モータードライブ2をつけたオリンパスOM-4Tiです。見た目は悪くありません。カッコいいのですが、実際に持ち出すとさまざまな不備にイラつきますので、精神が落ち着いている穏やかな時にお使いなるのがいいと思います。
えーとですね。OM-4Tiの2回を始めます。え、もういい? いや、筆者もね、そうは思うんですが、本連載は自分への覚書的なところがあるわけですよ。年寄りは確認しつつ、さらに一度書いてあることで、昔を思い出したりするわけです。そうでもないか。
で、前回書きました、F280フラッシュ、発掘したら出てきました。ったく心配かけさせやがるぜ。
OM-4Tiに取り付けたフルシンクロフラッシュF280です。なんだか恥ずかしいデザインです。バウンスもできません。本体の下部に外部電源ソケットをつけようとした跡が見えるのも姑息な感じです。途中で仕様変更したんでしょうかね。スーパーFP発光の時はフル発光と同じですから、とてつもなくリサイクルタイムが長いです。
これでFP発光させた作例を、とも思ったのですが、こうみえても筆者は忙しいので、撮影に出かける時間がないですね。現像に出す時間も惜しい。
で、ダミーのフィルム入れてね、発光させてフラッシュメーターで測光してみたわけです。そうしたら、まずまずでしたよ精度。40年前ならこんなもんだべ、的な感じはあります。
ただねー筆者の経験からすると、この当時のサンパック25SRとかB3000Sとかの方が調光精度は優れてましたね、リサイクルタイムとか考えても、大量の撮影は不向きでした。F280なんか外部調光できませんからね、これだけでドン引きですね。どなたですか? これ設計した人は。
スーパーFP発光とノーマルのTTL自動調光ではスイッチのポジションが違います。ノーマル発光でも閃光時間が長いから動体の撮影には気をつけてください。外部調光は不可能ですから、他のカメラでは使い物になりません。
ま、良い子は見つけても購入しないことです。ジャンクコーナーで200円くらい売ってたら研究という名の遊びで買ってもいいかもしれないけど、どうせ使わないんだから、悪いことは言わないからやめた方がいいと思います(経験者談)。
あともう一つね、モータードライブ2ってのもOM-4に合わせて登場してきたんですが、これがまた出来損ないだったんですよ。
まず初期タイプは使用してくると、グリップの塗装が浮いてきてバリバリ剥がれるのです。最近はあまりそういう人はいないのかもしれませんが、海水浴で日焼けすると、しばらくして皮膚が汚くめくれるじゃないですか。あんな感じです。
これ、購入してすぐにクレーム入れたら、外装を新品に変えてくれましたね、オリンパス。やはりダメダメの自覚があったようです。カスハラはしたくないのでそれ以上はツッコミませんでした。あ、同じように外装の塗装が剥げるものに、ライカR8用のワインダーがあります。泣きたくなります。あ、話がそれました。
モータードライブの最高コマ速度は5コマ/秒くらいですけど、この当時としてはどうなんだろう。普通ですかねえ。グリップ部分の指の先にゴムが入れてあったりして凝ってます。フィルムを装填して、裏蓋を閉めると勝手に1コマめまで巻き上がります。けど大きなお世話ですね。AEのままだと長時間露出になったりします。フィルムが高い時代ですから、空送りは最小限にお願いしたいのですが、このモータードライブ2は平気で無駄にしますね。
動作音は結構良い感じでシャキシャキしてキレがよくて結構好きであります。
でもね、モータードライブ2を使用して非常に困ること。これ、あるんですよね。
モータードライブ2には背面にLCDがあって、フィルムの有無とか裏蓋開けろとか指示がでます。この状態はフィルムが入っていないので裏蓋開けてよしのアイコンです。筆者はあまりこのLCDは見てないですね。あらかじめ撮影コマ数とかセットし、自動停止とかできるようです。
OM-4Tiはファインダー表示にタイマーがあり、ボディ単体で使う場合は本体のシャッターボタンを半押しするか、レバーやイルミネーターボタンを押すことで再度表示が出るわけです。
ところが、このモータードライブ2を装着すると、モータードライブ側のシャッターボタンを半押ししても電源が入らないのです。
もちろん全押ししてしまえば撮影はできるのですが、ファインダー内で露出表示を確認するには本体側のシャッターボタンなりレバーを操作するなり触れなければならないのです。
右手はモータードライブのグリップを握っているので、本体ボディのいずれかのボタンやレバー類を触るには左手を使う必要があります。でも左手はレンズのフォーカスリングを持っているわけです。
つまり、フォーカシンングを中断して、ボディ本体のいずれかのところに触れないとファインダー内にメーター表示が出ません。どなたですか、こういう仕様にした人は?
まだあります。モータードライブ2は撮影後のフィルム自動巻き戻しを可能にしているんですが、必ずフィルムのリーダー部がパトローネから飛び出して停止する設定になっています。これ、デフォルトの設定というか、変更できず必ずそうなります。しかも、この飛び出たフィルムのリーダー部、すげー長いから、素直にパトローネから取り出すのに苦労します。
おそらくオリンパスは、フィルムのリーダーを残した方が、自動現像機にすぐに放り込めていいんじゃね、この機能を発明したエンジニアはエラいだろヲレ、な?くらいの気持ちでいたと思うのですが、もちろんそんな使用をする人は稀でありますし、恐ろしいのは、リーダー部を残したままだと撮影済みのフィルムを再装填してしまうことがあることです。これは大事故です。考えただけでも背中にイヤな汗が流れます。
じゃあ、どうするんだよ、と言われたら、簡単ですね、巻き戻しクランクを指で回して完全にリーダー部をパトローネに巻き取ります。ったく、なんのための自動巻き戻しなのでしょうか。
それでも、モータードライブ2は憎めないところもあります。それは見た目が立派なことです。グリップの指に合わせたデザインなんか泣きそうです。それに先に書いた通り動作感触と音がいいですね。今も原稿書きながら空シャッターを切って遊んでいます。ただ、しつこいようですが細部のツメが甘いですね。お願いしますよ。
もっとOM -4Tiの本来の役割を書かねばならないのですが初回から今回も脱線してしまいました。次回こそ頑張ります。ではでは。
PCT Membersは、Photo & Culture, Tokyoのウェブ会員制度です。
ご登録いただくと、最新の記事更新情報・ニュースをメールマガジンでお届け、また会員限定の読者プレゼントなども実施します。
今後はさらにサービスの拡充をはかり、より魅力的でお得な内容をご提供していく予定です。