足尾銅山入口。(GR Ⅲ+PolarPro CineGoldフィルター・絞りF3.5・1/160秒・ISO200)
わたしはリコーGRシリーズをこよなく愛しており、仕事・趣味・プライベートと合わせて撮らない日はないくらいです。フィルムではGR1を、デジタルではGR ⅢxとGR Ⅲを愛用しています。寄ってよし離れてよしで、なおかつコンパクト。頼りにしているカメラの中の一台です。旅行には必ず持っていきます。
使用した二台のカメラ。フィルムカメラのGR1とデジタルカメラのGR Ⅲ+PolarPro CineGold。
ところで、SNSなどでは、カメラはデジタルがいいのか、フィルムがいいのか論争が起こることがありますね。どちらか一方を推す派は、もう一方をけなしたりも。しかしながら、やはり平和が一番です。ここはフィルムとデジタルを両方使い、両方好きなわたしが、GRシリーズでフィルム・デジタルを同じ構図で撮りつつ、足尾銅山へ行ってまいります。
栃木県日光市にある足尾銅山、みなさま行かれたことがおありでしょうか。その歴史は江戸から続き、1973年に閉山されるまで、日本有数の銅を産出した山として知られています。
足尾銅山にはさまざまな人形が置かれています。「厳しい労働をする為に酒とバクチで紛らわし、金を使い果たすものもいた」とあり、大変だな……と思った次第です。
猛暑の夏に写真なんて撮りたくない、どこにも動きたくないという人こそ、足尾銅山はおすすめの場所ではないかと思うのです。トロッコ電車に乗り、銅山の内部へと入っていくのですが、地下ですから、外は40度近くの猛暑でもいきなりヒンヤリとしていて寒いくらいでした。上着がいるほどです。
坑道入り口が見えてきました。(GR1、Kodak Gold200)
わたしはかねてからトンネルや地下道を撮影するのが好きです。入り口から入ってきた光が綺麗なグラデーションを描く様子もいいし、明るいところから暗いところまでの階調が綺麗に出るもいい。
トロッコはどんどん坑道へ入っていきます。(GR Ⅲ+PolarPro CineGoldフィルター・絞りF2.8・1/8秒・ISO6400)
お盆休み中の混む時期は、どこも混むのがあたりまえとなっています。たまたまかもしれませんが、足尾銅山は人が多すぎて通れないとか、長蛇の列ができて先に進めないと言うこともなく、カメラ片手に好きなだけ滞在できて、じっくり写真を撮れるというのも嬉しい場所でした。
坑道内は入り組んでいて暗く、昔の方の生活を思いながら撮りました。(GR Ⅲ+PolarPro CineGoldフィルター・絞りF2.8・1/30・ISO6400)
ピカピカに新しい施設より経年の味がある建造物が好きなので、足尾銅山はシャッターチャンスの宝庫です。一つはフィルムカメラGR1、もう一つは、フィルムのポートラ調の写真が撮れるというCineGoldフィルターを付けたデジタルカメラ、GR Ⅲを使いました。
それでは、どちらがフィルムか、デジタルかを、このコラムをお読みの皆様にも見分けていただきたいと思います。
さて問題です。ノートリミング、どちらも画像ソフトで調整はしておりません。どちらがフィルム/デジタルでしょうか? 上下でお答えください。
足尾銅山入口。これはフィルムでしょうか、デジタルでしょうか。
足尾銅山入口。これはフィルムでしょうか、デジタルでしょうか。
正解は、上がデジタル、下がフィルムです。足尾銅山の入口にはトロッコで入っていきます。過去の坑夫の方々も乗って奥まで行っていたということで、なかなか得難い経験でした。
さて問題です。次はどちらがフィルム/デジタルでしょうか? 上下でお答えください。
トロッコの線路。これはフィルムでしょうか、デジタルでしょうか。
トロッコの線路。これはフィルムでしょうか、デジタルでしょうか。
正解は、上がデジタル、下がフィルムです。歴史ある、トロッコ線路わきも味わい深かったです。
さて問題です。次はどちらがフィルム/デジタルでしょうか? 上下でお答えください。
坑道内のランプ。これはフィルムでしょうか、デジタルでしょうか。
坑道内のランプ。これはフィルムでしょうか、デジタルでしょうか。
正解は、上がフィルム、下がデジタルです。坑道の中でも緑が生きていて、生命の神秘を思いました。
足尾銅山は、坑道の中の仕掛けも凝っていて、銅の精製法なども興味深く、かつての歴史を知る上でもたいへんためになる場所なので、カメラを持っての散歩におすすめします。お土産に、こちらで産出された銅で作られたという古銭を買って帰りました。
坑道内は見ごたえがありました。(GR Ⅲ+PolarPro CineGoldフィルター・絞りF2.8・1/30秒・ISO5000)
お土産の足字銭。寛永通宝の文字が読めますね。坑道の中を実際に見てから手に取ると感慨深いです。どんな人の手を渡って来たのでしょう。
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