top コラム柊サナカのカメラぶらり散歩第23話 原宿の新スポット、GR SPACE TOKYOへ。

柊サナカのカメラぶらり散歩

第23話 原宿の新スポット、GR SPACE TOKYOへ。

2024/09/17
柊サナカ

原宿に現れた素敵な場所、GR SPACE TOKYO。写真好きアート好きな人はぜひ。

 

みなさん、最近の東京って、落ち着ける場がないと思いませんか?
 

よし写真を撮ったぞ、そろそろどこかで休みたいな、と思ってもベンチらしいところがない。それじゃあスタバにでも入るか、と思うと、中には何の仕事をしているのかさっぱりわからないMacBook使いがあちこちに陣取っていて混雑、座れません。さあ空いている喫茶店があったぞ、と思ったら前後左右で何かの勧誘が行われていて空気が悪い……。
 

わたしたちには憩いの場がないのか? と思っていたら、原宿に新スポットができました。その名も「GR SPACE TOKYO」。

 

にぎわうGR SPACE TOKYO内。 

 

そうは言っても、ただのカメラのショールームでしょう? と思うかもしれません。カメラのショールームと聞いて想像できる場所とはまったく違います。冒頭、落ち着ける場がない……と嘆いていたわたしには、東京に現れたオアシスじゃないかと思いました。
 

場所は表参道や原宿どちらにも近い場所、表通りに面しておらず、一本入ったところというのもいい。

 

GR SPACE TOKYOに入ると広い空間が広がっています。おしゃれなギャラリーのようですが、座りやすそうなベンチがあちこちに。もちろん、ショールームとしての働きもありますから、歴代のGRの展示、自由に実機を触れるコーナーもあります。

 

もちろん、カメラのショールームとしての役割もきっちりと。タッチアンドトライスペースもあります。

 

ファインダー等、気になってた人もいるのでは? 使い勝手を試せますよ。

 

落ち着いて写真を楽しんでください、ゆっくりGRを触ってください。のんびりしていってね! というメッセージを感じました。嬉しい。
 

わたしのGR歴は長く、GR DIGITALⅡ、GR Ⅲ、GR Ⅲx(https://photoandculture-tokyo.com/contents.php?i=2252)、フィルム機のGR1(https://photoandculture-tokyo.com/contents.php?i=7)も愛用しています。思えば最初に買ったデジタル機がGR DIGITALⅡでした。年齢がばれますが、その昔、mixiというSNSがあって、そこではカメラごとにコミュニティがあり、いろいろ覗いていくうちに、一番平和そうで一番仲が良く、みんなで楽しそうに写真の話をしているのはGRだなと思ったのがきっかけです(当時カメラを触り始めた個人の感想です)。

 

歴代GRたちも勢ぞろい。わたしがお世話になった機種もあります。
 

その雰囲気は、十年以上使い続けてきた今も変わることがありません。今も毎日、仕事とプライベートと写真以外の趣味(植物の栽培など)に使い続けています。使っていて飽きを感じたことはありません。GRを使ったことのない方は、ぜひGR SPACE TOKYOに行って実機を触ってみてください。今は、GR SPACE TOKYOでの販売はしていませんが、後々には販売もできるようにしたいということでした。
 

もうGR持っているよ、という方にもGR SPACE TOKYOはおすすめの場所です。
 

壁一面に広がった森山大道の写真は大迫力ですし、写真好きの人の間で一番知られている例の犬「三沢の犬」もいます。モノクロで撮りましょう。

 

カメラのショールームというより、落ち着いたギャラリーのようでもあります。

 

壁一面に広がる森山大道作品は圧巻。展示は10月21日までなのでぜひ。

 

「わー、あの犬だ!」とわたくし大喜び。モノクロで撮りたいですね。
 

本棚もまた独特の並びで面白い。写真集を手に取って開いてみると、メモが入っていました。なんとこの本棚の本、写真集専門書店として名高い「book obscura」の店主、黒﨑由衣さんが選書したものだそう。book obscuraといえば、「日本カメラ」で過去に取材に伺ったことがありますが、店主の黒﨑さんの写真集愛と深い写真集の知識に驚きました。
 

写真集と言えば、文字が少なく、楽しみ方がよくわからないという方もあろうかと思いますが、この黒﨑さんのメモがあることによって、写真を理解する補助線を引いてもらったようで、わたしにもわかりやすく、気がつけば一冊、また一冊と手に取っていました。黒﨑さんは、“15歳の自分に、「あそこに行きな」と言いたくなるスペースになるように”、というコンセプトで写真集を選ばれたそう。GR SPACE TOKYO は、座り心地の良い椅子に座って、気の済むまで写真集の閲覧を許される、むしろ推奨される場所なのです。わたしが求めていた東京の落ち着ける場所がここに……! ここで育った十代の方たちが、新たな写真界のムーブメントを起こす、みたいなことになったら素敵ですね。

 

まず驚くのはソファの数と本棚の多さ。しかも、一冊一冊とても面白そう! 素晴らしいセレクト。

 

美術手帳のバックナンバーもあります。

 

気になって手に取った「LIME WORKS」Naoya HATAKEYAMA。

 

選書された本にはこのように解説が入っています。どなたにもわかりやすい。

 

作家もそうなのですが、写真家もまた、良質なアウトプットは良質なインプットあってこそ、だと思うのですよね。SNSで見る写真ももちろんいいですが、SNSの写真は今現在の流行の最大風速であり、写真という芸術の流れのほんの一瞬でしかありません。ギャラリーに展示された森山大道作品や、book obscura選書の写真集群には、大いに創作意欲を刺激されるのではと思います。

 

「LIME WORKS」Naoya HATAKEYAMA、何気なく手に取りましたが、中身のすばらしさにびっくりして読みふけってしまいました。これも出会いですね。購入予定です。

 

この場所から何かがはじまりそうで楽しみです。GR SPACE TOKYO。

 

良いカメラ、良い写真集、そこに美味しいコーヒーがあったら言うことないじゃないですか。あります。GRのコンセプトに合うブレンドを、と吟味に吟味を重ねた豆を使った、オリジナルのコーヒーです。わたしはアイスコーヒーをいただきましたが、その美味しいこと。豆はLITTLE DARLING COFFEE ROASTERS監修の豆だそう、美味しいわけです。壁一面に広がる展示、美味しいコーヒー、座り心地のいい椅子、誰でも手に取っていい写真集にGR。

 

何かのショールームで、普通ここまでコーヒーは凝らないところが多かろうと思うのですが、オリジナルブレンドで豆から選んだという凝りっぷり、コーヒーがおいしいのは嬉しいですね。

 

表参道や原宿というと、写真を撮るのも楽しい場所なので、いろいろ撮り歩いてGR SPACE TOKYOにやってくるというコース、次のお休みにでもいかがでしょう。わたしも撮りたい意欲が高まり、GRⅢxでいろいろ撮り歩きながら帰りました。
 

記事中の写真はすべてGR Ⅲxで撮影しました。
 

刺激を受けてさっそくわたしも表参道の街を撮りました。(GR Ⅲx・絞りF3.2・1/640秒・ISO200)

 


鏡と空。(GR Ⅲx・絞りF5・1/1250秒・ISO200)

 

白い傘。(GR Ⅲx・絞りF3.2・1/400秒・ISO200)

 

木漏れ日(GR Ⅲx・絞りF3.2・1/640秒・ISO200)

 

 

  • GR SPACE TOKYO
  • 住所:東京都渋谷区神宮前6丁目16-19 原宿WATビル102
    電話番号:0570-081996(ナビダイヤル)
    営業時間:11時30分~19時00分
    休館日:火・水・祝日およびその他指定休館日
  •  
  • 写真展:「森山大道展」
    作家:森山大道
    会期:2024年8月11日(日)~10月21日(月)
    [前期]:2024年8月11日(日)~9月9日(月)
    [後期]:2024年9月12日(木)~10月21日(月)
  •  
  • https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/community/grspace_tokyo/

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