top コラム推すぜ!ペンタックス第29回 大胆な思想を感じる唯一無二の“なんちゃって”ミラーレス、ペンタックスK-01[後編]  

推すぜ!ペンタックス

第29回 大胆な思想を感じる唯一無二の“なんちゃって”ミラーレス、ペンタックスK-01[後編]

2022/06/17
赤城耕一

K-01を提げてぶらぶらの結果……

 

久しぶりのペンタックスK-01なんで純正ストラップをつけて、肩から下げて、家の近所そこら辺を歩き回ったわけですよ。で、一休みのために行きつけの喫茶店に入ったら、なんだかカメラの外装が黒い粉のようなもので汚れていてですね、自分の指先も黒いわけ。これにはビックリしました。
はて、なんだろうなとよく観察すると、すぐ原因がわかりました。専用ストラップの劣化、おそらく加水分解だと思いますが、裏側がボロボロになって、滑り止めが粉のようになって付着していたわけです。もうね、怒りますね。肩なんか真っ黒です。また妻に叱られる、ったく。
 

と、いうことで始まりました、ペンタックスK-01の第二回ですね。もうね、このようなトラブルがあるとモチベーションがかなり低下する意外と神経質なところもある筆者なのですが、仕方ないですよね、続けてやります。
あ、このK-01に同梱された純正ストラップですが、「PENTAX」のロゴが唯一無二のもので変わっております。筆者はカメラや指が汚れたので怒り狂い、すぐに捨てましたので、ストラップの写真を撮り忘れました。同じものをお持ちの方は捨てる前に記録として、撮影しておくようにお願いいたします。
 

一撃必撮!「心眼」で撮影!

 

で、なんだっけ。あ、K-01実写ですよね。これね、しばらくぶりに引っ張り出したのですが、なかなか愛いやつですね。デザイン的には唯一無二ですね。小型のレンガを持っているみたいです。レンガは持ったことないけど。小さいレンズつけるとコロコロしておりますね。
難儀するのは、ライブビュー撮影のため日中晴天下など明るい場所で背面のLCDを観察するのがなかなか難しいことが障壁ですね。こんなに見づらかったっけか?
このあたりで早くも使用するのを挫折しそうになるのですが、レポートのために我慢します。
 

ただね、長いこと写真をやっていると、それぞれのレンズの焦点距離別による、おおよそ撮影範囲がアタマに入っているわけですから、勘でフレーミングしちゃいます。私の場合は「心眼」と言っていいでしょうか(笑)。
AFだとフォーカスエリアも見づらいのですが、これは諦めるしかないですね。ただね、いつものクセでモニターを指でタッチしてもエリアが動きません。
ええ、K-01はタッチAFではないからですね。年寄りですから、すぐにそれを忘れて、一生懸命モニターをタッチする自分がいるわけです。悲しいですね、トシをとるって。
そんな感じで、明るい場所ではおおよそこんなものだろうということで、フレーミングして撮影します。当然のように撮影画像もよく見えませんから、だいたいでいいんじゃねえかなあという覚悟と潔さが出てきます。でも、ヒストグラムくらいは確認しましょう。あ、このためもあり、K-01はすべてRAW(DNG)設定で撮影しとります。
 

ところがですね、RAW設定にしますと、もうね、連続撮影していても、超かったるいK-01なのです。
うちにあるコマ速が遅いことで有名なハッセルブラッド553ELXよりもさらにコマ速度が遅いですね。ですので動体が画面を横切るような場面で、自分の好きな位置で捉えようなんていう場合は、神業ですね。たとえば筆者も次のような経験があります。
良い感じの街角を見つけたので、点景人物として画面内に人を入れ込もうとしたのですが、ゆっくり歩いている人でさえ、画面内の理想の位置に入れ込むのを失敗したくらいなのです。こういう時には泣きたくなりますね。しかし、心眼で撮影するなら、MF設定して、一撃必撮で被写体を掴まなければダメということかもしれません。つまり筆者に修行が足りないということであります。何年経とうが成長がないわけで情けないことです。
 

不変のKマウントが泣いているぜ

 

で、撮影モードですね。基本的にはK-01に装着するレンズは電子接点のあるペンタックスレンズを選ぶのがスジですね。なぜかといえば、電子接点のないレンズでAEに設定しますとどのモードでも、絞りが動作しないからです。シャッターは落ちるんだよなあ。
もうね、ぼーっとしていると全部のカットが開放絞りになりますからね。これはイヤですね。良いのは開放絞りであるからこそレンズの味とやらが理解できるとするレンズマニアの方々だけでしょう。
それも個人の自由ですから、かまいませんが、たまには、表現目的のために絞りを選びませんか?それにしても、ペンタックスはいつからこういう仕様になったんでしたっけか?記憶ないんですよね。
 

不変のKマウントが泣いてしまうぜ、ということでK-01にMFレンズを使うのはそんなにお勧めしないのですが、けれど、K-01にはグリーンボタンがあります。これがボディ上面に。これ、かなり目立ちます。マーク ニューソンが大きさと位置の指示したんですかね?ちなみに動画モードは赤色ボタンです。これもそれなりにデカいわけです。
使い方は単純ですね。電子接点のないKマウントレンズをつけてもMモードでグリーンボタンを押せば適正露出になります。しかも絞りを固定してシャッタースピードをシフトされるのかシャッター速度を固定して絞りを動かすのかは選ぶことができます。
これがすごいのかどうか、わかりません。でもね最初っから、瞬間絞り込み測光システムを入れておけば済んでいたのではないのかなあとは思いますよ。
 

古いペンタックスKマウントレンズやM42マウントのレンズを絞り優先で使えるようにしておけば、みなさん幸せになれたんじゃないかあと。コストを下げるためには入れないでおこうってことかなあ。K-3IIIでは、電子接点のないKマウントレンズでもストレスなく動作しますからねえ。こういうペンタックスの一貫性のなさにはちょっぴりがっかりしますね。

 

 

35mm判換算画角は65mmくらいなので、少し長めの標準レンズと考えればいいかなと。自然な感じはしますね。実焦点距離が短いので被写界深度が深いです。

smcペンタックスFA43mm F1.9 Limited・絞りF9・1/1000秒・−0.7EV補正・ISO400

 

 


43mmは最近コーティングに変わりましてHDとなったんですが、smcとの違いとかよくわからんのです。古い設計のレンズですがよく写ります。

smcペンタックスFA43mm F1.9 Limited・絞りF2.2・1/2000秒・ISO100

 

 

 

この写真はグリーンボタンを押し忘れて絞り開放ですが、ものすごくよく写ります。フィルムでもコントラストの高い再現性で驚いた記憶があります。Mレンズとして小さくなったのにこの描写は感激します。

smcペンタックスM35mm F2.8・絞りF2.8開放・1/1000秒・ISO400

 

 

 

 

Kマウントへの変更と同時に登場したSMCペンタックス50mm F1.4ですね。タクマー時代の同スペックレンズと基本性能は変わっていない感じ。これもグリーンボタン押し忘れて絞り開放ですが、ポヤポヤでコントラストが低く、シャープネスも今ひとつ。ボケを見るために複雑な背景を選びましたが、これなら問題はないですね。

SMCペンタックス50mm F1.4・絞りF1.4開放・1/2000秒・ISO400

 

 

 

 

ユーザーからの再販の要望に応え、特別カラーモデルを2013年7月25日に追加発売した、「PENTAX K-01 レンズキット ホワイト×ブルー」のカタログより抜粋(資料提供:リコーイメージング株式会社)

 

 

 

  • 【PENTAX K-01 性能表】
  •  
  • ◉型式=レンズ交換式デジタル一眼カメラ
  • ◉レンズマウント=ペンタックスバヨネットKAF2マウント
  • ◉使用レンズ=KAF3、KAF2(パワーズーム非対応)、KAF、KAマウントレンズ
  • ◉撮像素子=23.7×15.7mmサイズCMOS、総画素数 約1649万画素、有効画素数 約1628万画素
  • ◉ダストリムーバル(ゴミ取り)=撮像素子駆動およびSPコーティング
  • ◉ISO感度=AUTO/ISO100~12800(1EV、1/2EV、1/3EVステップ)※カスタム設定により拡張ISO100~25600まで使用可
  • ◉手ぶれ補正=撮像素子シフト式
  • ◉画像ファイル形式=静止画:RAW(DNG)、JPEG(Exif2.3)準拠、DCF2.0準拠 動画:MPEG-4 AVC/H.264
  • ◉最大記録画素数=[静止画] JPEG[[3:2]16M:4928×3264ピクセル、[動画][Full HD]1920×1080ピクセル(16:9、30fps/25fps/24fps)
  • ◉画質=[静止画]RAW(12bit):DNG、JPEG:★★★(S.ファイン)、★★(ファイン)、★(エコノミー)、RAWとJPEGの同時記録可、[動画]★★★(S.ファイン)、★★(ファイン)、★(エコノミー)
  • ◉記録媒体=SD、SDHC、SDXCメモリーカード
  • ◉画像モニター=3.0型TFTカラーLCD、約92.1万ドット、視野率約100%、グリッド表示可能(6分割、黄金分割、スケール)、白とび黒つぶれ警告表示、ヒストグラム表示
  • ◉ホワイトバランス=オート、太陽光、日陰、曇天、蛍光灯(D:昼光色、N:昼白色、W:白色、L:電球色)、白熱灯、ストロボ、CTE、マニュアル ※A-B軸、G-M軸で±7ステップで調整可
  • ◉オートフォーカス
  • ・フォーカス方式=コントラスト検出式、専用LEDによるAF補助光付
  • ・輝度範囲=EV1~18(ISO100・F1.4レンズ使用時)
  • ・フォーカスモード=AF/MF切替式
  • ・AF方式=顔検出、追尾、セレクト(エリアサイズ、位置変更可)、スポット
  • ・MFアシスト=オフ/×2/×4/×6
  • ◉露出制御
  • ・測光方式 = TTL撮像センサー測光、分割測光、中央重点測光、スポット測光
  • ・露出範囲=EVー1~21(ISO100・F1.4レンズ使用時)
  • ・露出モード= オートピクチャーモード(標準、人物、風景、マクロ、動体、夜景人物、夕景、青空、フォレスト)、シーンモード(人物、風景、マクロ、動体、夜景人物、夕景、青空、フォレスト、夜景、夜景HDR、ナイトスナップ、料理、ペット、キッズ、サーフ&スノー、逆光シルエット、キャンドルライト、ステージライト、美術館)、プログラム自動露出、シャッター速度優先自動露出、絞り優先自動露出、マニュアル露出、バルブ、HDR(±1EV、±2EV、±3EV切替可)※HDR、夜景HDRはJPEG固定
  • ・露出補正 =±3EV(1/2EVステップ、1/3EVステップ選択可)
  • ・AEロック=メニューにてAF/AE-Lボタンに割り当て可能
  • ◉シャッター=オート:1/4000秒~30秒、マニュアル:1/4000~30秒(1/3EV、1/2EVステップ)、バルブ
  • ◉ドライブモード=1コマ、連続(Hi、Lo)、セルフタイマー(12秒後、2秒後)、リモコン(即、3秒後)、露出ブラケット(3コマ)
  • ・連続撮影=約6.0コマ/秒、約3.0コマ/秒
  • ◉内蔵ストロボ=P-TTL内蔵ストロボ、ガイドナンバー約12(ISO100・m)、35mm判換算で焦点距離28㎜レンズの画角をカバー
  • ・発光方式=P-TTL、赤目軽減、スローシンクロ、後幕シンクロ(対応外付ストロボにおいて)ハイスピードシンクロ可能
  • ・シンクロ同調速度=1/180秒
  • ・ストロボ光量補正= −2.0~+1.0EV
  • ◉撮影機能
  • ・カスタムイメージ =鮮やか、ナチュラル、人物、風景、雅、ポップチューン、ほのか、銀残し、リバーサルフィルム、モノトーン、クロスプロセス ※静止画/動画共通
  • ・ノイズリダクション=長秒時NR、高感度NR
  • ・ダイナミックレンジ設定=ハイライト補正、シャドー補正
  • ・レンズ収差補正=ディストーション補正、倍率色収差補正
  • ・デジタルフィルター =色抽出、トイカメラ、レトロ、ハイコントラスト、シェーディング、ネガポジ反転、カラー、[再生時のみ]:モノトーン、ドラマチックアート、デッサン、水彩画、パステル、ポスタリゼーション、ミニチュア、ソフト、クロス、フィッシュアイ、スリム、ベースメーク
  • ・HDR撮影=オート、HDR1、HDR2、HDR3(自動位置調整可)
  • ・多重露出=撮影回数2~9回、自動露出調整
  • ・インターバル=撮影間隔(1秒~24時間)、最大撮影枚数999枚、開始トリガー(即時、時刻指定)
  • ◉動画
  • ・音声=内蔵ステレオマイク、外部ステレオマイク端子、録音レベル
  • ・記録時間=最長約25分、内部温度上昇時は自動終了
  • ・インターバル動画=撮影間隔(1秒~1時間)、撮影所要時間(4秒~99時間)、開始トリガー(即時、時刻指定) ※記録形式はMotion JPEG(AVI)
  • ◉再生機能=1画像、マルチ画面表示(4、9、16、36、81画面)、拡大(最大16倍まで)、回転表示、ヒストグラム、白とび黒つぶれ警告表示、縦位置自動回転、詳細情報表示、著作権情報表示(撮影者名、著作権者名)、フォルダー表示、撮影日別表示、スライドショウ
  • ・消去機能=1画像消去、全画像消去、選択消去、フォルダー消去、クイックビュー消去
  • ・RAW展開=記録形式(JPEG)、記録設定(アスペクト比、記録サイズ、画質、色空間)、カスタムイメージ、ホワイトバランス、増減感、高感度NR、シャドー補正、ディストーション補正、倍率色収差補正
  • ・編集機能=リサイズ、トリミング、インデックス、動画編集、動画フレーム画像JPEG保存、バッファRAW保存
  • ◉電源 =充電式リチウムイオンバッテリー D-LI90P ✕1個、ACアダプターキット K-AC1202J(別売)
  • ◉電池寿命=ストロボ50%発光:約500枚、ストロボ発光なし:約540枚 ※CIPA規格準拠
  • ◉外部インターフェース=USB2.0(ハイスピード対応)/AV出力端子、HDMI出力端子(タイプC)、ステレオマイク入力端子
  • ◉大きさ=約121(幅)×79(高)×59(厚)mm(ホットシュー、操作部材除く)
  • ◉重さ=約560g(電池、SDカード込み)、約480g(本体のみ)
  • ◉発売時期=2012(平成24)年3月16日、「PENTAX K-01 レンズキット ホワイト×ブルー」は2013(平成25)年7月25日
  • ◉価格=オープンプライス
  • PENTAX K-01レンズキット(smc PENTAX-DA40mmF2.8 XS 付)実売8万円前後
  • PENTAX K-01ズームレンズキット(smc PENTAX-DA L 18-55mmF3.5-5.6 AL付)実売7万円前後
  • PENTAX K-01ダブルズームキット(smc PENTAX-DA L 18-55mmF3.5-5.6 AL、smc PENTAX-DA L 55-300mmF4-5.8 ED 付)実売9万円前後
  • PENTAX K-01 レンズキット ホワイト×ブルー(smc PENTAX-DA40mmF2.8 XS 付) 実売5万円前後
  • (すべて税込)
  • ◉生産数=14,000台/当初月産

 

関連記事

PCT Members

PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。

特典1「Photo & Culture, Tokyo」最新の更新情報や、ニュースなどをお届けメールマガジンのお届け
特典2書籍、写真グッズなど会員限定の読者プレゼントを実施会員限定プレゼント
今後もさらに充実したサービスを拡充予定! PCT Membersに登録する