top コラム推すぜ!ペンタックス第25回【特別編】真面目に写真と向き合っている感を演出できる!? 堅実なマニュアル一眼レフ、リコーXR-1s

推すぜ!ペンタックス

第25回【特別編】真面目に写真と向き合っている感を演出できる!? 堅実なマニュアル一眼レフ、リコーXR-1s

2022/05/20
赤城耕一

昔から蜜月の関係!? リコーフィルム一眼レフも推しちゃいます

 

フィルム一眼レフでは推すペンタックスがネタ切れに近くなってまいりました。もちろん識者の皆さんに言わせれば、あれもないこれも出てきてないぜ、と言われちゃいそうですが、うちは中古カメラ店ではありません。誰ですか?なんだ違うのかよとかいう人。お願いしますよ。ったく。
 
で、今回はスピンオフ企画として、いきなりで申し訳ないのですが、リコーのXR系の一眼レフを推すことにしました。マウントはKマウント互換だし、今や、ペンタックスはリコーから発売されているわけでありまして、もう一心同体というか、ナカーマなわけです。
 
乱暴と思われてしまうかもしれないですが、じつはずいぶん昔からリコーとペンタックスは仲良しだったんですぜ。リコーはカメラ、レンズの自社工場を所有していないことで有名ですけど、リコーのXRマウントレンズの一部はペンタックスでも作ってもらってたんですよ。ユニバーサルマウントの強みがこのあたりにもありますね。マウントの規格を解放しているということは、デッドコピーではないから、確実な動作が約束されます。
 
リコーXRレンズとペンタックスレンズは鏡筒のデザインが違えど、レンズ構成見ても同じじゃねえのかこれは、みたいなものもあるのですが、時間ある人は探して報告してください。もしかするとM42マウント時代から両者は密かに提携していたりしてね。知らんけど(使い方あってますか?)。あ、調べるのはボランティアでお願いします。
 
この種のネタでリコーの一眼レフというと、決まって「サンキュッパ」の価格で販売したXR500が出てまいりますが、筆者は残念ながら所有してません。なんかね、欲しくないんですよね。カメラ好きの酒宴とかにXR500を持っていってもあまりウケそうにないじゃないですか。
 
XR500は最高速1/500秒ですが、本当は改造しちゃえば1/1000秒出るんだぜ、みたいなネタも使い古されておりますね。
 
それにしても、本来は1/1000秒が出るカメラの1/1000秒を封印すると、コストが下がるんですかねえ。なんかそういう無理やり安くみせてますというのがツラくないですか、気持ち的に。そうでもないのか。でもXR500ってかなり売れたカメラだから、意外に世間で知られているすごい名作が撮られていたりするかもしれないですよね。やはり買っておくべきかなあ。

 

 

リコーXR-1s+XRリケノン50mmF2

ものすごくオーソドックスなんですけど、デザイン的にもそんなに悪い印象はないんですよね。特に小型軽量じゃないけど重さもちょうどいい感じ。

 

リコーのKマウント初号機XR-1がワインダー装着可能に進化

 
で、前置きが例の如く長くなりましたが、今回ご紹介するのは1979年に登場するリコーXR-1sですね。もう「1」の称号ついてますからね、間違いないカメラですね。何がだ。
 
いやすみません。「S」がついているカメラって、大抵はついていない機種もあるわけです。ですのでXR-1というカメラがありました。XR-1sとの違いって、専用のワインダーが装着できるか否かということだけみたいですね。あ、それと専用のストロボを装着するとチャージした時にアイピースの脇にあるLEDが光るみたいですぜ。
 
XR-1を見たことないので知らないわけですがこれは1977年に登場しております。ちなみにXR-2というのもあり、こちらは絞り優先AEを搭載しています。XR-2にワインダーを装着可能としたのがXR-2sということになります。時代的にニコンFMとFEの関係に似ております。
   
内蔵のTTLメーターは追針式ですね。ファインダー内の右側にシャッター速度表示が表示され、設定速度は緑色指針でメーター指針を重ね合わせれば適正露出になるという方式です。機能的にはペンタックスKXに近いですよね。しかも絞り値直読窓もありますから、一応は情報集中ファインダーと言っても良いのかもしれません。

 

 

巻き上げレバー予備角とスイッチを兼ねている方式。シャッターダイヤルの数字は立て込んでない印象で、1/2000秒とかも入れることができそう。

 

 

ISO感度設定ダイヤル。ISO3200まであるのは偉いですね。右下はロック解除ボタン。

 

 
品のいい外装、使いゴコチ…、意外なほどの作り込みの良さ

 

で、XR-1sを取り上げたのは、もう一つ理由があって、失礼ながら意外と作り込みがいいカメラじゃないかということも理由になっています。まず外装のブラック仕上げがなかなか品がいいのですね。厚みがあります。
 
ペンタプリズムも尖らせることなく、良い感じに処理してあります。ただ、絞り直読窓のデザインだけが気に食わないですね。両側にあるビスの位置とかね。ツメの甘さを感じますが、おそらくはこの直読式窓を埋めた機種を出して、コストダウンして安くしました、みたいなカメラもあるんじゃないのかな。
 
巻き上げ感触もスムーズです。巻き上げ角は135度で小さいですね。ただ、残念ながら小刻み巻き上げはできません。シャッターは縦走りですが、この当時の縦走りシャッターのカメラで小刻み巻き上げができたカメラはすごく少ないですね。
 
シャッターボタンも廉価なカメラにありがちなぐずぐずしながら落ちる感じがありません。とても切れ味がいいわけです。シャッターはメカニカルで動作音はメタル製のためか小さくはありませんが、心地よい響きで好印象です。
 
ファインダーもなかなかの大きさですね。倍率は0.88倍もあります。視野率は93パーセント。プリズムは銀蒸着なので、コストがかかっております。見やすいですね。ただ、スクリーンが斜めスプリットマイクロプリズムです。これ、水平線の被写体には役立ちますが、一般的に通常のスプリットよりも測距精度が落ちると言われています。もちろんマイクロプリズムでも確認すればいいわけですが、でもね、皆さん勘違いされてますけど、一眼レフはマット面でピントを合わせる訓練をするのがスジなんですぜ。合わせにくいカメラもあるけどね。

 

 

絞り直読窓です。この壁の修繕部材みたいなのを使ったのは失敗でしたねえ。デザイン的にも残念です。

 

 


アクセサリーシュー。専用ストロボ使用時、チャージを本体アイピースのLEDに知らせるために右下に小さな金属接点がありますね。

 

 

ボディ右裏に、多重露光用のレバーがあります。右側の丸いボタンはロック解除ボタンです。

 

 

 

ワインダー装着ができないと商売にならなかった時代

 

XR-1sのワインダーは「XRワインダー1」といいます。2コマ/秒で撮れますからシャッターチャンスもバッチリ捉えられますね。ええ、嘘です。でもこの時代の一眼レフカメラって、ワインダーが装着できませんと商売にはならなかったと思います。単3形アルカリ電池4本を使用しますが、36EXで30本の撮影が可能のようです。
 
苦労の末、筆者はXRワインダー1を某所にて単体で発見しました。でXR-1sに装着したところ、無事に動きました。ただ、唸るようなすごい動作音がします。これを屋外で人がいるところで使うのは結構勇気が必要です。モデルさんなら喜んでくれるでしょうか。ワインダーはボディの作り込みと比較すると、ずいぶんお安く作りましたね、という印象です。貼り革もありません。グリップの形状ももう少しなんとかならなかったのでしょうか。グリップは弱いです。
 
ワインダーの利点は、連続写真を撮るためではなくて、手持ち撮影でなるべくフレーミングを変えずに、続けて撮りたい場合に重宝します。手巻きですと、フィルム巻き上げのためにカメラが動いてしまうからです。
 
もう一つ、このワインダーがエラいのはワインダーのシャッターボタンがトリガー方式で、カメラ本体のメータースイッチと連動していることです。1段目でメーターのスイッチが入り、2段目でシャッターが切れます。巻き戻しはクランクを使います。
 
XR-1sは正直どうということはないマニュアル一眼レフカメラなのですが、XRシリーズの中ではきちんと作っているという印象が強いですね。ペンタックス一眼レフとレンズを双方入り乱れて使ってみたいなあといつも思いますね。意外とこれまでやっていそうでやってないんだな。とにかく所有している人は真面目で写真に向き合っている感じで見られるんじゃないかなあ。筆者だけか、そう思うのは。

 

 

 

XRワインダー1を装着したXR-1s。意外とイケている感じがします。ただ、ワインダーは貼り革などの装飾がないのはなあ。

 

 

ワインダーのシャッターボタンです。レリーズソケットが付いてますね。アナログな感じがいいですねえ。

 

 

ワインダーの電源スイッチです。1コマと連続撮影を切り替えることができます。必要ないような気がしますが、まあ、いいんじゃないかな。

 

 

ワインダーの電源は単3形アルカリ電池を4本使います。取り外しできる電池ホルダー方式なので、交換しやすいですね。

 

 

ボディ底面です。ワインダーのカプラーがあります、剥き出しですね。電気接点は離れたところに3カ所です。

 

 

 

 

 

  • 【 リコーXR-1s 性能表】
  •  
  • ◉型式=TTL式露出計連動35mm一眼レフフォーカルプレーンシャッターカメラ
  • ◉使用フィルム/画面サイズ=35mmフィルム J135/24✕36mm
  • ◉レンズマウント=Kマウント
  • ◉標準レンズ=XRリケノン50mmF2、XRリケノン50mmF1.7、XRリケノン50mmF1.4、フィルター径52mm
  • ◉シャッター=上下走行式メタルフォーカルプレーンシャッター、B、1~1/1000秒
  • ◉セルフタイマー=内蔵、約10秒
  • ◉ファインダー視野率=上下93%、左右93%
  • ◉ファインダー倍率=0.88倍(50mmF1.4のとき)
  • ◉ファインダー内表示=シャッタースピード、絞り、バッテリーチェック
  • ◉ファインダー接眼部=フラッシュ充電ランプ点灯式
  • ◉ファインダーシャッター=なし
  • ◉ピント合わせ=スプリットマイクロプリズム式
  • ◉測光方式=開放測光TTL追針式手動調節、中央重点平均測光
  • ◉露出補正=不可
  • ◉測光範囲=EV3~EV18(ASA100、F1.4)
  • ◉フィルム感度範囲=ASA12~3200
  • ◉シンクロ接点=X接点
  • ◉アクセサリーシュー=ホットシュー
  • ◉フィルム巻上げ=一作動レバー巻上げ式、巻上げ角135°、予備角20°、40°の2段切換、自動巻上げ可能(2枚/秒)、リコーXRワインダー1装着時
  • ◉フィルムカウンター=自動復元順算式
  • ◉フィルム巻戻し=巻戻しクランク方式
  • ◉多重露出=多重露出ボタン(M、E)により可能(ロック式)
  • ◉ミラー=クリックリターンミラー
  • ◉裏ブタ開閉=巻戻しノブ引上げによる蝶番式開閉
  • ◉電源=G13(S76またはMS76)1.5V  2個使用
  • ◉大きさ=139.9(幅)✕91.3(高さ)✕49.7(奥行)mm
  • ◉重さ=ボディのみ 550g
  • ◉標準レンズの重さ=50mmF2 190g、50mmF1.7 210g、50mmF1.4 260g
  • ◉主要交換レンズ=28mmF3.5、28mmF2.8、35mmF2.8、50mmF2、50mmF1.7、50mmF1.4、135mmF2.8、200mmF4、70-150mmF3.5ズーム
  • ◉主要アクセサリー=ベローズ、中間リング、視度調整アダプター、Pマウントアダプター、アイカップ、リコーXRワインダー1、リコーXRスピードライト240
  • ◉発売時期=1979(昭和54)年7月11日
  • ◉価格=ボディのみ 37,800円、50mmF2付き 49,800円
  • ◉月産台数=7000台/月
  •  
  •  
  • 【 リコーXRワインダー1 性能表】
  •  
  • ◉使用対象機種=リコーXR-1s、リコーXR-2s
  • ◉電源=単3形電池4本(SUM-3、AM-3、ニッカド蓄電池使用可)
  • ◉撮影コマ数=1コマ撮影(S)、連写(C)、(毎秒約2コマ)切換式、最高36枚まで連写可能
  • ◉撮影可能本数=常温の時、単3形電池(AM-3)4本で、36枚撮りフィルム30本
  • ◉カウンター=カメラのカウンターによる
  • ◉トリガーボタン=グリップ上面にある(2段スイッチで、1段目測光スイッチ、2段目モーター駆動スイッチ
  • ◉電源スイッチ=スライドスイッチによるS(1コマ)、OFF、C(連写)切換
  • ◉露出計スイッチ=トリガーボタン兼用
  • ◉シャッター速度=1~1/1000秒(1コマ、連写共)※B(バルブ)は使用不可
  • ◉遠隔操作=ケーブルレリーズによるトリガー可能
  • ◉巻戻し=カメラの巻戻しクランクによる手動巻戻し
  • ◉カメラへの取付け=三脚ねじによる
  • ◉三脚座=ワインダー底面
  • ◉大きさ=幅145.5✕高さ(本体)32.0(グリップ)101.5✕奥行(本体)36.0mm(含グリップ)69.5mm
  • ◉重さ=250g(電池別)
  • ◉その他=トリガーボタン部にケーブルレリーズ用さしこみねじ有り
  • ◉発売時期=1979(昭和54)年7月11日
  • ◉価格=18,000円
  • ◉月産台数=1000台/月

 

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