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推すぜ!オリンパス

第28回 OMシリーズ初のプログラム露出制御機構を搭載!オリンパスOM-2SP

2024/05/24
赤城耕一

アクセサリーシューが固定式になりましたねえ。この位置関係でよく米谷さんは許可したよなあ。あとOLYMPUSのロゴが垂直ではなく寝ているのはイヤ。なんか緊張感ないですね。

 

今回も時系列を無視しますね。1984年登場のオリンパスOM-2 SPOT/PROGRAM、通称でOM-2SPの話をしようと思います。
 

OM-2の名前がついていますから、絞り優先AEのOM-2の兄弟機のように思われるかもしれませんが、これはまだこの連載で紹介していないOM-4の兄弟機というほうが正しい認識かもしれません。なんかね、OM-2とはぜんぜん雰囲気違うんですよね。
 

カバー材質は真鍮ですね、しかもブラックペイントのみです。ペンタプリズムの前面の傾斜がユルくなっているところ、ここにOLYMPUSのロゴが彫られていることで緊張感が失われてしまったような気がします、これは嫌ですね。

 


華奢な巻き上げレバーは踏襲されています。感触は悪いのは伝統芸かもしれません。フィルム感度設定ダイヤルと露出補正ダイヤルは兼用ですが、従来よりも背が低くなりました。目立たない配慮かな。時代的にISOとASAが併記されています。

 

あと、ボディ単体では、変な着脱式のグリップが付けられていますが、何の役にも立ちません。これってOM-4譲りなんですかねえ。共通だったかな。
 

ワインダーとかモードラをつける時はこのグリップを外します。外したグリップはどこかに出かけるのが常であります。一度お出かけになると、おそらくもう帰ってくることは稀です。これはウチだけの現象なんでしょうか。

 


メインスイッチですけどね、上にした時にプログラムAEモードになります。中間位置で絞り優先AEです。現状況はマニュアル露出になっています。

 

OM-2SPの仕様もかなり変態です。絞り優先AEモードとプログラムAEモード、マニュアルモードがあるのですが、二つのAEモードでは通常の中央部重点平均測光、マニュアルモードのみ、スポット測光になります。
 

これは少しヘンだけど、一応は理にかなっているようにも思えます。絞り優先AEではダイレクト測光方式です。プログラムAEではレンズもプログラムAEに対応していないので、最小絞りに設定することによる瞬間絞り込み測光による露出制御になります。 
 

ただ、いずれのAE制御でもAEロックはなく、露光補正ダイヤルを使います。これは“ダイレクト測光” を採用したカメラなので露光値は記憶できないという建前からきています。本当かどうかは知りませんが、相変わらずAEロックはありません。

 


シャッターダイヤルはお約束のマウントの基部の位置にあります。AEがウリですから、よほどのことがない限り触れません。

 

仮にAE露光でスポット測光できるカメラの場合は、AEロックは必ずセットとして機能させねばならない関係になります。測光後にカメラを動かすと、当たり前ですが測光値が大きく変わってしますからです。
 

マニュアルモードでは、スポット測光し、そのままフレーミングを変えても露出値は同じままで動きませんので、あたりまえですがAEロックと同じ理屈になるわけです。つまりマニュアル測光はスポット測光と整合感があるわけです。
 

プログラムAEモードは瞬間絞り込み測光のためでしょうか、かなり大きなタイムラグがありますね。大袈裟ではなくて、一拍おいてシャッターが切れる感じです。これは仕方ないですね。ただ、ワインダー装着時にはタイムラグのせいでしょうか、コマ速度が落ちるようです。
 

オリンパスのアナウンスではOM-2SP以降に発売されたOMズイコーレンズは、プログラムAEに適するように改良されたみたいなことが書いてあるけど、怪しいですね、これは。ミノルタのMDやヤシカコンタックスのMMレンズみたいに最小絞りが色分けされているとか、外観上の区別があるわけじゃないしね。
 

とてもがっかりなのは、ファインダー内部のシャッタースピード表示がOM-2の指針から液晶表示になるのですが、これが絶望的に暗くて醜い、じゃない見にくいんですよね。

 


無用に大きなOM-2の白文字も嫌いですね。従来の愛らしい大きさの方がよかっですね。SPOT/PROGRAM文字も緑とはこれいかに。

 

ボディの外部には細長い採光窓があるんですけどね、しかもイルミネーターまで用意されております。暗ければこれ使えってか?
 

さらにですね、この液晶はいま、経年変化で薄くなっていたり、一部の表示が欠けたりする個体が多くて、非常に不愉快ですね。これ、安い液晶を採用したんじゃないですか?コストをケチって。うちにある個体はかろうじて見えますけどね。コントラスト低めでイラつきます。指針式の偉大さを思い知らされることになるのです。

 


モータードライブ2も装着可能ですが、フィルムの自動巻き戻しはできません。塞がれています。OM-4と金型が同一っぽいですね。

 

おまえさ、40年前のカメラにいちいちケチつけんじゃねえよとか言われそうですけどね、でもね、うちのOM-1は絶好調をずっと維持していますからねえ。なんら問題なく、ストレスなく写真撮れますから。
 

しかし、作りがイマイチであることが40年を経てから露呈指定しまうのはカッコ悪いですな。正直。え?誰も使わないからいいだろ?って。いやまあ確かにそうだけど。

 


付属のグリップ。この頃の流行かなあ。役立たずですわ。ワインダーとモードラ装着時には取り外して、どちらかでダイジダイジにお願いします。

 

それでもAE一眼レフの中でも、うちにあるニコンF3とかキヤノンNEW F-1とか素晴らしく快調ですけどね。フラッグシップ機はカネのかけかたが違うんでしょうかねえ。電池がないと完全には動かないカメラでも信頼があったんですね。
 

話があらぬ方向に行きそうなんで、このあたりでおしまいにします。

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