OM-1ブラックです。メインスイッチも真っ黒ですから潔い感じがします。ズイコー35mm F2.8がついています。35mm F2はどうも絞りによる焦点移動があるような気がしますのでこちらがオススメです。軽いし。3本くらい買い替えましたから間違いないかと。
OM-1の話がなかなか進まないのですが、そうです。OM-1になる前に「M-1」があったのでしたね。M-1は1972年の登場です。「OM-1」は1973年に発売であります。当時は世界最小・最軽量の35mm一眼レフでした。
M-1のMは「米谷」のMであると、生みの親の米谷美久さんが発言されている雑誌も読んだので、もう名前の由来は事実でいいと思うのです。
それにしてもいいですよね自分の名前をカメラの冠にするってのは。ファーストネームだったらYだったのかしら。「Yシステム」じゃ、少し弱いですかね。
それで、「M」とつけたことによって、ケチがつきますね。当時のエルンスト・ライツ社から。「M 」SYSTEMとは何ごとかと。場所はフォトキナでしたっけね。
うちの「M」の名をパクるんじゃねえよ。あ?ってことで、オリンパスはあっさりと折れて改名に同意するのでしょうか。でもライツのライカM1はライカM2から距離計を抜いた特別な仕様でしたけどね。
経緯はよくわかりませんが、最終的にはオリンパスの「O」と米谷の「M」がくっつくことになるのですから、これはまた更なる栄誉なんじゃないかと。いや、なんか平和な感じもします。
オリンパスM-1です。軍艦部のロゴを大きく撮影しておくのを忘れました。M-1だってわかりますよね。正面からみればOM-1と区別はつきませんが。装着レンズはMズイコー55mm F1.2ですね、あまり見ることないから珍品でしょう。黄変してますね。アトムレンズかもしれません。開放ではコントラストが低くてユルい描写をする銘玉ですね。
M-1もM刻印のレンズやアクセサリーもそこそこの数を作り、市場にも流していたようで、最初くらいは勘弁してください。とライツに頼んで泣いてもらったのかどうかは知りませんが、M-1どころかM刻印のZUIKOレンズ、アクセサリーとか少数とはいえ一部が市販されて、これを珍重する人がいるようです。最近はそうでもないけど、M-1は一時中古市場で高い時期がありました。
それにしても、カメラ名やロゴを変えると、元箱のデザインを変えるとか大変だったんじゃないですかねえ。リコールではないけども。
それにOにくっついた「M」の文字もなんだかおとなしくなりましたよね、当初の末広がり的なデザインから。今、手元にM-1はないけど、「M」のロゴデザインなんかなかなかいい感じでしたよね。実際に強そうだもん、「OM」よりも(笑)。
それにしても、「まあまあ、そんなカタイこと言わないでここはひとつ仲良くやりましょう」とはオリンパス側が言って、手打ちにならなかったのでしょうか。
ほら、米谷さん、ライカはⅢfが好きですと公言しており、OM-1の底部のサイズはそれに合わせたとする有名な話がありますが、そのあたりの話を持ち出し、ライツをリスペクトしていますからM-1は実現できましたとか、持ち上げておけば、テキは喜んで「ま、仕方ねえな、今回は特別に見逃してやる」となったかもしれないし。ならないか。どうも粋じゃあないですよね。
ライツ社は自分のところのライカフレックスSLとかデカ重かったので、小さくて軽くて高性能のM-1が許せなかったのかもしれません。今のうちにこれはツブしておかないとライカフレックスが危ういと。ってことはないとは思いますけどね。
あ、ここまでの話は筆者の妄想と推測でありますので本気にしないで忘れてください。ちなみにドイツ人って、オリンパスもニコンのカメラもすごく好きだと思いますね、私の知る限り。
1998年に最初にドイツに行った時にドイツ人のカメラマンが褒めてたもん、日本のカメラ。この人は珍しくオリンパスも使うって言ってました。なぜお前は日本人のくせにライカ使うんだよって言われましたもん。
これによってドイツ本国でもマジメな写真家はライカなんかに耽溺なんかしていないということが示された感じがしました。ま、ライカにはAF一眼レフすらありませんでしたからねえ。
またまた少し話が逸れますけどね、考えてみれば、キヤノンにも「Mシリーズ」があるんだけど、この時にライカ社は怒らなかったのかね?
「EOS 」名が前につくから許されたのかな。でもEOS M2とかM3とかM5もあるんだぜ。筆者とはじめ、これを「エムニ」「エムサン」「エムゴ」とか呼ぶからさ、よくライカと間違えたし。何、もうディスコンだからいい?そんな軽いものなのですかカメラ名って?
リコーイメージングのペンタックスも過去にZ-1があるんだからニコンに怒るとかしないのか。Qだってライカよりもペンタックスの方が先じゃないのか。
パナソニックのルミックスも「Sシリーズ」とかあるけどLをつけると「SL」でライカみたいになるのが兄弟みたいで逆にいい効果なのか(笑)。
さらにね「Xシリーズ」とかいうと、ジジイな筆者なんか、富士フイルムのことは出てこないで、これも「おおミノルタXね」と間違えて話を始めそうになるんですよね。本当ですぜ。
と、つまらないことを書いているとほら本題に入らない前に紙数が尽きる。紙じゃないけどさ。
でM-1はかつてうちにもありましたけど、どうしても欲しいという人がいて譲りました。格安で。もしこれ読んで飽きていたらすぐにウチに返却してください。
初期のM-1とかOM-1とか微妙に中身も違うらしく、一部のヲタな方々が色々と研究しているようです。一銭にもならないけども。ブラックボディはM-1の発表会の時に招待したプロの一部に配ったということです。これは大倉舜二先生に聞きましたから間違いないでしょう。先生にブラックのOM-1は何処に?と訊いたところ、「誰かにあげた」とだけ答えられた記憶があるんですが。どなたですかねー? 少し羨ましいです。
試作品のズイコー18mm F3.5を装着したOM-1です。かなり早い段階から、18mmの用意はあったのですね。市販品よりカッコよくないですか。
筆者がM-1とかOM-1の初期モデルで気に食わないのは、ファインダーアイピースのガラスがせり出していることで、逆入光の影響もありそうだけど、このためよくガラスが汚れました。そのうちに改良されて、これは内側に引っ込むことになります。光学系を変えたんですかねえ。
おそらくなんですが、メーターのスイッチってM-1は金属製のように見えました。
最高感度設定はISO1600ですね。今では常用感度領域というかあまりにもフツーです。フィルム時代には十分に高感度だったわけで。OM-1登場のころは増感現像マストでしたけど。
OM-1になってもしばらくそれで、そのうちプラスチッキーになります。「1銭」単位でコストを抑えるのだというコンセプトは各社ともに守りたいですから、こういう素材変更もうなづけます、でも初期のOM-1ブラックなんかスイッチの白い線も省略してましたね。手抜きじゃないよね。手抜きといえば当初のOM-1のブラックって、シルバークロームの上にブラックペイント塗装してました。しばらくして塗装が剥げるとシルバーが露出し、えらく貧乏くさい姿になります。「あいつはブラックが買えなかったから自分で塗ったんだぜ」と誤解されて、石とか投げられなかったのでしょうか。
単三バッテリー用のグリップをモータードライブ1につけました。この写真はOM-1Nに装着しておりますが、装着した佇まいは同じです。
OM SYSTEMですからモータードライブグループとか、マクログループとかに分かれています。モードラも当初から用意されたことです。名前は「モータードライブ1」と申します。当初M-1、初期のOM-1ではオリンパスにモードラ装着のための改造を依頼せねばなりません。もちろん有償ですぜ。のちに改造しなくてもモータードライブが装着できるOM-1 MDが登場します。なんか安いシールみたいなのが貼られていました。前々回にご紹介した筆者の愛機のOM-1Nはデフォルトでモードラ装着を可能にしていました。
OM SYSTEM OM-1とOLYMPUS OM-1を並べてみます。前者は新型のMarkIIが登場したばかりですが、全体のフォルムは同じです。
ニコンFもモータードライブを使うにあたり、サービスで調整が必要でしたが、M-1やOM-1は特定の現品調整品のみで動くということもなく、モードラ対応ボディなら互換性があります。最高で5コマ/秒くらいはいきましたかね、これも往時としては速い方ではないかと。
これもOM-1Nにモータードライブ1を装着しています。バッテリーはニッカドです。後から発表されました。モータードライブ1は初期タイプでレリーズボタンが大型ですが、のちに改良されて、シャッターボタンが小さく、リモコンケーブル用のジャックも増設されました。初期型は本体に、カメラ側の連結部用の化粧蓋を収納する場所がないので、蓋は紛失に注意です。
あとすごいのはニコンのモードラはコマ速の違いで使用できるシャッタースピードがスロー側に制限ありました。これを守らないと、露光時間中にフィルムが巻き上がったりしますが、M-1やOM-1にはこの制限がないことです。
ファインダースクリーンもかなりの数が用意されており、これもまた通常の体制であります。でも、なんか初期のスクリーンは暗くないですか? 標準仕様のマイクロプリズムもすぐ陰りがすぐ出たりさ。それにマウント側からスクリーンを交換するためにマウント内に指を入れたりするって、かなりリスキーですね。これも米谷さんが考えたのでしょうか。
欧米人のデカい指とかマウントに入れるとすぐにミラーに触りそうで怖いですね。不器用な人にはスクリーン交換作業は辛いところなのです。
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