父母が浜のビーチ。
わたくし、生まれは香川県なので、香川出身ということになります。親が転勤族だったものですから、幼少の頃に香川を離れてしまいましたが、親戚もたくさん住んでおり、懐かしい場所のひとつです。
今回、用事で久しぶりに香川を訪れたのですが、せっかくなのでカメラを持って、いろいろ撮り歩きたいなと思いました。
一番驚いたのが、三豊市の父母が浜(ちちぶがはま)です。父母が浜? と聞いてピンとこない人も、”日本のウユニ塩湖””天空の鏡””リフレクション”で、写真好きはすぐわかるのではないかと思います。父母が浜は、夕日絶景ランキングで日本一位ともなった海岸だとか。
香川県三豊市の父母が浜。晴れの日は晴れの日でいいものです。
地元に住む親戚もびっくりしていました。なぜなら、長年何もない、普通の海岸だと思っていた所へ、いきなりカメラを持った観光客がたくさん訪れるようになったからです。
その元になったのが、SNSに投稿された一枚の写真というのも、すごいですよね。遠浅の海岸に落ちる夕日、それが空を鏡のように反射して美しく染まって、人々の姿がシルエットになり……。父母が浜で少し検索すると、絶景写真がいろいろ出てくるので、ぜひ見てみてください。
ここは波が穏やかで風も凪ぐので、海岸が鏡のようになるようです。今は三豊市も全面的に観光をおすすめしていて、ホームページには写真の撮り方指南や、カメラマンとガイド付きで最高の集合写真を撮れる絶景フォトプランのすすめもあったりします。干潮のときが一番綺麗に撮れるので、干潮と夕暮れが重なる日のカレンダーも完備、いつの時間帯で撮れば綺麗なリフレクションが撮れるかを、市が完全サポートしています。
ドーナツ屋さん、DOUGHNUT HOLIC。店内で手作りの趣で美味しかったです。海を見ながらいかがですか。
店内もかわいい。
この父母が浜、なんと過去に埋め立ての計画があったとか。地形上、海のゴミがたまりやすく、砂浜が見えないほどにゴミで埋め尽くされていたこともあったといいます。それを暑い中も真冬もこまめにゴミを清掃して、いつも綺麗な状態にしたのが地元の「ちちぶの会」の活動だったそう。いまや海岸はおしゃれなカフェができ、ひっきりなしに観光タクシーがやってくるなど大人気スポットとなりました。埋め立てなくて本当になによりでした。
わたしが来たのがちょうど満潮時で、残念ながらリフレクションを狙える時間帯ではありませんでしたが、それでも海岸の様子が趣深かったので、リフレクション以外の時間でもおすすめしたいです。海を眺めながら珈琲を飲めるおしゃれなカフェなどがたくさんできていました。全体がウェス・アンダーソン監督の映画っぽい色合いと言いますか、独特の色合いでまとまっているのもいいです。父母が浜は、最寄りのJR詫間駅からタクシーで2200円程度で来られるそうです。香川にはうどん店の名店が点在しているので、レンタカーで巡るのも効率がいいかと思います。
味のある看板。
タクシーが大人気でした。
それにしても、きらきらした素敵な若者が多いなと思って聞いてみると、最近、父母が浜近辺では、運転免許合宿がとても盛んなのだそう。昼はうどん巡り、父母が浜等への観光シャトルバスも完備で、思う存分撮影、夜は海辺の温泉等々、合宿所で友達になった人たちとわいわい楽しむと聞き、家の近くで嫌々古い教習所に通っていたわたくし、そのキラキラした青春模様のうらやましさに歯ぎしりして泣きそうでした。東京や、他地域からの若者が多いとか。今から免許取りたいなという読者の方は、ぜひ香川県の合宿免許もご検討ください。そのときはカメラもお忘れなく。
予讃線、観音寺駅。いまとなっては珍しい有人改札のあと。
予讃線2両の電車。
予讃線の車内でくつろぐ人たち。なかなかにフリーダムな寝相。
最近、コロナの行動制限もなくなったことから、何年かぶりに遠出をしていますが、コロナ前とガラッと変わって、店が潰れ、空き家ばかりで、ほんとうに寂れてしまった観光地をところどころで目にします。さびしいものです。反対に、SNS発で人気を博するところも出てきました。新しい店が次々にでき、活気があって元気な地方を見ていると、いいなと思います。今回の旅でも、予讃線には外国人旅行客が多く乗っていました。日本人より多いくらいでした。やはりみなさん、インスタグラムなどの写真や口コミを見て来ているらしく、人が殺到してオーバーツーリズムなどと言われがちな有名観光地よりも、むしろ楽しく巡れる穴場なのかもしれないと思いました。
普通の海岸が、これだけ大人気の場所になるなんて、写真の力ってすごいなと改めて思います。今度はリフレクションも狙いたいですね。
香川のうどんと言えばはずせないおでん。
少し距離は離れていますが、数年ぶりの山下うどんをいただきます。
■父母が浜(香川県三豊市)
https://www.mitoyo-kanko.com/chichibugahama/
※すべてリコー GR Ⅲxで撮影。
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