中晴天下では目測スナップでも使いやすいです。
 

ただ、絞りを開いて撮影し、厳密に狙いをつけたところにフォーカシングするには少し慎重に。被写界深度がもともと深いので、K-3 Ⅲのファインダースクリーン上ではパンフォーカスに近く見えますが、フォーカスの頂点の見極めにコツは必要です。

 

もちろんフォーカスエイドも使えますからこれに頼る方法もありますが、これは位相差での測距になりますから、全面的に頼ることなく参考程度で考えてもいいかとは思います。
 

ちなみに本日は24mmはイイと書きましたが、明日は50mmになるかもしれない。読者のみなさま、ご存知の通り優柔不断、かつ適当な筆者でございますから、本気にされないようにお願いします。

 

 

奇妙な景色を見つけました。もうちょいシリアスな露出にすればよかったですかね。細かいディテールまでよく再現されていて、最新レンズと比較しても遜色ないですね。

ペンタックスK-3 Ⅲ・smcペンタックスA 24mmF2.8(35mm判換算37mm相当)・絞りF8.0・1/250秒・-0.7EV補正・ISO400・WBオート・RAW

 

強い日差しの漁港でメンテナンス中の白い船体が目立っていました。ハイライトの再現は良い感じですし、ディーテールもよく見えます。わずかにタル型の歪曲があるみたいですが気にならないですね。
ペンタックスK-3 Ⅲ・smcペンタックスA 24mmF2.8(35mm判換算37mm相当)・絞りF8.0・1/800秒・-0.7EV補正・ISO200・WBオート・RAW

 

最短撮影距離は0.25mですね。いいことです。描写的にも、このくらいならの撮影なら得意とするレンズであります。本当に使いやすいです。

ペンタックスK-3 Ⅲ・smcペンタックスA 24mmF2.8(35mm判換算37mm相当)・絞りF9.0・1/200秒・-1EV補正・ISO200・WBオート・RAW

 

 

 

 

  •  
  • smcペンタックス A 24mmF2.8 SPECS
     
    ◉画角=84°
  • ◉レンズ構成=8群9枚
    ◉最小絞り=F22
    ◉フィルター径=52mm
    ◉最短撮影距離=0.25m
  • ◉フィルター径=52mm
  • ◉フード=別売(3,000円・税別)
    ◉大きさ=63(最大径)✕41.5(全長)mm
    ◉重量=205g
  • ◉発売日=1983(昭和58)年3月1日
    ◉発売時価格=39,000円(税別)

 

 

 

ペンタックスK-3 MarkⅢカタログより抜粋(資料提供:リコーイメージング株式会社)

 

 

  • 【PENTAX K-3 MarkⅢ 性能表】
  •  
  • ◉型式
    型式=TTL AE・AF一眼レフデジタルカメラ
    レンズマウント=ペンタックスバヨネット KAF2マウント(AFカプラー・情報接点・電源接点付き)
    使用レンズ=KAF4、KAF3、KAF2(パワーズーム対応)、KAF、KAマウントレンズ ◉撮像部
    撮像素子=APS-CサイズCMOS、サイズ:23.3✕15.5mm 有効画素数=約2573万画素(総画素数 約2678万画素)
    ISO感度=ISO AUTO/100~1600000(1EV、1/2EV、1/3EVステップ)
    手ぶれ補正=撮像素子シフト方式「SR Ⅱ」(5軸補正)、オート/流し撮り/オフ
    ローパスセレクター=SRユニットを用いたモアレ低減、オフ/弱/強/ブラケット撮影(2枚)/ブラケット撮影(3枚)
  •  
  • ◉記録形式
    画像ファイル形式=RAW(PEF/DNG)、JPEG(Exif2.3準拠)
    最大記録画素数=JPEG:L(26M:6192✕4128)、RAW:(26M:6192✕4128)
    画質=RAW(14bit):PEF、DNG JPEG:★★★、★★、★、RAW+JPEG
    記録媒体=SD、SDHC、SDXCメモリーカード(UHS-Ⅰ/UHS-Ⅱ規格に対応) ※UHS-Ⅱはスロット1のみ
    デュアルスロット=順次、複製、RAW/JPEG分離、画像コピー ◉ファインダー
    方式=ペンタプリズムファインダー
    視野率・倍率=約100%・約1.05✕(FA 50mmF1.4・∞) アイレリーフ長=約20.5mm(見口枠より)
    視度調節機能=約-4~+1m-1ディオプトリ−
    フォーカシングスクリーン=ナチュラルブライトマットⅢ
  •  
  • ◉ライブビュー
    方式=撮像素子によるTTL方式
    フォーカス=コントラスト検出式(オートエリア、ゾーンセレクト、追尾、セレクトL/M/S、スポット)
    機能=フォーカスアシスト、顔検出、タッチAF
    表示=視野率約100%、拡大表示(最大16倍)、グリッド表示、ヒストグラム表示、白とび警告、構図微調整
  •  
  • ◉画像モニター
    形式=TFTカラーLCD、広視野角タイプ、エアギャップレス強化ガラス 画面サイズ・ドット数=3.2型(アスペクト比3:2)・約162万ドット タッチパネル=静電容量方式 
  •  
  • ◉ホワイトバランス
    方式=撮像素子およびRGBIrセンサーによる併用方式
    ホワイトバランス=オートWB、マルチパターンオートWB、太陽光、日陰、曇天、蛍光灯(D:昼光色、N:昼白色、W:白色、L:電球色)、白熱灯、CTE、マニュアル(3種類登録可)、色温度設定(3種類登録可)、撮影画像設定
    微調整=A-B軸、G-M軸で±14ステップで調整可
  •  
  • ◉オートフォーカス
    方式=TTL位相差検出式、専用LEDによるAF補助光付き
    測距センサー=SAFOX13、101点測距(中央25点はクロスタイプ)
    輝度範囲=EV-4~18(ISO100・常温)※-4EVは、F2.8光束対応レンズ装着時、F2.8光束対応測距点のみ
    AFモード=シングルAF(AF.S)、コンティニュアスAF(AF.C)
    AFエリア=オートエリア、ゾーンセレクト、セレクト、セレクトエリア拡大(S、M、L)、セレクト(S)、スポット
  •  
  • ◉露出制御
    測光方式=30.7万画素RGBIrセンサーによるTTL開放測光、分割/中央重点/スポット/ハイライト重点
    露出範囲=EV-3~20(ISO100・50mmF1.4)
    露出モード=シーンアナライズオート、プログラム、感度優先、シャッター優先、絞り優先、シャッター&絞り優先、マニュアル、バルブ、フラッシュ同調速度、USER1、USER2、USER3、USER4、USER5
    露出補正=±5EV(1/2EV、1/3EVステップ選択可)
  •  
  • ◉シャッター
    方式=電子制御式縦走りフォーカルプレーンシャッター *リアル・レゾリューション時には電子シャッターを使用
    シャッタースピード、オート:1/8000秒~30秒、マニュアル:1/8000秒~30秒(1/3EV、1/2EVステップ)、バルブ(タイマー露光設定可能:1秒~20分)
  •  
  • ◉ドライブモード
    ドライブ=1コマ、連続(H、M、L)、ブラケット(2コマ/3コマ/5コマ)、被写界深度ブラケット、モーションブラケット、ミラーアップ、多重露出(平均、加算、比較明)、インターバル撮影、インターバル合成 タイマー/リモコン=セルフタイマー(12秒、2秒)、リモコン(即時、3秒)
    連続撮影=最高約12コマ/秒、JPEG(L★★★・連続H):37コマまで、RAW:32コマまで、RAW+:30コマまで 最高約7.0コマ/秒、JPEG(L★★★・連続M):60コマまで、RAW:37コマまで、RAW+:33コマまで 最高約2.5コマ/秒、JPEG(L★★★・連続L):90コマまで、RAW:39コマまで、RAW+:37コマまで 
  •  
  • ◉外付けフラッシュ
    発光方式=自動発光、赤目軽減自動発光、強制発光、赤目軽減強制発光、スローシンクロ、赤目軽減スローシンクロ、P-TTL、光量比制御、ハイスピードシンクロ、ワイヤレスシンクロ可能 
    シンクロ同調速度=1/200秒
  •  
  • ◉撮影機能
    カスタムイメージ=オートセレクト、鮮やか、ナチュラル、人物、風景、雅(MIYABI)、ポップチューン、ほのか、フラット、銀残し、リバーサルフィルム、モノトーン、クロスプロセス クロスプロセス=シャッフル、プリセット1~3、お気に入り1~3
    デジタルフィルター=色抽出、色の置換え、トイカメラ、レトロ、ハイコントラスト、シェーディング、ネガポジ反転、ソリッドモノカラー、ドラマチックアート、ハードモノクローム、粒状感モノクローム
    Real Resolution=三脚撮影(動体補正あり)、三脚撮影(動体補正なし)
    レンズ補正=ディストーション補正、周辺光量補正、倍率色収差補正、回折補正
  •  
  • ◉動画
    ファイル形式=MPEG-4 AVC/H.264(MOV)
    記録サイズ フレームレート=4K(3840✕2160、30p/24p) Full HD(1920✕1080、60p/30p/24p)
    音声=内蔵ステレオマイク、外部マイク使用可能(ステレオ録音)、録音レベル調整可能、風切音低減可能
    記録時間=最大4GBまたは最長約25分、内部温度上昇時は自動終了
  •  
  • ◉再生機能
    再生方法=1画像、マルチ画面表示、拡大(最大16倍)、グリッド表示、回転表示、ヒストグラム表示、白とび警告表示、縦位置自動回転、詳細情報表示、著作権情報表示、GPS情報、方位、フォルダー表示、撮影日別表示
    消去機能=1画像消去、全画像消去、選択消去、フォルダー消去、撮影日消去、クイックビュー消去
    RAW現像=RAW画像選択:1画像選択/複数画像選択/フォルダー選択/撮影日選択 RAW現像パラメーター20項目
    編集機能=プロテクト、回転、コピー、転送、RAW追加保存、リサイズ、トリミング、レベル補正、ホワイトバランス補正、色モアレ補正、動画切出し、動画分割、動画フレーム画像JPEG保存
  •  
  • ◉カスタマイズ機能
    設定項目=ユーザーモード、Fxボタン、AF/AEロック設定、プレビューレバー、電子ダイヤル、スマートファンクション、タッチパネル、アイセンサー、ファインダー内表示、表示パネル、画像モニター表示、クイックビュー、拡大表示、警告表示、コントロールパネル、モードメモリ、露出設定ステップ、ISO感度ステップ、色温度ステップ、焦点距離入力、回転情報記録、絞り情報記録、AF微調整、著作権情報
  •  
  • ◉電源
    使用電池=充電式リチウムイオンバッテリーD-LI90P、AC
    電池寿命=撮影可能枚数 約800枚、CIPA規格準拠
  •  
  • ◉外部インターフェース
    端子=USB端子(USB Type-C)、ケーブルスイッチ端子(φ2.5mm)、Xシンクロソケット、HDMI端子(タイプD)、マイク端子、ヘッドホン端子
    USB接続=USB3.2 Gen1、データ転送: MTP/CD-ROM、充電式バッテリーへの充電/カメラ本体への電源供給(専用ACアダプター使用時)
  •  
  • ◉無線LAN
    準拠規格=IEEE 802.11b/g/n(無線LAN標準プロトコル)
    使用周波数(中心周波数)=2412MHz~2462MHz(1ch~11ch)
    セキュリティ=認証方式:WPA2、暗号化方式:AES
  •  
  • ◉Bluetooth通信
    準拠規格=Bluetooth v4.2(Bluetooth Low Energy)
    使用周波数(中心周波数)=2402MHz~2480MHz(CH0~CH39)
  •  
  • ◉外形寸法・質量
    寸法=約134.5mm(幅)✕103.5mm(高)✕73.5mm(厚) (突起部を除く)
    質量=約820g(バッテリー、SDカードを含む)・約735g(本体のみ)
    ボディカラー=ブラック/シルバー
  •  
  • ◉発売時期=2021(令和3)年4月23日
  •  
  • ◉価格=オープンプライス(ボディのみ 実売280,000円・税込)

 

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